介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
こころとからだのしくみ 問1
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) こころとからだのしくみ 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
Hさん(75歳、男性)は、一人暮らしであるが、隣人と共に社会活動にも積極的に参加し、ゲートボールや詩吟、芸術活動など多くの趣味をもっている。また、多くの友人から、「Hさんは、毎日を有意義に生活している」と評価されている。Hさん自身も友人関係に満足している。
ライチャード(Reichard, S.)による老齢期の性格類型のうち、Hさんに相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
ライチャード(Reichard, S.)による老齢期の性格類型のうち、Hさんに相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 自責型
- 防衛型(装甲型)
- 憤慨型
- 円熟型
- 依存型(安楽いす型)
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この過去問の解説 (3件)
01
ライチャードによる老齢期の性格類型とは、心理学者ライチャードによる高齢者の性格分類です。現役引退後の生活への適応という観点から5タイプに分類しています。
誤答です。自責型とは、自分の人生は失敗であると感じており、なおかつその責任は自分にあると考え、後悔を繰り返すタイプのことです。
誤答です。防衛型(装甲型)とは、老化への不安と恐怖を抱えており、時には無理をしてまでも積極的に活動し続けることで、その不安を抑圧しようとするタイプです。
誤答です。憤慨型とは、過去の自分や老化を受け入れることができないタイプのことです。これまでの人生は失敗だと感じており、その原因を環境や他者のせいにし、不平不満を多く口にします。
正答です。円熟型とは、これまでの人生や老いを受け入れ、積極的に社会参加をおこなっているタイプのことです。老化に適応し自らの人生を楽しんでおり、未来に対しても現実的な展望を持っています。
誤答です。依存型(安楽いす型)とは、消極的に老いを受け入れているタイプです。社会活動への参加などは『誘われれば』という姿勢であり、受身的な生活を送っています。
ライチャードは社会に適応しているのが、円熟型・依存型(安楽いす型)・防衛型(装甲型)、適応していないのが、憤慨型・自責型と分類しています。
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02
ライチャードは1986年に高齢者のパーソナリティを円熟型、安楽椅子型、自己防衛型、外罰型、内罰型の5つの人格特性に分けました。
誤りです。自責型は自分の不幸、失敗に対して自責的態度をとるので抑うつ状態になりやすいタイプのことです。設問の内容には当てはまりません。
誤りです。不安感、無気力感に対する自己防衛が強く、怠惰を嫌い活動性を維持するというのが防衛型の特徴です。設問の内容には当てはまりません。
誤りです。今までの自分の失敗等に対して憤慨し、その対処として他者を非難し攻撃するのが憤慨型です。設問の内容には当てはまりません。
正解です。日常生活において建設的、積極的で家庭や対人関係に満足しているという点で円熟型が当てはまります。
誤りです。責任を免れることを望みながら、他人に依存する受動的、消極的な生活を楽しむのが依存型です。設問の内容には当てはまりません。
5つのタイプの特徴を覚え、設問の内容に適するものを選びましょう。
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03
ライチャードによる、老齢期の性格類型とは、1968年にライチャードが発表した、高齢者の5つの人格特性のことです。
⓵円熟型 ②依存型(安楽いす型) ③防衛型(自己防衛型、装甲型) ④憤慨型(外罰型) ⑤自責型(内罰型)に分類されます。
各選択肢の用語を確認して、回答していきましょう。
×:自責型(内責型)は、自分の不幸や失敗に対して、自責的態度をとります。
意欲は少なく、受動的で、他者への関心も少なく、孤立し、死は耐え難い存在からの解放と受け取り、恐れません。
問題文のHさんに当てはまりません。
×:防衛型(装甲型)は、強い防衛体制を敷くことにより、老化の不安に対処しています。引退後、いつまでも活動することにより、適応できると考えます。
問題文のHさんに当てはまりません。
×:憤慨型(外罰型)は、今までの自分の失敗等に対して敵意を示し、その対処として他者を非難し攻撃しようとします。趣味もなく、特に死に対して不安、恐れを抱いています。
問題文のHさんに当てはまりません。
〇:円熟型は、自分および自分の過去や現在を受け入れながら、未来志向を持っています。日常生活に対しても建設的に接しようとします。引退後も積極的に社会参加し、いろいろな趣味に関心を持っており、人間関係について満足感が強く、そのために努力をします。
多趣味であり、多くの友人から有意義に生活していると評され、Hさん自身も友人関係に満足しています。問題文に該当します。
×:依存型(安楽いす型)は、他者に依存するという受け身的、消極的な姿勢で現在を受容しています。仕事に対する野心はなく、引退しているという現在の状況に甘んじて、楽に暮らそうとされます。
問題文のHさんに当てはまりません。
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