介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問32 (発達と老化の理解 問2)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問32(発達と老化の理解 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、神経性無食欲症(anorexia nervosa)に関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 活動性が高まる。
  • 学童期に最も生じやすい。
  • 太ることへの恐怖はみられない。
  • 低体重の深刻さを理解している。
  • 多くが男性である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解「活動性が高まる。」です。

 

神経性無食欲症では、著しい体重減少があるにもかかわらず、過剰な運動や落ち着きのなさが目立つことがあります。

エネルギーが極端に不足していても、本人はじっとしていられずに動き回ってしまうため、周囲がその深刻さに気づきにくくなることも少なくありません。

痩せているのに元気そうは、安心」ではなく、むしろ危険な兆候である可能性もあるという視点を持っておくことが大切です。
見た目に惑わされず、行動と栄養状態のギャップに注目しましょう。

選択肢1. 活動性が高まる。

正解。

神経性無食欲症では、極端にやせているにもかかわらず、活動量が多くなることがよく見られます。

これは、「もっと痩せなければいけない」という思い込みや、体重増加への強い不安感から、カロリーを消費しようとする行動に過剰に執着している状態と理解できます。

 

見た目の痩せ具合だけでなく、心理的な背景や行動の異常さにも注目することが、早期発見と支援のカギになりますよ。

選択肢2. 学童期に最も生じやすい。

発症は、思春期から青年期にかけて集中しているのが特徴です。

小学生の時期に発症することはまれであり、特に10代の女性に多く見られることを押さえておくと安心です。

思春期の心と体の変化に対する不安や葛藤が背景にあることが多いため、発症時期は10代前半〜後半に集中する」と覚えておくと、選択肢の判断にも役立ちますよ。

選択肢3. 太ることへの恐怖はみられない。

この病気の核心にあるのは、「太ることへの強い恐怖心」です。

そのため、たとえ体重が正常範囲にあっても、本人は「自分は太っている」と感じてしまい、さらに食事制限や運動を続けてしまう傾向があります。

見た目や数値ではなく、本人の「ゆがんだ自己評価」が症状を悪化させる要因となることを理解しておくと、問題の本質がつかみやすくなりますよ。

選択肢4. 低体重の深刻さを理解している。

神経性無食欲症の人は、自分の体重の危険性に気づいていなかったり、その深刻さを過小評価していることが多く見られます。

このような状態は、「病識がない」と表現されることがあり、本人が病気だという自覚を持っていない点が、治療や支援を難しくする要因となります。

選択肢5. 多くが男性である。

神経性無食欲症は、圧倒的に女性に多く見られる疾患です。

もちろん、男性にも一定数の発症はありますが、全体に占める割合はごくわずかであることを押さえておきましょう。

まとめ

神経性無食欲症を理解するうえで大切なのは、外見だけでは見えにくい心理的背景に目を向けることです。

「やせているのに、もっとやせたいと思い込む」「体力がないのに、じっとしていられずに動き続ける」など、本人の認識と実際の状態にギャップがあることが特徴です。

 

試験では、「病識の欠如」「過剰な運動」「太ることへの恐怖」「体重や食事に対する執着」などのキーワードが出てきたときに、この疾患を思い浮かべられるかどうかが正答のカギになります。

 

実際の事例や子ども・若者とのかかわりの中で「こういう子、いたかもしれない」と具体的にイメージしながら覚えると、知識がぐっと定着しやすくなりますよ。
自信を持って選べるように、行動と心理のつながりを意識しながら学んでいきましょう。

 

 

 

参考になった数6

02

神経性無食欲症は、摂食障害の一つで、

若い女性に多く見られます。

体重増加に対する極端な恐怖心、

自分の体型に対する歪んだ認識、

極端で不適切な食事制限などが特徴です。

 

選択肢1. 活動性が高まる。

○:正しいです。

 

エネルギー摂取がされていないにも関わらず、

異常に活動性が高まることがあります。

活動性亢進と呼ばれるカロリー消費を増やそうとする行動や、

飢餓状態による脳反応と言われています。

選択肢2. 学童期に最も生じやすい。

×:誤りです。

 

神経性無食欲症は、

思春期や20代の女性に発症することが最も多いです。

学童期は小学校の年齢(5~12歳)なので、誤りです。

 

【参考】

アメリカ精神医学会のDSM-5では、

最も患者が多いのは15歳前後で、

学童期で発症するのは非常に稀とされています。

選択肢3. 太ることへの恐怖はみられない。

×:誤りです。

 

太ることへの恐怖がこの疾患の主要因の一つです。

選択肢4. 低体重の深刻さを理解している。

×:誤りです。

 

自己評価の歪みや体重増加に対する過剰な不安により、

低体重状態にも関わらず、その深刻さの認識が不足している状態です。

 

選択肢5. 多くが男性である。

×:誤りです。

 

女性の比率が圧倒的に多く、

10倍から20倍と様々な調査で言われています。

参考になった数1