介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
障害の理解 問6

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 障害の理解 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

学習障害の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。
  • 注意力が欠如している。
  • じっとしているのが難しい。
  • 脳の機能に障害はない。
  • 親のしつけ方や愛情不足によるものである。

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この過去問の解説 (4件)

01

学習障害とは、発達障害のひとつです。この問題では、発達障害について正しい知識を有しているかが問われています。

選択肢1. 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。

正答です。これが学習障害の特徴です。知的発達に遅れはないものの『聞く』『話す』『読む』『書く』『計算・推論する』能力のうち、ひとつ以上に困難が生じる発達障害のことをいいます。

選択肢2. 注意力が欠如している。

誤答です。これは注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴のひとつです。年齢にそぐわない不注意さがあり、集中力がない・期限を守れない・計画的な行動が苦手などの症状があります。

選択肢3. じっとしているのが難しい。

誤答です。これは注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴のひとつで、多動性と呼ばれる症状です。じっと座っていられない・そわそわと手足を動かすなどの行動として現れます。

選択肢4. 脳の機能に障害はない。

誤答です。学習障害を含む発達障害の原因は、脳機能の障害であるとされています。しかし、その詳しいメカニズムは十分には解明されていません。

選択肢5. 親のしつけ方や愛情不足によるものである。

誤答です。学習障害を含む発達障害の原因は、脳機能の障害であるとされています。親のしつけや愛情不足、または本人の努力が足りないということではありません

まとめ

学習障害のもうひとつの特徴として衝動性があります。順番を待てない・思ったことをすぐ口にしてしまう・すぐにイライラしてしまうなどの症状があります。

発達障害とは、『自閉症アスペルガー症候群その他広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動障害その他これに類する脳機能障害であって、その症状が通常低年齢において発現するもの』と発達障害者支援法で定義されています。

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02

学習障害とは、全般的な知的発達に遅れがないものの「聞く・話す・読む・書く・計算する」能力が困難となる発達障害をいいます。

学習障害は、読字障害、書字障害、算数障害に分類されることがあります。

選択肢1. 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。

〇:選択肢の通りです。

「読む・書く・計算する」の他に、「聞く・推測する」なども困難となる場合もあります。

選択肢2. 注意力が欠如している。

×:注意力の欠如は、高次脳機能障害の中の注意障害注意欠陥多動性障害(ADHD)が考えられます。

選択肢は誤りです。

選択肢3. じっとしているのが難しい。

×:じっとしてるのが難しいという症状は、注意欠陥多動性障害(ADHD)を表していると考えられます。選択肢は誤りです。

選択肢4. 脳の機能に障害はない。

×:学習障害は、発達障害に分類されます。発達障害は脳の機能障害が原因とされています。

選択肢は誤りです。

選択肢5. 親のしつけ方や愛情不足によるものである。

×:学習障害は、脳の機能障害が原因とされています。親のしつけや愛情不足が原因ではありません。選択肢は誤りです。

まとめ

学習障害は、脳の機能障害が原因です。その他にも、順番を待つことができないなど衝動性の問題もあります。

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03

学習障害 (Learning Disabirities: LD) は、全般的な知的発達の遅れありませんが、学習についての中枢神経機能が損なわれた障害であり、特異的読字障害、特異的書字障害、特異的算数能力障害などがあります。

選択肢1. 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。

〇:学習障害とは、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の分野に苦手さを示す、発達障害のひとつです。学習障害とはLearning DisorderでLDとも訳されます。

選択肢2. 注意力が欠如している。

×:ADHD注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害に関する記述です。

選択肢3. じっとしているのが難しい。

×:ADHD注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害に関する記述です。

選択肢4. 脳の機能に障害はない。

×:脳の機能に何らかの障害があると言われています。『関あゆみ氏、限局性学習症(学習障害)研究著より』詳細なメカニズムについては、不明な点が多いとされています。

選択肢5. 親のしつけ方や愛情不足によるものである。

×:脳の機能や発育過程に大きく影響される事であり、愛情不足とは関係ありません。

まとめ

学習障害を支援する法律として発達障害者支援法が2004 (平成16) 年12月に成立しています。「発達障害」は、学習障害(LD)、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害(PDD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの障がいがある方が支援対象とされています。

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04

学習障害は、発達障害の一種です。

原因は生まれつきの脳の異常であり、学童期に読み書きや計算、聞き取りといった特定分野の学習能力が著しく低いのが目立つようになってきます。

選択肢1. 読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。

正解です。学習障害では、読む・書く・計算するなどの習得に困難となります。

選択肢2. 注意力が欠如している。

誤りです。注意力の欠如が見られるのは、発達障害の一種である注意欠陥・多動性障害(ADHD)です。

選択肢3. じっとしているのが難しい。

誤りです。じっとしているのは難しいのは、発達障害の一種である注意欠陥・多動性障害(ADHD)です。

選択肢4. 脳の機能に障害はない。

誤りです。生まれつきの脳の異常が原因と考えられています。妊娠中の薬物摂取、妊娠高血圧症、低出生体重、生後の重度な黄疸が発症の要因となります。

選択肢5. 親のしつけ方や愛情不足によるものである。

誤りです。学習障害に親のしつけ方や愛情不足は関係ありません。

まとめ

学習障害の根本的な治療方法はありません。本人の理解力に応じた適切な教育を受けさせ、症状と上手く付き合いながら生きていくことが大切になってきます。

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