介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問85 (生活支援技術 問6)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問85(生活支援技術 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

ノーリフティングケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 仰臥位(ぎょうがい)(背臥位(はいがい))の利用者を抱え上げて、端座位にする。
  • 仰臥位(背臥位)の利用者を手前に引きよせて、ストレッチャーに移乗する。
  • 端座位の利用者の体幹を抱きかかえて、車いすに移乗する。
  • 端座位の利用者にスライディングボードを使用して、車いすに移乗する。
  • 立位が困難な端座位の利用者に回転移動盤を使用して、車いすに移乗する。

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この過去問の解説 (2件)

01

ノーリフティングケアとは、介護者が人力で持ち上げない介護を意味します。

介護者の身体的負担を軽減するだけではなく、利用者様にとっても無理のない、安全な介護を提供するためのものです。

そのため、積極的に福祉用具を活用し、持ち上げる・抱えるといった行為を避けることが基本となります。

選択肢1. 仰臥位(ぎょうがい)(背臥位(はいがい))の利用者を抱え上げて、端座位にする。

×

ノーリフティングケアでは、介護者が利用者様を抱え上げること自体を避けます。

介護者の腰や背中に負担がかかり、事故やけがのリスクがあります。

選択肢2. 仰臥位(背臥位)の利用者を手前に引きよせて、ストレッチャーに移乗する。

×

手前に引き寄せることは、人力で利用者様を引っ張ることを意味します。

これもノーリフティングケアの理念に反し、介護者の腰の負担が大きく、利用者様の皮膚損傷のリスクも高まります。

選択肢3. 端座位の利用者の体幹を抱きかかえて、車いすに移乗する。

×

体幹を抱きかかえる行為は、介護者の持ち上げ動作を伴うことになり、ノーリフティングケアの考えに反します。

 

選択肢4. 端座位の利用者にスライディングボードを使用して、車いすに移乗する。

スライディングボードは、座った姿勢で体重を滑らすように移動するための福祉用具です。

利用者様も介護者も無理な力を使わず、滑らせる動作で移乗できます。  

 

選択肢5. 立位が困難な端座位の利用者に回転移動盤を使用して、車いすに移乗する。

×

回転移動盤は、身体の向きを変えやすくするメリットがありますが、立位が困難な人は立ち上がりの際にバランスをくずし転倒するリスクがあります。

まとめ

まとめ

スライディングボードは座ったまま移乗できる補助用具であり、盛り上げる・抱えるといった行為を排除し、ノーリフティングケアの基本方針を実現できます。

福祉用具を正しく選び、活用する力が、介護の質向上に直結します。

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02

正解は「端座位の利用者にスライディングボードを使用して、車いすに移乗する」です。

 

ノーリフティングケアとは、抱え上げたり、引き寄せたりしない介助方法です。
介護職の負担を軽減しつつも、安全な方法で介護を行う目的があります。

選択肢1. 仰臥位(ぎょうがい)(背臥位(はいがい))の利用者を抱え上げて、端座位にする。

不適切

 

利用者を抱え上げて端座位にしているので、ノーリフティングとはいえません。

選択肢2. 仰臥位(背臥位)の利用者を手前に引きよせて、ストレッチャーに移乗する。

不適切

 

手前に引き寄せているので、ノーリフティングとはいえません。

選択肢3. 端座位の利用者の体幹を抱きかかえて、車いすに移乗する。

不適切

 

抱きかかえているので、ノーリフティングとはいえません。

選択肢4. 端座位の利用者にスライディングボードを使用して、車いすに移乗する。

適切

 

スライディングボードは、滑らせることで利用者自身の力やベッドと車いすの高低差を活用し、抱えないで行える移乗方法です。

選択肢5. 立位が困難な端座位の利用者に回転移動盤を使用して、車いすに移乗する。

不適切

 

回転移動盤は、立位が困難な方に適していません。
使用する場合は、抱えて立位保持してもらわなくてはならないので、ノーリフティングとはいえません。

まとめ

今回は、ノーリフティングに関する問題でした。

 

介護職にとって、腰痛は職業病です。
利用者の身を守ることはもちろんですが、介護職自身の安全も確保できる方法を覚えておきましょう。

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