介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
介護の基本 問10
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 介護の基本 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
利用者の危険を回避するための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- スプーンを拾おうとして前傾姿勢になった車いすの利用者を、目視で確認した。
- 廊下をふらつきながら歩いていた利用者の横を、黙って通り過ぎた。
- 食事介助をしていた利用者の姿勢が傾いてきたので、姿勢を直した。
- 下肢筋力が低下している利用者が、靴下で歩いていたので、スリッパを履いてもらった。
- 車いすの利用者が、フットサポートを下げたまま立ち上がろうとしたので、またいでもらった。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (4件)
01
介護福祉職は、何よりも利用者の生命と安全を守る必要があります。広い視野を持ち、さまざまなことに注意を払い、とっさの判断で危険を回避する行動を取ることができなければなりません。
誤答です。車いすに乗車している者が過度に前傾姿勢を取ると、前方に転落し頭部などをけがする恐れがあります。目視で確認するだけでなく、床に落ちたものは介護福祉職が拾うことを声がけし、直ちに駆け寄るのがいいでしょう。
誤答です。ふらつきながら歩いている利用者を見かけたら、『転倒するかもしれない』と想像し、声かけや支えるなどの介助を行わなければなりません。黙って通り過ぎるなど言語道断です。
正答です。傾いたままの姿勢で食事を続けると、誤嚥性肺炎を起こす可能性があります。姿勢を直すのと同時に、正しい姿勢を保つことができるよう、椅子や車いすが適切なのか検討したり、座位を保つためのリハビリの必要性などについて検討したりする必要があります。
誤答です。一般的なスリッパは、足をしっかりホールドすることができず、裏面がツルツルしているので転倒しやすい傾向にあります。下肢筋力が低下している利用者には不適切です。すぐに靴を取りに行って履いてもらうのが良いでしょう。
誤答です。車いすのフットサポートをまたぐというのは、転倒しやすい危険な行為です。『車いすから立ち上がる時はフットサポートを上げてから』という正しい使用方法を繰り返し説明する必要があります。
利用者の安全を守るためには『(転倒する・喉に詰まる・危険)かもしれない』などとさまざまな危険を想定できる力が求められます。
参考になった数12
この解説の修正を提案する
02
利用者介護中の配慮についてどこまでを介護士がするべきか問う問題になっています。介護のし過ぎは利用者の力を奪いかねませんが、何もしないと安全配慮義務違反になります。1人の利用者にどこまで介護するかは、それぞれ異なりますが、普段のアセスメントやチーム内で相談し、支援方針を決定すると良いでしょう。
×:利用者の身体状況によって異なりますが、一般的に体の筋力が低下した利用者が前かがみになると頭部の重さで、そのまま転落に繋がる危険があります。前傾姿勢を確認した段階で近くで見守る・寄り添う、必要に応じて介助するなどの対応が必要でしょう。
×:ふらつきながら歩く事は転倒のリスクが高い状態です。黙って通り過ぎるのではなく、近くで寄り添ったり、必要に応じて介助しましょう。
〇:正しい食事姿勢は誤嚥性肺炎を予防します。
×:下肢筋力が低下しているのにスリッパを履くことで転倒リスクを高めてしまいます。履いてもらうのであれば、かかと付きの靴にしましょう。
×:車いす利用者が立ち上がる際は、フットサポートを必ず上げてください。上げないでまたぎ動作をする事で転ぶ危険があります。
参考になった数3
この解説の修正を提案する
03
利用者の危険回避に関する問題です。
選択肢の事象について、是非を考えて回答していきましょう。
×:スプーンを拾おうとして前傾姿勢になった車い椅子の利用者様は、
前方に転倒するリスクがあります。
目視では不十分です。
介護職がすぐにスプーンを拾って、利用者様に渡すか、
拾う動作を介助することが適切です。
×:廊下をふらつきながら歩いていたということは、
転倒のリスクがあります。
声かけと共に歩行器や杖などを用意するなど、介助することが大切です。
〇:食事中に利用者様の姿勢が傾いてきた場合、
誤嚥や窒息予防のため姿勢を直すことが大切です。
選択肢は適切です。
×:下肢筋力が低下している利用者様は、転倒のリスクがあります。
歩行器など歩行の補助となる介助用具とともに、
動きやすい靴を用意することが大切です。
スリッパは滑りやすく、転倒のリスクがあります。
×:車いすの利用者様は、下肢の筋力が弱いことが推測されます。
下肢筋力が弱い方は、物をまたぐ動作が難しいため、
立ち上がりの際には、フットサポートを上げて立ち上がるように介助します。
参考になった数3
この解説の修正を提案する
04
介助を行う際には常に危険を意識しながら対応することが求められます。
さまざま場面でどのような危険が考えられるのか、危険予知を行いながら対応します。
誤りです。スプーンを拾おうとし、車椅子上で前傾姿勢になった場合に考えられる危険は車椅子からの転落です。目視だけでは危険を回避するには不十分ですので、近くまで移動してスプーンを拾うか、姿勢が崩れないように見守るのが良いでしょう。
誤りです。廊下でふらつきながら歩く利用者は転倒の危険があります。ふらつきが落ち着くまでか、安全な場所に移動するまで付き添いや介助を行うのが望ましいでしょう。
正解です。食事中に姿勢が崩れると、転落だけではなく食事を誤嚥する危険があります。姿勢を整えるのが望ましいです。
誤りです。下肢の筋力が低下するとつま先が上がりづらくなり、つまずく危険が高くなります。スリッパは踵が包まれていないため、つま先を引きずるような歩き方になりがちです。下肢筋力が低下している方がスリッパを履くと、より転倒の危険が高くなります。
誤りです。フットサポートを下げたまま立ち上がると、足元が不安定になり車椅子ごとひっくり返る可能性があります。また、フットサポートをまたぐと、足が引っかかることも考えられます。立ち上がる際はフットサポートをあげ、地面に足をしっかりつけてから立ち上がるのが望ましいです。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
前の問題(問9)へ
第35回(令和4年度)問題一覧
次の問題(問1)へ