介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
コミュニケーション技術 問4
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) コミュニケーション技術 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
Dさん(90歳、女性、要介護5)は、重度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。介護福祉職は、Dさんに声かけをして会話をしているが、最近、自発的な発語が少なくなり、会話中に視線が合わないことも増えてきたことが気になっている。
Dさんとのコミュニケーションをとるための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
Dさんとのコミュニケーションをとるための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 引き続き、言語を中心にコミュニケーションをとる。
- Dさんが緊張しているので、からだに触れないようにする。
- 表情やしぐさを確認しながら、感情の理解に努める。
- 視線が合わないときは、会話を控える。
- 自発的な発語がないため、会話の機会を減らしていく。
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この過去問の解説 (4件)
01
この設問は、重度アルツハイマー型認知症の方とのコミュニケーション方法を整理して考えることが大切です。
×:言語コミュニケーションをとること自体は不適切ではありませんが、
設問に「最近、自発的な発語が少なくなり」とあります。
他の手段を検討することが適切です。
×:Dさんが緊張していることは、設問に記載されていません。
選択肢の文言が設問にあっていません。
〇:自発的な発話がすくなくなり、視線が合わなくなった場合も、
表情やしぐさを確認しながら、要介護者の感情理解に努めることは大切です。
×:視線が合わないときも、感情がないわけではありません。
視線が合わないのであれば、どうしたら視線が向くかを考えつつ、
話しかけることが大切です。
×:会話の機会を減らしてしまうことは、疎外感や孤独、孤立につながります。
自発的な発話が困難になっていることも想定して、
絵や写真など、言語以外のコミュニケーション手段を検討し、
コミュニケーションを行うことが大切と考えます。
アルツハイマー型認知症が進行していくと、会話でのコミュニケーションが難しくなります。
認知症の重症度に合わせてコミュニケーション手段を検討してください。
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02
介護福祉職は利用者の状況(この問題では重度のアルツハイマー型認知症)に合わせた適切なコミュニケーションをとり、コミュニケーションに困難が生じた場合は状況に応じて工夫を行い、コミュニケーションをとり続けることの重要性を理解している必要があります。
誤答です。声かけを続けることは大切ですが、声かけに対するリアクションが少なくなってきているのであれば、それ以外のコミュニケーション方法を模索する必要があります。
誤答です。問題文からは、Dさんの最近の様子は緊張からくるものではなく、重度のアルツハイマー型認知症が原因であると推測されます。また、一般的には心理的距離が近い場合『触れる』という行為は、緊張をほぐすことができる行為なのでその点からもこの選択肢は適切ではありません。
正答です。言語的コミュニケーションに困難が生じてきたのであれば、非言語的コミュニケーションを含めて利用者の感情を理解できるよう努める必要があります。
誤答です。『視線が合わない』というのは、不安や不快を示す仕草です。Dさんは重度のアルツハイマー型認知症なので、言葉では表現できない不安や不快を抱えていると考え、それに対応していく必要があります。
誤答です。会話の機会を減らすと、認知症がますます進行してしまうおそれがあります。自発的な発語が少なくなってきても、Dさんが混乱しない話し方を工夫し、会話の機会を持ち続けるのが良いでしょう。
言語的コミュニケーション…話し言葉や書き言葉・手話など言語を媒介とするコミュニケーション
非言語的コミュニケーション…動作や態度・表情・視線・接触など言語以外の手段によって行われるコミュニケーション
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03
介護職が重度の認知症利用者とコミュニケーションで、心がけるポイントについて問われている問題になります。
×:Dさんは認知症が進んだことで、介護職からの声掛けが理解できていない可能性があります。また言葉の理解ができても言葉を表出できないかもしれません。いずれにしても、声掛けしても反応しなくなったDさんに対して、言語中心で続けてもコミュニケーションとして成立していない可能性があります。
×:緊張によるものは、精神的な疾患によるもの、神経的な疾患からくるものなど、様々な理由が考えられます。緊張を緩和させる意味でも軽く触るなどの対応は行って良いと考えられます。
〇:Dさんの自発的な言葉が少なくなっても、それ以外で表情や仕草などに表れている可能性があります。それらの様子をしっかり観察してコミュニケーションをとる事が望ましいです。
×:視線が合わないからと言って、必ずしもDさんが嫌だという訳ではありません。認知症が原因で合わせられなくなっている事も考えられます。Dさんの気持ちに寄り添いながらコミュニケーションをとる事が大切です。
×:会話の機会を減らす事で、脳への刺激が少なくなり、より認知症が進むリスクがあります。一方的になるかもしれませんが、Dさんの返事がなくても声掛けを続ける方が良いでしょう。
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04
認知症の方は、注意力の低下、記憶力の低下、見当識の低下によって、会話が噛み合わなくなります。また、言葉が伝えられないこと、理解できないことで会話に対する教師を抱いてしまうため、会話自体をしたがらなくなります。
誤りです。認知症が進行すると、言語での表現が困難となる場合があります。言葉だけのコミュニケーションではなく、相手の表情やしぐさなどから訴えを察知しましょう。
誤りです。適度なスキンシップによって相手に安心感を与えることができます。急に触れてしまうと驚かせてしまうことがあるので、背中など感覚が鈍感な部分から触れると良いでしょう。
正解です。言葉での表現が上手く行えなくなった場合、相手の表情やしぐさから訴えを確認しましょう。
誤りです。認知症の方と会話をするときは、目を見てゆっくりと話すことを心がけましょう。視線が合わない際も何か訴えがあるので、視線をそらす原因を読み取りましょう。
誤りです。会話をする機会が減ると、不安や孤独感を抱いてしまい、さらに閉鎖的になってしまいます。他者との会話は脳を活性化させ、認知症の進行を遅らせる効果も期待できるため、相手の様子を確認しながら会話する機会を持ち続けましょう。
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