介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問44 (認知症の理解 問6)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問44(認知症の理解 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、全般的な認知機能を評価する尺度であり、30点満点で20点以下を認知症の目安とするものとして、正しいものを1つ選びなさい。
  • バーセルインデックス(Barthel Index)
  • 改訂長谷川式認知症スケール(HDS−R)
  • FAST(Functional Assessment Staging)
  • 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
  • 臨床的認知症尺度(CDR:Clinical Dementia Rating)

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)」です。

 

HDS-Rは、認知症の有無を見極めるための代表的な評価尺度です。
30点満点で20点以下が認知症の目安とされており、簡便で信頼性の高いツールとして知られています。

特別な機器や資格がなくても実施できるため、施設や在宅を問わず、幅広い場面で活用されています。

選択肢1. バーセルインデックス(Barthel Index)

これは、食事や排泄、移動などの「日常生活動作(ADL)」を評価する尺度です。
認知機能を直接測るものではないことに注意しましょう。

選択肢2. 改訂長谷川式認知症スケール(HDS−R)

正解。

高齢者の認知機能全般を評価するための、簡便なスクリーニングツールです。
日付や計算、記憶などに関する質問を通じて得点化され、20点以下の場合は認知症の可能性があると判断されます。

 

試験では、「30点満点・20点以下が目安」といった数値とともに、質問の内容(見当識・記憶・計算など)も一緒に覚えておくと安心ですよ。

選択肢3. FAST(Functional Assessment Staging)

これは、アルツハイマー型認知症の進行を7段階で評価する尺度です。
HDS-Rのように点数で判断する方式ではなく、認知機能や生活の様子に応じて段階的に評価します。

選択肢4. 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準

こちらは、認知症が日常生活にどの程度影響しているかを判定するための尺度です。
主に介護サービスの支給決定や支援の必要度の把握に活用されており、診断やスクリーニングには用いられません。

選択肢5. 臨床的認知症尺度(CDR:Clinical Dementia Rating)

記憶や判断力など、6つの領域から認知症の重症度を総合的に評価する専門的な尺度です。
点数ではなく、各領域の障害の程度をもとに重症度を判断するのが特徴です。

 

数値だけではなく、領域ごとの変化に着目している点がポイントです。

試験でも、「点数で評価するものではない」といった選択肢に注意しましょう。

まとめ

認知症のスクリーニングに使われる代表的な尺度は、HDS-RMMSEです。
どちらも点数方式で、認知機能の状態を簡便に評価できるツールとして広く活用されています。

 

一方、CDRFASTは認知症の重症度を評価する尺度です。
また、バーセルインデックス自立度判定基準は生活機能の評価に用いられるなど、尺度ごとに目的が異なります。

 

試験では「何を・どの方法で評価するか」を正確に区別することが重要です。
スクリーニング」「重症度」「生活機能」

この3つの軸で知識を整理しておくと、選択肢を絞りやすくなりますよ。

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02

認知症検査の問題ですが、

「30点満点で20点以下を認知症の目安とする」という時点で

長谷川式だとわかります。

選択肢1. バーセルインデックス(Barthel Index)

×:誤りです。

 

バーセルインデックスは、ADLの評価尺度です。

認知機能そのものを直接評価するものではありません。 

選択肢2. 改訂長谷川式認知症スケール(HDS−R)

○:正しいです。

 

改訂長谷川式認知症スケール(HDS−R)は、

日本国内でよく用いられている認知症検査です。

30点満点で採点され、一般的に20点以下の得点は

認知症の可能性を示唆する基準とされています。

そのため、問題文の条件を満たす尺度として正しい選択肢となります。

選択肢3. FAST(Functional Assessment Staging)

×:誤りです。

 

FASTは、主にアルツハイマー型認知症の進行度を

ADLなどの機能的側面を基準に、段階的に評価するためのスケールです。

採点方式は7段階(ステージ)で示されます。

 

Stage 1: 認知症なし(主観的症状なし)

Stage 2: 主観的軽度認知機能障害(物忘れなど本人だけが感じる症状)

Stage 3: 初期アルツハイマー病(職場や社会生活で周囲が気づくほどの問題が生じる)

Stage 4: 軽度アルツハイマー病(複雑な日常生活動作に支障が出始める)

Stage 5: 中等度アルツハイマー病(ADLの一部に介助が必要となる)

Stage 6: 中等度~重度アルツハイマー病(ADLの全般に介助が必要となり、失禁などもみられる)

Stage 7: 重度アルツハイマー病(意思疎通が困難になり、ほとんど寝たきりの状態)

選択肢4. 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準

×:誤りです。

 

この基準は、認知症高齢者における日常生活の自立度を評価するための指標です。

ⅠからMまでの6段階(およびM判定)に分類されます。

 

Ⅰ: 何らかの認知症を有するが、日常生活はほぼ自立している。

Ⅱa: 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが時々みられる。

Ⅱb: 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられる。

Ⅲa: 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが毎日みられる。

Ⅲb: 日中も症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられ、介護を必要とする。

Ⅳ: 常時介護を必要とする。

M: 著しい精神症状や問題行動、あるいは重篤な身体疾患があるため、専門医療を必要とする。

選択肢5. 臨床的認知症尺度(CDR:Clinical Dementia Rating)

×:誤りです。

 

臨床的認知症尺度(CDR)は、

認知症の重症度や進行度を評価するための尺度です。

0(正常)から3(重度)段階的に評価します。 

※アルツハイマー型認知症に特化したFASTとは異なり、

認知症全般に適用されます。

 

CDR 0: 認知症なし(正常)

CDR 0.5: 認知症の疑い、または軽度認知障害(MCI)

CDR 1: 軽度認知症

CDR 2: 中等度認知症

CDR 3: 重度認知症

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