介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問25 (こころとからだのしくみ 問7)
問題文
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問題
介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問25(こころとからだのしくみ 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
- 血圧の上昇
- 腸蠕動(ちょうぜんどう)の促進
- 腎機能の促進
- 副交感神経の亢進(こうしん)
- 心機能の抑制
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この過去問の解説 (1件)
01
正解は「血圧の上昇」です。
高温浴は、交感神経を刺激し、血圧を上昇させる作用があります。
特に高齢者は、体温や感覚が鈍くなっていることが多く、自覚がないまま「熱いお湯が気持ちいい」と感じやすい傾向があります。
しかし、高温浴による急激な血圧上昇や心拍数の増加は、心臓への負担が大きく、ヒートショックなど命に関わるリスクにもつながります。
そのため、安全な湯温の管理と丁寧な説明が欠かせません。
この問題では、利用者が「熱いお湯に入りたい」と希望されたとき、介護福祉士としてどう説明し、安全を守るかという視点が問われています。
特に「血圧の上昇」は、高齢者にとって見過ごせない重大なサインです。
希望をそのまま受け入れるのではなく、なぜ危険なのかをわかりやすく伝える力が、介護の現場では求められます。
「本人の意思を尊重しつつ、安全第一で対応する」
この視点を常に意識しておきましょう。
正解。
高温浴では、交感神経が活発になり、血管が収縮します。
その影響で、血圧が急激に上昇することがあるため、特に高齢者にとっては心臓や血管への大きな負担となります。
こうしたリスクを防ぐためには、湯温の管理に加えて、入浴中のこまめな声かけや体調確認がとても重要です。
腸の動き(腸蠕動)は、副交感神経が優位なときに活発になります。
しかし、高温浴では交感神経が優位になるため、腸の動きはむしろ抑えられる傾向にあります。
「ぬるめ→リラックス→副交感神経」「熱め→興奮・緊張→交感神経」と覚えておくと、身体の反応をイメージしやすくなりますよ。
入浴によって一時的に血流が増えることはありますが、高温浴によって腎機能そのものが促進されるわけではありません。
むしろ、高温による脱水や心臓への負担が、結果的に腎臓に悪影響を与えることもあるため、十分な注意が必要です。
「血流が増える=機能が高まる」と短絡的に結びつけないようにしましょう。
身体のバランスが崩れると、かえって臓器に負担がかかることもあると理解しておくことが大切です。
副交感神経が優位になるのは、ぬるめの入浴(38〜40℃程度)のときです。
このような入浴では、身体がリラックスしやすく、心拍や血圧も安定しやすくなります。
一方、高温浴では交感神経が刺激されるため、身体は緊張状態になりやすく、リラックスとは逆の反応が起こります。
したがって、「高温浴で副交感神経が優位になる」という選択肢は誤りです。
高温浴は、心拍数を増やし、心臓の働きを活発にする方向に作用します。
つまり、心機能が抑制されるのではなく、むしろ心臓には大きな負担がかかるのです。
特に心疾患を抱える高齢者の場合は、血圧や心拍の変動が命に関わるリスクになることもあるため、慎重な対応が求められます。
入浴温度が身体に与える影響を整理して覚えておくことは、とても重要です。
なかでも、交感神経と副交感神経の働きの違いは、入浴支援を行ううえで欠かせない基礎知識になります。
たとえ高温のお湯が気持ちよく感じられても、血圧や心拍数を上げるリスクがあることを忘れてはいけません。
介護の現場では、「なぜぬるめのお湯をすすめるのか」を、利用者の体調や感覚に寄り添いながら、丁寧に説明できる力が求められるのです。
単なる知識として覚えるのではなく、「この人にどう説明するか」をイメージして選択肢を見ると、正解が見えてきやすくなりますよ。
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