介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問54 (障害の理解 問6)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問54(障害の理解 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(76歳、女性)は、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断され、日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)は、車いすやベッド上で全介助である。最近、食事に時間がかかって嫌がるようになり、かすれ声が目立つようになった。
次のうち、現在のAさんに対して介護福祉職が留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 安静時振戦
  • 筋固縮
  • 仮面様顔貌
  • 誤嚥(ごえん)
  • 便秘

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

Aさんの状況のポイント

・パーキンソン病と診断されている

・ADLは全介助

・最近、食事に時間がかかり、嫌がっている

かすれ声が目立つ

です。

これらの情報から、特に食事や発声に関連した症状の進行やリスクに注目する必要があります。

選択肢1. 安静時振戦

×

パーキンソン病の初期症状として見られ、安静時に手指が小刻みに震える状態です。

ただし、AさんはすでにADL全介助の状態なので、進行した段階では、筋固縮や姿勢反射障害の方が目立つことが多いです。

この場面では、直接的な留意点ではありません。

選択肢2. 筋固縮

×

パーキンソン病の代表的な症状です。筋肉がこわばり、関節の動きが制限される状態です。

筋固縮への理解は必要ですが、「食事に時間がかかる」「かすれ声」という状況に対しての最優先の留意点とは言えません。

 

選択肢3. 仮面様顔貌

×

パーキンソン病の代表的な症状です。顔の筋肉がこわばり、表情が乏しくなる症状です。

表情が乏しくなることで、コミュニケーションに影響しますが、「食事に時間がかかる」「かすれ声」という状況に対しての最優先の留意点とは言えません。

選択肢4. 誤嚥(ごえん)

パーキンソン病が進行すると、嚥下機能や咽頭の動きが低下し、誤嚥のリスクが高くなります。

Aさんは「食事に時間がかかる」「かすれ声」とあり、これらは嚥下機能低下の兆候であり、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。

よって、この状態で介護士がもっとも留意すべきは誤嚥防止の支援です。

選択肢5. 便秘

×

パーキンソン病では自律神経の障害により便秘が起こりやすいです。

健康管理項目に含まれますが、「食事に時間がかかる」「かすれ声」という問題の対応として最優先ではありません。

まとめ

まとめ

・食事に時間がかかる、嫌がる→誤嚥機能低下が疑われる

・かすれ声→咽頭の動きが低下しているサインで、誤嚥のリスクが高い

 

介護職としては、食事の姿勢、食事形態の見直しなどが必要です。

参考になった数3

02

正解は「誤嚥(ごえん)」です。

 

選択肢はパーキンソン病の症状としてすべて正しいです。

しかし、「食事に時間がかかり嫌がる」「かすれ声が目立つ」という情報を踏まえると、最も適しているのは「誤嚥」になります。

選択肢1. 安静時振戦

不適切

 

パーキンソン病の症状ですが、Aさんの場合は最も適しているとはいえません。

ちなみに、安静時振戦とは「休んでいる時に手足などが小刻みに震える症状」のことです。
 

選択肢2. 筋固縮

不適切

 

「筋固縮」もパーキンソン病の症状です。

ただ、Aさんの場合は最も適しているとはいえません。

選択肢3. 仮面様顔貌

不適切

 

パーキンソン病の症状ですが、今回は最も適しているとはいえません。

ちなみに仮面様顔貌とは、「表情のバリエーションが少なく、仮面が付いているような無表情になる症状」のことです。

選択肢4. 誤嚥(ごえん)

適切

 

パーキンソン病の症状であり、Aさんの「食事に時間がかかり嫌がる」「かすれ声が目立つ」という情報から考えて、最も適切だといえます。

選択肢5. 便秘

不適切

 

パーキンソン病の方は「便秘」に悩んでいることが多いですが、Aさんの場合は最も適しているとはいえません。

まとめ

今回の問題は、すべての選択肢がパーキンソン病の症状でした。

Aさんの症状や情報を軸に考えると正しい選択肢が選べるでしょう。

また、パーキンソン病の症状は「運動症状」「非運動症状」にまとめられています。

参考になった数2

03

パーキンソン病は、日内変動が大きく、進行が速いため

日々介護内容が変化していきます。

正しい知識を持って介護していく必要があります。

 

もともと全介助の生活で

「食事に時間がかかって嫌がるようになり、かすれ声が目立つようになった。」

という文章に注目して考えてみましょう。

選択肢1. 安静時振戦

×:誤りです。

 

安静時振戦は、パーキンソン病の特徴の一つで、

食事の自力摂取が難しくなるという課題がありますが、

事例では元々全介助であったことがうかがえ、

食事に時間がかかることやかすれ声に注目されています。

他の選択肢(誤嚥)との深刻度の比較で誤りとなります。

選択肢2. 筋固縮

×:誤りです。

 

筋固縮は、パーキンソン病の特徴の一つで、

食事の自力摂取が難しくなるという課題がありますが、

事例では元々全介助であったことがうかがえ、

食事に時間がかかることやかすれ声に注目されています。

他の選択肢(誤嚥)との深刻度の比較で誤りとなります。

選択肢3. 仮面様顔貌

×:誤りです。

 

仮面様顔貌は、無表情となり、まばたきも少なく、

一点を見つめるような顔つきになることで、パーキンソン病の特徴の一つですが、

食事に時間がかかることやかすれ声に注目されています。

他の選択肢(誤嚥)との深刻度の比較で誤りとなります。

選択肢4. 誤嚥(ごえん)

○:正しいです。

 

食事に時間がかかる。声がかすれてきている。

この2つの症状により、口腔内から下咽頭の

運動障害が現れていると推察されます。

結果、誤嚥が起きて肺炎につながるリスクがあることを理解し、

食事形態や介助の方法、スピードなどを工夫しなければなりません。

選択肢5. 便秘

×:誤りです。

 

パーキンソン病の人は、食事や水分の量が減り便秘になることが多いです。

確かに留意すべき事項にはなりますが、

最も適切なものとなると、

他の選択肢(誤嚥)との深刻度の比較で誤りとなります。

 

参考になった数0