介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問78 (コミュニケーション技術 問5)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問78(コミュニケーション技術 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

Cさん(55歳、男性)は、知的障害がある。3か月前に、施設から居宅での一人暮らしに移行し、現在は、居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら生活している。ある日、Cさんが、「ゴミ、分けて捨てるの、難しいよ」と言うので、室内に分別収集の説明書を貼って、カレンダーに収集日を書くことにした。そして、介護福祉職は、「この説明書とカレンダーを見て、捨てるといいですよ」とCさんに伝えた。その後、Cさんは努力していたが、分別できなかったゴミが少しずつ増えていった。
次のうち、Cさんにかける介護福祉職の最初の言葉として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 「ゴミでいっぱいになる前に、適切に捨てられるようになりましょう」
  • 「説明書とカレンダーをよく見てください」
  • 「ゴミが増えてきて、気持ち悪いですね」
  • 「がんばっていれば、上手にできるようになりますよ」
  • 「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、知的障害のある方への介護職の適切な声掛けや支援姿勢を問うものです。

知的障害のある方の場合、説明を受けただけでは生活スキルが定着しにくいことがあります。また、文字情報や視覚情報だけでなく、実際の行動を一緒に確認したり、具体的な支援を合わせることが重要です。

 

選択肢1. 「ゴミでいっぱいになる前に、適切に捨てられるようになりましょう」

×

一見前向きな提案に見えますが、Cさんが難しいと感じて努力している状況で、課題だけを強調するような言い方になっています。これは本人の努力や気持ちの配慮が薄く、プレッシャーを与えてしまう可能性があります。

選択肢2. 「説明書とカレンダーをよく見てください」

×

Cさんはすでに説明書とカレンダーが用意されており、分別がうまくできていない状態です。

そのために伝えるだけでは根本的な解決にはなりません。

選択肢3. 「ゴミが増えてきて、気持ち悪いですね」

×

Cさんの状況を指摘する形になり、本人の努力や気持ちを否定的に捉えてしまうリスクがあります。

共感ではなく、ごみの増加という結果だけを取り上げる言い方は不適切です。

選択肢4. 「がんばっていれば、上手にできるようになりますよ」

×

一見励ましのようですが、Cさんはすでに頑張っているのに難しいと感じている状態です。

この言葉はCさんの困難を軽視し、誤ったメッセージになりかねません。

選択肢5. 「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」

Cさんの感じている難しさに共感し、否定せずに受け止めています。そして一緒にできることを考えていこうという前向きな協働的姿勢を示しています。一緒に課題を整理し、解決策を探す姿勢が大切です。

まとめ

まとめ

知的障害のある方が生活上の困りごとに直面したとき、介護職がどのように寄り添い、ともに解決策を考えていけることが問われています。

本人の努力や気持ちを否定せずに、具体的な支援方法を工夫する姿勢が大切です。

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02

正解は「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」です。

 

知的障害はひとり1人の特徴に差があります。
代表的なものには、「言葉の理解」「意思の伝達」「状況に合わせた行動」に支援が必要になります。

選択肢1. 「ゴミでいっぱいになる前に、適切に捨てられるようになりましょう」

不適切

 

Cさんのゴミの分別ができるようにならないと、ゴミは溜まる一方です。

選択肢2. 「説明書とカレンダーをよく見てください」

不適切

 

Cさんは自分なりに理解しようと心がけているので、今の方法を押し付けるのは不適切です。

選択肢3. 「ゴミが増えてきて、気持ち悪いですね」

不適切

 

Cさんに、「自分はできない」と強く思わせてしまうので不適切になります。

選択肢4. 「がんばっていれば、上手にできるようになりますよ」

不適切


一見寄り添っているように聞こえますが、Cさんはすでに頑張っている状況です。
新たな提案を視野に入れたほうが適切だといえます。

選択肢5. 「ゴミ捨ては難しいですよね。できることをいっしょに考えましょう」

適切

 

Cさんの気持ちに共感し、できるようになりたい気持ちを理解しようとしているので、最も適切な選択肢だといえます。

まとめ

今回の問題は、知的障害に対する対応の仕方についてでした。

 

ひとことで「知的障害」と言っても、抱えている悩みが同じとは限りません。
知的障害の特徴を理解し、その人に適した支援を心がけましょう。

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