介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
障害の理解 問8
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 障害の理解 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
Bさん(21歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)を発症し、継続した内服によって幻覚や妄想などの症状は改善しているが、意欲や自発性が低下して引きこもりがちである。現在、Bさんは、外来に通院しながら自宅で生活していて、就労を考えるようになってきた。
介護福祉職が就労に向けて支援するにあたり留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
介護福祉職が就労に向けて支援するにあたり留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- あいまいな言葉で説明する。
- 代理で手続きを進める。
- 介護福祉職が正しいと考える支援を行う。
- Bさんに意欲をもつように強く指示する。
- Bさん自身が物事を決め、実行できるように関わる。
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この過去問の解説 (4件)
01
この問題では、介護福祉職の役割や基本的なあり方、利用者の特性に応じた関わりを理解できているかが問われています。
誤答です。介護福祉職はあらゆる場面で、利用者の意向を確認し、同意を得ながら支援を行います。常に相手が理解できる言葉や方法で説明をする必要があります。
誤答です。介護福祉職には、利用者が表現しきれない真のニーズを明確にし代弁していくという役割もありますが、代理で手続きを進めるということはありません。
誤答です。今後の生活(就労)について、意思決定を行っていくのはあくまでも利用者本人です。介護福祉職の意向を一方的に押し付けるような支援を行ってはいけません。
誤答です。Bさんの意欲の低下は統合失調症の影響です。強く指示することは、状態を悪化させてしまう恐れがあります。Bさんの気持ちに寄り添い、理解を示すことで回復を促していく必要があります。
正答です。自ら選択し決定することを自己決定といいます。介護福祉職は、利用者の主体性を尊重し、自己決定できるよう関わりを持つ必要があります。
統合失調症は、幻覚や妄想などの陽性症状と、意欲の低下などの陰性症状が出現する精神障害で、青年期に発病することが多い原因不明の疾患です。介護福祉職は、その症状に合わせ意思を尊重しながら関わりを持っていく必要があります。
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02
統合失調症は、幻覚や妄想などの陽性症状、意欲が低下し、感情が出にくくなるといった陰性症状、理解力の低下、記憶力の低下、問題解決能力の低下といった認知機能の障害が主症状です。
適切な治療を受けることで、病気を持っていても、社会生活を送ることが可能となります。
統合失調症の治療は薬物療法が中心となります。脳内のドパミンが過剰になることが原因と考えられており、ドパミンを抑える薬を服用します。
症状が落ち着いている際は、薬物療法と精神科リハビリテーションを組み合わせて実施していきます。
誤りです。理解力や問題解決能力の低下が起こる病気です。あいまいな言葉で説明すると誤解を生じさせてしまう可能性が考えられます。
誤りです。統合失調症の再発を防ぐ関わり方として、本人ができること、決められることは任せるのが良いでしょう。代理で手続きを進めるのではなく、Bさん本人が出来ることは本人に行ってもらいましょう。
誤りです。再発を防ぐ係としては、本人ができること、決められることは任せるほか、心配事は主治医や支援者に相談するようにしましょう。
誤りです。期待しすぎたり、急かしたりする関わり方は病気を再発させる可能性があります。適度な距離感を保ちつつ、ゆったりとした気持ちで関わるようにしましょう。
正解です。再発を防ぐ関わり方としては、本人ができること、決められることは任せるのが正しいです。
統合失調症を発症するきっかけは人間関係のストレスや人生の転機で感じる緊張だと考えられています。
病気と付き合っていくコツは、再発防止とリカバリーです。
自己判断で服薬を中止したりせず、音に過敏になる、眠れない日が増えた、焦りや不安が増えたなど再発兆候が見られた際は、早期にかかりつけの病院へ受診をすすめましょう。
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03
統合失調症は、幻覚や妄想などの陽性症状、意欲低下や感情表出の減少などの陰性症状、集中力・記憶力、計画の立案、問題を解決する力などが低下する認知機能障害が起こる精神疾患の事を言います。上記の症状を理解したうえで、専門職である介護職がどのように関われば良いかを問うた設問になります。
×:あいまいな言葉で説明すると相手に伝わらず、逆に混乱を誘発させる原因になります。分かりやすく丁寧な説明が求められます。
×:相手の出来る事まで代理で行う事は勧められません。できる力を最大限に支援するのも福祉職の役割です。
×:相手の事情を推察しないで一方的に価値観を押し付けるのは良くありません。統合失調症支援の方だけではなく、関わる人全員に言える事だと考えられます。
×:意欲を持つように支援する事は良いですが、その内容を強く支持する事で逆効果になる可能性があります。あくまで本人の同意のもと行ってください。
〇:利用者本位の考えに基づいた支援です。利用者本位とは、利用者自身が主体となり物事を決定する事です。障がいなどで上手く決定できない場合は、家族や福祉職が上手に関わり支援する場合があります。
統合失調症の方は、服薬を続ける事、周りの支援者が上手に関わる事で、地域で安定して暮らす事ができます。そのためにも、福祉職は常に自己研鑽を続ける必要があります。
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04
統合失調症は、思考や感情がまとまらなくなる状態が続く精神疾患です。
およそ100人に1人がかかるといわれています。
思春期から20代に発症することが多い疾患ですが、
中年を過ぎてから病気が発覚することもあります。
この問題は、統合失調症の症例問題ですが、
介護福祉職が利用者を支援するために、必要な関わり方について問うています。
×:思考や感情がまとまらなくなる疾患ですから、
あいまいな言葉での説明は不適切です。
×:就労への手続きは、就労する本人が行うことです。
介護福祉職が代理で手続きを行うことはありません。
×:介護福祉職が正しいと考えることではなく、
利用者本人の意思に沿って支援を行います。
選択肢は不適切です。
×:統合失調症を患うBさんの話を傾聴し、
病気のことを理解するよう努めることが大切です。
Bさんに強く指示することは、症状を悪化させるおそれがあります。
選択肢は不適切です。
〇:Bさん自身が決定したことを実行できるよう関わることが、
介護福祉職にとって大切な関わり方です。
選択肢の通りです。
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