介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問120 (総合問題 問7)

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問題

介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問120(総合問題 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事例〕
Dさん(男性、障害支援区分4)は、ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。自宅で家族と生活をしている。Dさんは、食事は自立しているが、排泄(はいせつ)、入浴に介護が必要である。歩行はできず、移動は電動車いすを使用している。絵を描くことが趣味であり、日中は創作活動に取り組んでいる。
これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが、Dさんの身体機能の低下に伴い、家族の介護負担が増えたため、居宅介護を利用することになった。

Dさんの疾患で生じる病態として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 筋線維の変性
  • 運動神経の変性
  • 網膜の変性
  • 自己免疫の低下
  • 脳細胞の変性

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この過去問の解説 (2件)

01

ベッカー型筋ジストロフィーは指定難病に分類されています。

 

【原因】

骨格筋に現れる遺伝子の異常により、細胞が変性・壊死

【症状】

・進行性の筋力低下
・運動機能低下
・呼吸不全

【対応】 
副腎皮質ステロイドの処方機能維持のためのリハビリテーション
        
        
        
        

選択肢1. 筋線維の変性

⚪︎:こちらが適切です。遺伝子異常により筋繊維が変性してしまいます。

選択肢2. 運動神経の変性

×:運動神経ではなく、筋肉そのものが変性していきます。

選択肢3. 網膜の変性

×:網膜ではなく、筋肉および細胞が変性していきます。

選択肢4. 自己免疫の低下

×:筋力や運動機能が低下していきます。

選択肢5. 脳細胞の変性

×:脳細胞ではなく、筋肉細胞が変性していきます。

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02

筋ジストロフィーは遺伝子異常を原因とした筋肉の変性をいい、ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは原因や症状も異なる疾患です。筋ジストロフィーには障害部位の違いなどから、ベッカー型などといったいくつかの種類に分けられます。

選択肢1. 筋線維の変性

正解です。

Dさんが患っているベッカー型筋ジストロフィーは筋繊維の変性といった病態が生じます。体幹に近い筋肉に筋力低下がみられ、進行すると筋繊維の数が減っていき生命維持が困難といった状態になります。

選択肢2. 運動神経の変性

不正解です。

運動神経の変性は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や脊髄小脳変性症などで生じる病態です。運動神経の変性から筋力低下といった症状がみられるため、筋ジストロフィーと間違えて覚えてしまわないよう注意しましょう。

選択肢3. 網膜の変性

不正解です。

網膜の変性は、網膜色素変性症といった遺伝子異常を原因とした疾患でみられる病態です。網膜の変性から視力の低下といった目の症状につながっていきます。

選択肢4. 自己免疫の低下

不正解です。

自己免疫の低下は、自己免疫疾患で生じる病態です。自己免疫疾患とは免疫機能の異常から異物ではなく自身の体内組織を攻撃してしまう病気の総称です。この病気には色々な種類のものがあり、関節リウマチや潰瘍性大腸炎やバセドウ病なども自己免疫疾患となります。

選択肢5. 脳細胞の変性

不正解です。

脳細胞の変性は、認知症やパーキンソン病などで生じることの多い病態です。脳細胞の変性から、記憶力・判断力・運動機能の低下といった具体的な症状へとつながっていきます。

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