介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
発達と老化の理解 問5
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 発達と老化の理解 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
加齢の影響を受けにくい認知機能として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- エピソード記憶
- 作業記憶
- 選択的注意
- 流動性知能
- 意味記憶
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この過去問の解説 (3件)
01
認知機能に関する問題です。
知能は、結晶性知能と流動性知能に大きく分類されます。
結晶性知能とは、その人の長期にわたる経験、教育や学習などから獲得していく知能であり、言語能力、理解能力、洞察力などを含みます。
流動性知能とは、新しい環境に適応するために、新しい情報を獲得し、それを処理し、操作していく知能のことで、処理のスピード、直観力、法則を発見する能力などを含みます。
加齢の影響を受けにくいとされているのは、結晶性知能です。
それでは、各選択肢の用語について、見てきましょう。
×:エピソード記憶は、今までに経験した出来事の記憶です。
加齢の影響を受けます。
×:作業記憶は、ワーキングメモリともいい情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指します。加齢の影響を受けます。
×:選択的注意は、複数の刺激の中から特定の刺激に反応する能力です。
様々な刺激の中で最も重要な(ターゲット)の刺激に集中する力を指します。
加齢の影響を受けます。
×:流動性知能とは、新しい情報を獲得し、それをスピーディに処理・加工・操作する知能のことで、暗記や計算などが該当します。
加齢によって影響されます。
〇:意味記憶は、そのものの意味や事実、概念に関する記憶です。
繰り返し経験され、獲得していきます。
加齢による影響をうけにくいとされています。
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02
認知機能の低下は脳の萎縮と関連があります。加齢による萎縮が起こりやすいのは前頭葉や側頭葉です。また、認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症は海馬の周辺から萎縮が起こります。このことを踏まえ、それぞれの認知機能が脳のどの部位と関連があるかを理解できていると、正解を導き出すことができます。
誤答です。エピソード記憶とは、経験に関する、時間や場所の情報が伴う記憶のことをいいます。このエピソード記憶と関わりが深いのは海馬なので、加齢により影響を受けやすいです。
誤答です。作業記憶とは、作業や動作に必要な情報を頭の中に保存し、同時に処理を行うという能力です。この作業記録は、前頭葉の一部である前頭前野と関わりが深いので、加齢による影響を受けやすいです。
誤答です。選択的注意とは、複数の出来事が同時に発生した場合に、特定の出来事に選択的に反応する能力のことをいいます。この選択的注意は、前頭葉と深く結びついているため、加齢により影響を受けやすいです。
誤答です。流動性知能とは、新しいものごとを学習したり、新しい環境に適応したりするための能力です。この流動性知能は、前頭前野や海馬と深く結びついているため、加齢により影響を受けやすいです。
正答です。意味記憶とは、一般的な知識や概念・言葉の意味などに関する記憶です。これらは、これまでの人生の中で何度も繰り返し経験し、脳に定着されていくので、加齢による影響を受けにくいとされています。
選択肢に提示されていない記憶の種類として、手続き記憶が挙げられます。
手続き記憶とは、体で覚えた動作や技能に関する記憶のことをいいます。手続き記憶は脳の奥の方にある大脳基底核と小脳と関連しているので、加齢による影響は受けにくいです。
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03
認知機能とは、ものごとを正しく理解して適切に実行するための機能のことです。一例として、記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力に分類されます。
認知機能の低下では、理解力や判断力、記憶力や言語理解能力などが影響を受けます。
誤りです。エピソード記憶は、特定の時間や場所で個人が経験した特別な出来事などのエピソードについての記憶のことです。加齢とともに衰えていきます。
誤りです。作業記憶とは、何かの作業を行う際、一時的に取り出された記憶や一時的に覚えている記憶のことです。繰り返したりしない限り10〜15秒程度で消去されてしまいます。
誤りです。選択的注意とは、多様な情報下で、自分にとって重要だと認識された情報のみを選択し、注意を向けることです。加齢による影響を受けます。
誤りです。流動性知能とは、新しい環境に適応するために新しい情報を取得し、処理して操作していく機能です。10代後半から20代前半にピークを迎えた後は低下していきます。
正解です。意味記憶とは、一般常識のようによく知られている知識や事実についての記憶です。加齢による影響を受けづらいです。
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