介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
人間関係とコミュニケーション 問2

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 人間関係とコミュニケーション 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

Bさん(80歳、女性)は、介護老人保健施設に入所が決まった。今日はBさんが施設に入所する日であり、C介護福祉職が担当者になった。C介護福祉職は、初対面のBさんとの信頼関係の形成に向けて取り組んだ。
C介護福祉職のBさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 自発的な関わりをもつことを控えた。
  • 真正面に座って面談をした。
  • 自分から進んで自己紹介をした。
  • 終始、手を握りながら話をした。
  • 孫のような口調で語りかけた。

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この過去問の解説 (3件)

01

援助される側と援助する側との間に結ばれる信頼関係をラポールと言います。

ラポールを構築には初期段階の行動が重要になります。

初対面の人はある程度の警戒心があり、緊張しています。初期段階で良い印象を与えるためには、相手の話を傾聴し、まずは相手を知ることが大切です。

選択肢1. 自発的な関わりをもつことを控えた。

誤り。

初対面であり、相手も話をするきっかけをいないと思われます。

自発的な関わりを控え、相手の出方を待っているだけではコミュニケーションが取れず、信頼関係を築くことができません。

選択肢2. 真正面に座って面談をした。

誤り。

真正面に座ることで、顔や視線から多くの情報を読み取ることでき、相手の感情と表情の連動などを動作しやすくなります。

一方で、視線を浴びることで緊張状態に陥ってしまう可能性があります。初対面で緊張感を促進してしまうと、話がしづらくなってしまいます。

選択肢3. 自分から進んで自己紹介をした。

正答。

自己紹介をすることで、相手の警戒心と緊張感をほぐし、話をしやすい環境を作ることができます。会話の取り掛かりとしては、良い関わり方だと思います。

選択肢4. 終始、手を握りながら話をした。

誤り。

初対面の相手に対し、手を握るのは距離感が近すぎます。関係性が築けていない段階で距離感を詰めすぎると、緊張感や警戒心を強くしてしまいます。

選択肢5. 孫のような口調で語りかけた。

誤り。

介護福祉士職として、利用者に対して孫のよな口調で話しかけるのは馴れ馴れしすぎます。初対面の段階に関わらず、慎むことが望ましいでしょう。

まとめ

介護福祉施設に入所するということで、Bさんは緊張していることが考えられます。初対面の段階では、Bさんの緊張感をほぐし、警戒心を解いていくことが、施設の生活に馴染んでいける大切な一歩です。

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02

初対面の相手と信頼関係を形成するためには、さまざまなコミュニケーション技法を理解している必要があります。この問題ではそれらが理解できているかが問われています。

選択肢1. 自発的な関わりをもつことを控えた。

誤答です。問題文には入所初日のBさんの感情は書かれていません。緊張している・不安でいっぱい・嫌々入所に至った・この日を楽しみにしていたなど、さまざまな心情であることが予想されます。先入観を持たずに介護職員側から積極的に関わりを持つことで、Bさんの感情に寄り添い関係を築いていくことが大切です。

選択肢2. 真正面に座って面談をした。

誤答です。初対面の利用者と関係を作っていく段階では、真正面に座る(対面法)のではなく、斜め45度で座る(直角法)のが良いでしょう。利用者が圧迫感を感じることなく自然と視線が合い、リラックスして話をすることができます。

選択肢3. 自分から進んで自己紹介をした。

正答です。自分自身のことを相手に話すこと自己開示と言います。良好な関係を築くためにとても効果的です。ただし、内容によっては相手が負担を感じることもあるので、話す内容やタイミング・距離感を見極めながら行う必要があります。

選択肢4. 終始、手を握りながら話をした。

誤答です。初対面で関係が築けていない人との身体的な接触は、不快感を感じさせる恐れがあります。ふれることは共感やいたわりを示したり、リラックスさせる効果もありますが、相手の心情を見極めて行う必要があります。

選択肢5. 孫のような口調で語りかけた。

誤答です。親しみやすい口調や言葉遣いは、相手をリラックスさせ関係を築くためには有効ですが、ものには程度があります。介護福祉職として初対面の利用者と信頼関係を築く時に孫のような口調を用いるのは適切ではありません。

まとめ

初対面の相手と信頼関係を形成するためには、他にも、姿勢表情身だしなみに気をつける・目線の高さを合わせることなどに気を付けるとよいでしょう。

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03

Bさんが、施設に入所する初日のC介護福祉職の対応についての問題です。

信頼関係が形成されるように、選択肢一つ一つについて考えていきましょう。

選択肢1. 自発的な関わりをもつことを控えた。

×:初対面で、Bさんも緊張していることが予想されます。

介護福祉職が自発的な関わりをもつことを控えると、会話のきっかけがつかめず、

信頼関係の形成がスムーズにいかないことが予想されます。

選択肢は、不適切です。

選択肢2. 真正面に座って面談をした。

×:初対面で真正面に座ることは、緊張を高めてしまう場合があります。

よって不適切です。

選択肢3. 自分から進んで自己紹介をした。

〇:介護職が自ら進んで自己紹介をすることで、Bさんが話しやすい状況を作り出すことが可能です。選択肢は適切です。

選択肢4. 終始、手を握りながら話をした。

×:初対面で終始、手を握りながら話をすることは、相手の緊張をさらに高める場合があります。

選択肢は不適切です。

選択肢5. 孫のような口調で語りかけた。

×:初対面で孫のような口調で語りかけることは、慣れ慣れしすぎます。

Bさんへの敬意にかけ、介護福祉職として不適切です。

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