介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
社会の理解 問2
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 社会の理解 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
近年、人と人、人と社会とがつながり、一人ひとりが生きがいや役割をもち、助け合いながら暮らしていくことのできる、包摂的なコミュニティ、地域や社会を創るという考え方が示されている。この考え方を表すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ナショナルミニマム(national minimum)
- バリアフリー社会
- 介護の社会化
- 生涯現役社会
- 地域共生社会
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、各用語の意味を覚えておく必要があります。
誤りです。ナショナルミニマムとは、国民の最低限度の生活を意味する言葉です。あくまでも理念であり、絶対的な基準を示すものではありません。
誤りです。バリアフリー社会とは、理想を達成する道程にある障害が全て取り除かれた社会を意味します。
誤りです。介護の社会化とは、家庭や家族が担ってきた介護を、社会共通の課題と認識し、税と保険料を中心とした財源によって、社会全体で担っていくということです。
誤りです。生涯現役社会とは、就労意欲のある高齢者がこれまでの経験を生かして、生涯現役で活躍していける社会のことです。
正答です。地域共生社会とは、社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、精度や分野ごとの関係を超え、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに作っていく社会を目指すことをいいます。
日本では、少子高齢化が進み、生活領域に行う生活基盤が弱まりつつあります。地域共生社会は、社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、地域を作っていく社会を目指すものです。
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02
いずれも福祉や社会のあり方に関連する言葉です。それぞれの意味が理解できているかが問われています。
誤答です。ナショナルミニマムとは、国家が国民の最低限度の生活を保障することを指します。日本ではこの概念は、憲法第25条生存権『すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』に該当します。
誤答です。バリアフリー社会とは、社会的・制度的・心理的なすべてのバリア(障壁)が取り除かれ、障害者や高齢者だけでなくあらゆる人が社会に参加することができる社会のことを指します。
誤答です。介護の社会化とは、核家族化や少子高齢化・老老介護などを背景に、家族で行うだけでは限界になってきた高齢者の介護を、社会全体で支えていこうという考え方です。これを受け、介護保険法が1997(H9)年に成立、2000(H12)年に施行され、介護保険制度が始まりました。
誤答です。生涯現役社会とは、働く意欲と能力がある人が年齢に関係なく、その経験や能力を発揮し活躍していける社会のことを指します。
正答です。社会構造や暮らし方の変化により相互扶助やつながりが低下し、それによって生じた課題が複雑化していることなどが背景となり提唱されました。制度や分野・世代・関係性なども超えて人々や資源がつながることで、誰もが孤立せず生きがいを持って暮らせる社会を創るというものです。
これらの言葉は提唱された背景や、提唱した人物名、関連する法律が成立・改正された年なども併せて覚えておくとよいでしょう。
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03
それぞれの選択肢の言葉の意味を確認して、設問に適しているものを選択しましょう。
×:ナショナルミニマムは、国民生活環境最低水準とも呼ばれます。
「国家が国民に保障する最低限度の生活を営むために必要な基準」をいいます。
選択肢として不適切です。
×:バリアフリー社会とは、「理想のビジョンを達成するための道程にあるバリアー(障害)が全てとり除かれた社会」という意味です。
×:介護の社会化とは、「家庭内で家族が担ってきた介護を、広く社会共通の課題として認識し、実際の介護を担う社会資源を、税と保険料を中心に拠出された財源によって、社会全体が担っていく」という意味です。
×:生涯現役社会とは、「人生100年時代を見据え、就労意欲のある高齢者が、年齢に関係なく生涯現役で活躍していける社会のこと」をいいます。
〇:地域共生社会とは、「地域の資源や人の多様性を活かし、人と人、人と社会が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの生活と生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すこと」です。
選択肢は適切です。
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