介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問30 (こころとからだのしくみ 問12)
問題文
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問題
介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問30(こころとからだのしくみ 問12) (訂正依頼・報告はこちら)
- 呼吸不全
- 溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)
- 心停止
- 蠕動運動(ぜんどううんどう)の減弱
- 瞳孔散大・対光反射消失
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は「瞳孔散大・対光反射消失」です。
脳の機能が完全に停止した「脳死」の状態では、脳幹がまったく働いていないことが前提となります。
その確認方法のひとつが、瞳孔が光に反応しない(対光反射の消失)という現象です。
これは、医学的な脳死判定において極めて重要な徴候のひとつとして位置づけられています。
呼吸不全は、肺や呼吸筋の機能低下によって起こることが多く、必ずしも脳の機能停止と直結するわけではありません。
たしかに、脳幹の障害によって呼吸が止まることはありますが、それだけでは脳死の判定基準にはなりません。
この現象は、排尿に関わる神経系の障害や、膀胱の収縮力の低下が原因で起こるものです。
そのため、脳死とは直接的な関係がなく、脳幹機能の停止を示す徴候としては適切ではありません。
心臓の停止は、主に循環器系のトラブルによって引き起こされるものです。
これは脳死とはまったく別の概念であり、両者を混同しないよう注意が必要です。
「心臓が止まった=脳死」ではないという視点を持っておくことが、選択肢を正しく見極めるための鍵になりますよ。
腸の動きが鈍くなることはありますが、これは主に自律神経の働きによるものです。
たとえ腸管の活動が低下していても、脳の機能停止とは直接関係がなく、脳死の判定には用いられません。
正解。
これは、脳幹機能の完全な消失を示す最も重要なサインのひとつです。
対光反射が消失しているということは、脳が外部からの刺激にまったく反応していない状態を意味しており、医学的な脳死判定において極めて重要な指標とされています。
脳死を疑う場面では、瞳孔の大きさと光への反応の有無が、最も重要な観察ポイントとなります。
医療現場においても、「光を当てて瞳孔が縮むかどうか(対光反射)」を確認することは、脳幹の機能を判断するための基本中の基本です。
また、他の選択肢のような「身体機能が低下している」現象と、「脳の活動が完全に停止している」状態とでは、意味がまったく異なります。
この違いをしっかりと区別しておくことが大切です。
脳幹=生命維持の最終ラインという視点で選ぶと、迷いにくくなりますよ。
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02
介護の現場では、
利用者が危険な状態にあるかの、
迅速な判断が求められます。
各選択肢の状態が持つ意味を
しっかりと理解しましょう。
×:誤りです。
非常に迷う選択肢です。
脳幹の一部である延髄は、呼吸を司る機能があるために、
呼吸不全と脳の機能停止はリンクしていると言えますが、
肺や心臓などの循環器の疾患などそれ以外の要因で、
呼吸不全が引き起こされる場合があります。
×:誤りです。
溢流性尿失禁は、膀胱に尿がたまりすぎて、
膀胱からあふれるように尿が漏れ出てしまう状態です。
これは前立腺肥大症による尿道閉塞や、神経因性膀胱などによる
膀胱機能の低下などが主な原因です。
従って、溢流性尿失禁が脳の機能停止の兆候とは言えません。
【参考】
切迫性尿失禁は、排尿のタイミングや制御を司る重要な
中枢機能(主に前頭葉と脳幹にある排尿中枢)の低下で
排尿を抑制する働きが弱まり、突然強い尿意(切迫感)が出て、
結果、我慢できずに尿が漏れてしまう現象ですが、
これは脳機能が原因の失禁と言えます。
ただし、やはり脳の機能停止の兆候を見る指標ではありません。
×:誤りです。
心停止は、生命の終わりを意味しますが、
例えば、脳死状態であっても心臓は動いていることはあり得ます。
従って、設問の『脳の機能停止』を示す徴候となると
誤りの選択肢になります。
×:誤りです。
蠕動運動が弱まることは、消化管の運動機能の低下を示すものです。
自律神経(脳幹から出ている場所もある)によって弱まることはあり得ますが、
消化器疾患などの影響で弱くなることもあります。
従って、設問の『脳の機能停止』を示す徴候となると
誤りの選択肢になります。
○:正しいです。
瞳孔散大および対光反射の消失は、
脳幹、特に中脳の機能停止を示す重要な徴候です。
瞳孔は、光の刺激に対して大きさを変化させ、
網膜に入る光の量を調整します。
この反応が対光反射と呼ばれ、瞳孔が固定し、光に反応しない状態は
脳の機能停止を見極める重要な診断基準です。
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