介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問86 (生活支援技術 問7)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問86(生活支援技術 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、左片麻痺(ひだりかたまひ)の利用者を右側臥位(みぎそくがい)から端座位にするときの介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 利用者に左手でベッド柵をつかむように伝える。
  • 利用者に右肘を支点にして上体を起こしてもらう。
  • 利用者の右脚をベッドから下ろす。
  • 利用者の頸部(けいぶ)を支えて上体を起こす。
  • 端座位の利用者の右側に立って上体を支える。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、左片麻痺の利用者様を右側臥位から端座位にする際の適切な介護方法についてです。

安全に起き上がるには、麻痺のない側をうまく使い、介護者が適切に支援することが大切です。

 

ポイントは、

・麻痺側ではなく健側を活用する

・動作の順序を守る

・頸部を支点にしない

・本人の力を活かし、必要な部分を補助する

などです。

選択肢1. 利用者に左手でベッド柵をつかむように伝える。

×

左片麻痺のため、左手は力が入らなかったり、思うように動かせなかったりします。

このような支持は利用者様にとって困難で、場合によっては転倒や負担の原因になります。

選択肢2. 利用者に右肘を支点にして上体を起こしてもらう。

右側は麻痺のない健側なので、右肘や右手を使って上肢を支え、起き上がることができます。

介護者はその動きを補助する形で支援すると、利用者様の残存能力を活かした介護になります。

選択肢3. 利用者の右脚をベッドから下ろす。

×

上体がまだ起きていない段階で脚だけをベットから下ろすと、バランスを崩して転倒する恐れがあります。

順序としては、まず上体を起こしてから脚を下ろすのが基本です。

 

選択肢4. 利用者の頸部(けいぶ)を支えて上体を起こす。

×

頸部を支えると首への負担や怪我の原因となります。

上体を起こす際は、肩や背中、骨盤あたりを支えるのが基本です。

選択肢5. 端座位の利用者の右側に立って上体を支える。

×

設問は「右側臥位から端座位にする際の介護」を聞いています。

この選択肢はすでに端座位になったあとの話です。

 

まとめ

まとめ

左片麻痺の利用者様は、右側をうまく活用することが重要です。

また、起き上がり動作では安全性と本人の能力を引き出す介護が求められます。

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02

正解は「利用者に右肘を支点にして上体を起こしてもらう」です。

 

起き上がりの介助の際にも、利用者の残存機能を有効的に使った介護が求められます。
今回の場合は、健側である右肘を支点にすることで、スムーズな起き上がり介助が可能です。

選択肢1. 利用者に左手でベッド柵をつかむように伝える。

不適切

 

左片麻痺があるため、左手でベッド柵を掴んでもらうことは適切ではありません。

選択肢2. 利用者に右肘を支点にして上体を起こしてもらう。

適切

 

健側の右腕を活用することで、自身の力でも起き上がれる自信がつきます。
利用者の状態にも個人差があるので、介助する際はひとり1人に合わせた介助を心がけましょう。

選択肢3. 利用者の右脚をベッドから下ろす。

不適切

 

右足を先に降ろすと、麻痺側の左足が降ろせなくなります。
足を降ろす場合は、左足(患側)に右足(健側)をひっかけて一緒に降ろしてもらいましょう。

選択肢4. 利用者の頸部(けいぶ)を支えて上体を起こす。

不適切

 

頸部に負担がかかり、ケガに繋がるリスクがあるため不適切になります。

選択肢5. 端座位の利用者の右側に立って上体を支える。

不適切

 

片麻痺側にバランスを崩して転倒する危険性があるので、介護者は患側に立ちましょう。

まとめ

今回は、片麻痺がある利用者の起き上がり介助に関する問題でした。

 

残存機能を使い、てこの原理で少ない力で起き上がれるように声掛けをしましょう。
介護者は、転倒のリスクも考えて立ち位置に気を付ける必要があります。

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