介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
障害の理解 問9

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 障害の理解 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

Cさん(3歳)は、24時間の人工呼吸器管理、栄養管理と体温管理が必要であり、母親(32歳)が生活全般を支えている。Cさんの母親は、「発達支援やショートステイを活用したいのに、市内に事業所がない。ほかにも困っている家族がいる」とD相談支援専門員に伝えた。
D相談支援専門員が、課題の解決に向けて市(自立支援)協議会に働きかけたところ、市内に該当する事業所がないことが明らかになった。
この事例で、地域におけるサービスの不足を解決するために、市(自立支援)協議会に期待される機能・役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 困難な事例や資源不足についての情報の発信
  • 権利擁護に関する取り組みの展開
  • 地域の社会資源の開発
  • 構成員の資質向上
  • 基幹相談支援センターの運営評価

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この過去問の解説 (4件)

01

選択肢に示されたのは、どれも障害者総合支援法に設置が明記された協議会の機能・役割です。『利用したいサービスがない』というこの事例を解決するために最も適切な機能・役割がどれかを選ぶ問題です。

選択肢1. 困難な事例や資源不足についての情報の発信

誤答です。これは協議会の『情報発信』についての役割を述べたものです。なので、この選択肢は適切ではありません。

選択肢2. 権利擁護に関する取り組みの展開

誤答です。これは協議会の『権利擁護』についての役割を述べたものです。なので、この選択肢は適切ではありません。

選択肢3. 地域の社会資源の開発

正答です。社会資源とは、人々のニーズを充足したり、問題を解決したりするために活用される制度・サービス・人材・団体などのことを指します。この事例では、サービスが不足していることが問題となっているので、この選択肢が最も適切です。

選択肢4. 構成員の資質向上

誤答です。これは協議会の『教育機能』についての役割を述べたものです。なので、この選択肢は適切ではありません。

選択肢5. 基幹相談支援センターの運営評価

誤答です。これは協議会の『評価機能』についての役割を述べたものです。なので、この選択肢は適切ではありません。

まとめ

障害者総合支援法では、協議会は、障害者などへの支援の体制の整備を図るために、関係機関・障害者本人やその家族などで構成し、地方公共団体単独または共同で設置するよう努めなければならないとされています。

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02

市(自立支援)協議会は、平成24年4月の障害者自立支援法の一部改正により法定化されました。

地域の関係者が集まり、個別の相談支援の事例を通じて明らかになった地域の課題を共有し、その課題を踏まえて、地域のサービス基盤の整備を着実に進めていく役割を担っています。

選択肢1. 困難な事例や資源不足についての情報の発信

誤りです。困難な事例や資源不足についての情報の発信は、地域自立支援協議会の機能のうち情報機能にあたります。サービス不足に対する機能としては不適切です。

選択肢2. 権利擁護に関する取り組みの展開

誤りです。権利擁護に関する取り組みの展開は、地域自立支援協議会の機能のうち権利擁護機能にあたります。サービス不足に対する機能としては不適切です。

選択肢3. 地域の社会資源の開発

正解です。市(自立支援)協議会の具体的な役割のうち、障害者福祉サービスの利用の組み合わせによる施設入所の状況を踏まえた地域の社会資源の開発の役割強化に当たります。今回の事例では、地域におけるサービスの不足を解決することが課題となっていますので、社会資源の開発が最も適しています。

選択肢4. 構成員の資質向上

誤りです。構成員の資質向上は、地域自立支援協議会の機能のうち教育機能にあたります。サービス不足に対する機能としては不適切です。

選択肢5. 基幹相談支援センターの運営評価

誤りです。基幹相談支援センターの運営評価は、地域自立支援協議会の機能のうち評価機能にあたります。サービス不足に対する機能としては不適切です。

まとめ

市(自立支援)協議会の取り組みは、地域の実情に応じて進めていく必要がある旨や、地域における障害者虐待防止等のためのネットワークの強化を図る必要がある旨が、通知により明確化されています。

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03

自立支援協議会の機能役割についての問題です。

自立支援協議会は、

地域における障害者等への支援体制の整備に関し、中核的な役割を果たします。

地域の実情に応じて、市町村の単独や複数市町村による設置、

直営や委託など設置方法は様々です。

構成メンバーは相談支援事業者や福祉サービス事業者、保健所、教育、企業、関係団体、

民生委員、障害者とその家族等、地域の実情に応じて選定されます。

自立支援協議会には、以下の機能があります。

情報機能:困難事例や地域の現状・課題などの情報共有と情報発信

調整機能:地域の関係機関によるネットワーク構築と

 困難事例への対応のあり方に対する協議、調整

開発機能:地域の社会資源の開発、改善

教育機能:構成員の資源向上の場として活用

権利擁護機能:権利擁護に関する取り組みを展開

評価機能:中立・公平性を確保する観点からみた、委託相談支援事業者の運営評価

 サービス利用計画作成費対象者、重度包括支援事業等の評価

 市町村相談支援機能強化事業及び都道府県相談支援体制整備事業の活用

それぞれの選択肢について確認して回答しましょう。

選択肢1. 困難な事例や資源不足についての情報の発信

×:地域におけるサービスの不足を解決するための機能・役割です。

情報発信だけでは解決できません。

選択肢は不適切です。

選択肢2. 権利擁護に関する取り組みの展開

×:Cさんの母親が希望する事業者がなく、サービスが不足していることを解決するために

自立支援協議会に期待される機能・役割に関する問題です。

権利擁護に関する取り組みの展開では、不適切です。

選択肢3. 地域の社会資源の開発

〇:地域におけるサービスの不足を解決するために期待されるのは、

自立支援協議会の機能の一つである、地域の社会資源の開発(開発機能)です。

選択肢4. 構成員の資質向上

×:設問は、市内に該当する事業所がなく、サービスが不足していることを解決するために、

自立支援協議会に期待される機能・役割です。

事業所がないので、構成員の資質向上は該当しません。

選択肢は不適切です。

選択肢5. 基幹相談支援センターの運営評価

×:問われているのは、該当する事業所がなく、サービスが不足していることを解決するために、

自立支援協議会に期待される機能・役割です。

基幹相談支援センターの運営評価は、事例に該当しません。

選択肢は不適切です。

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04

地域における社会資源と役割の理解に関する設問です。

選択肢1. 困難な事例や資源不足についての情報の発信

×:情報の発信は大事ですが、それだけでは問題解決になりません。

選択肢2. 権利擁護に関する取り組みの展開

×:権利擁護とは利用者が持つべき権利を護る(守る)ことです。今回の課題は介護サービスに関する解決を指しています。権利擁護とは経済的な虐待を受けているなど、基本的な権利が侵害されているときに使われる言葉です。

選択肢3. 地域の社会資源の開発

〇:Cさんのショートステイを受けてくれる事業所の発掘などが考えられます。

選択肢4. 構成員の資質向上

×:Cさんのショートステイを受ける上で大事な考えですが、サービス不足解消に直接繋がりません。

選択肢5. 基幹相談支援センターの運営評価

×:基幹相談支援センターとは障がい支援を行う専門機関で、運営評価は行政が主体になって行います。適切な選択肢ではありません。

まとめ

地域におけるサービスの不足を解決するためには、個人だけで抱えず、解決するためのチーム編成を行い、サービス提供に至るまでの過程が大事だと考えられます。

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