介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問53 (障害の理解 問5)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問53(障害の理解 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

視覚障害の特徴と視覚障害者の生活支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • ロービジョンは、視覚情報をまったく得られない状態である。
  • 中途視覚障害者は、先天性の障害に比べて障害を受容しやすい。
  • 白杖(はくじょう)には、視覚に障害があることを周囲に知らせる役目がある。
  • 視覚障害を補うために、ペットの犬と一緒に外出する。
  • 視覚障害者は、ガイドヘルパーの利用はできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

視覚障害とは、視力や視野の低下により、日常生活に支障が生じる状態です。

白杖は、単なる歩行補助具だけではなく、周囲の人や車の運転者が気づくことで安全を確保する配慮が求められます。

選択肢1. ロービジョンは、視覚情報をまったく得られない状態である。

×

ロービジョンは、「視力や視野に障害があり、眼鏡やコンタクトレンズを使用しても十分な視力が得られず、日常生活に支障をきたす状態」を指します。

選択肢2. 中途視覚障害者は、先天性の障害に比べて障害を受容しやすい。

×

中途視覚障害者は、視覚を喪失したことへの心理的ショックや喪失感が大きく、障害を受容するまでに時間がかかることが多いとされています。

選択肢3. 白杖(はくじょう)には、視覚に障害があることを周囲に知らせる役目がある。

白杖は、視覚障害者が安全に歩行するための道具であるとともに、「私は視覚に障害があります」と周囲に知らせるシンボル的役割も果たします。

 

白杖の主な役割

1.地面の状態(段差、障害物、方向)を確認し、安全に歩行するための補助具です

2.歩行者や運転者、周囲の人に配慮や協力を求めます

 

白杖を頭の高さ以上に垂直に上げる行為は「ヘルプサイン」といって、助けやサポートが必要な状態です。

選択肢4. 視覚障害を補うために、ペットの犬と一緒に外出する。

×

視覚障害を補うために訓練された犬は「盲導犬」であり、ペットの犬はその役割を果たせません。

選択肢5. 視覚障害者は、ガイドヘルパーの利用はできない。

×

視覚障害者はガイドヘルパーを利用できます。外出時の支援や移動の介助を受けられる制度があります。

 

まとめ

まとめ

白杖は、歩行を補助すると同時に、周囲に配慮を求める道具です。

道路交通法第14条では、白杖を持つ歩行者が横断歩道を渡ろうとしている場合、車両は一時停止しなければならないことが規定されています。

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02

視覚障害は視力や視野に障害があり、

日常生活を送る上で困難さを感じている状態をいいます。

正しい知識が、視覚障害者の安全を守り

生活の質を高めます。

選択肢1. ロービジョンは、視覚情報をまったく得られない状態である。

×:誤りです。

 

ロービジョンは全盲のことではありません。

WHOの定義では、矯正視力が0.05以上0.3未満とされていますが、

日本では視力・視野のみでなく、

視覚障害のために日常生活に不自由のある状態

「ロービジョン」と総称しています。

選択肢2. 中途視覚障害者は、先天性の障害に比べて障害を受容しやすい。

×:誤りです。

 

先天性の視覚障害の人も不便を感じる場面は多いですが、

中途障害者は、変化した自分の状態への適応や、

喪失体験がそこに加わるため、

障害受容は先天性の障害と比べると

心理的葛藤が大きくなることが一般的です。

 

なお、個人差があることを留意すべきです。

選択肢3. 白杖(はくじょう)には、視覚に障害があることを周囲に知らせる役目がある。

○:正しいです。

 

視覚障害者が自分で気を付けていても

周囲の理解がなければ、転倒などの危険があります。

白杖は安全な移動のために、以下の機能を発揮させています。

シンボル機能 :白杖の白い見た目と、地面をたたく音で周囲へ視覚障害であることを伝える

バンパー機能 :前方の障害物から身を守る

プローブ機能 :路面の情報を収集する

選択肢4. 視覚障害を補うために、ペットの犬と一緒に外出する。

×:誤りです。

 

ペットの衝動的な動きが、

視覚障害者の事故につながる可能性があります。

正式な訓練を受けた盲導犬との外出でなければなりません。

 

盲導犬はペットではなく、

2003年から身体障害者補助犬法が全面施行され、

各種補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬など)とレストランに入ったり、

医療機関やスポーツジムに行ったり、交通機関に乗ることが法的に認められました。

障害者差別解消法においても法的権利として認められています。

選択肢5. 視覚障害者は、ガイドヘルパーの利用はできない。

×:誤りです。

 

視覚障害者が外出するときに、同行援護というサービスが利用できます。

このほかにも似たようなサービスがあり、整理すると下記のようになります。

 

視覚障害者 : 同行援護(国の事業)

重度知的障害者・精神障害者 : 行動援護(国の事業)

肢体不自由者、軽度の精神・知的障害者 : 移動支援(市町村の事業)

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03

正解は「白杖には、視覚に障害があることを周囲に知らせる役目がある」です。

 

他にも、「路面状況の確認」「障害物から身を守る」などの役割があります。

白杖は視覚障害者にとって、ただの杖ではなく、安全を確保して自由に移動するために必要な道具です。

選択肢1. ロービジョンは、視覚情報をまったく得られない状態である。

不適切

 

ロービジョンは視覚に何らかの障害があり、普段の生活の中で不自由を感じていることを指すので、不適切となります。

選択肢2. 中途視覚障害者は、先天性の障害に比べて障害を受容しやすい。

不適切

 

中途視覚障害者は、今まで見てきた日常の世界を失うため、心理的ショックが大きいと一般的にはいわれています。

選択肢3. 白杖(はくじょう)には、視覚に障害があることを周囲に知らせる役目がある。

適切

 

白杖の役割に該当するので適切です。

白杖は、「直杖(ちょくじょう)」「折り畳み式」「IDケーン」「支持ケーン」「スライド式」と種類があるで、補足情報として覚えておきましょう。

選択肢4. 視覚障害を補うために、ペットの犬と一緒に外出する。

不適切

 

この選択肢の場合は、ペットの犬が盲導犬でなくてはならないので不適切となります。

選択肢5. 視覚障害者は、ガイドヘルパーの利用はできない。

不適切

 

ガイドヘルパーは、視覚障害者の方が移動するのに必要な情報を提供しなければならないので、不適切となります。

まとめ

今回のような問題では、特徴と生活支援の結びつきを把握しておくことが大切です。

セットで考えると覚えやすいので意識してみましょう。

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