大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問56 (日本史B(第5問) 問2)
問題文
アカネ:歴史を題材にしたドラマや小説の中でも、a 幕末維新期に活躍した人物を主人公にしたものは、人気があるよね。
タケル:そうだね。例えば、土佐藩出身の坂本龍馬は、歴史ドラマなどでもよく取り上げられる人気の人物だよね。
アカネ:だけど、龍馬は1867(慶応3)年11月に暗殺されていて、その後の明治維新の歴史に関わっていないよ。なのに、なぜ人気が高いのかな。
タケル:龍馬と言えば、薩摩藩と長州藩との同盟を仲介したことが有名だけど、その外にも、海援隊という組織を率いて、海運やb 貿易の事業にも携わったと言われているよ。
アカネ:なるほど、政治や経済など、様々な分野で活躍をした人物だったと言えそうだね。
タケル:龍馬の活躍と言えば、1867年6月に作成された「c 船中八策」も、後の明治日本の国家構想につながったと言われているよね。
アカネ:その「船中八策」だけど、この史料については当時の原本が確認されていないこともあり、歴史学でも議論が続いているようだよ。
タケル:それは、とても興味深いね。龍馬に関する研究で言えば、1883年に連載が始まった龍馬を主人公とする小説「汗血千里の駒」は、龍馬を通じて、高知の自由民権運動をアピールしようとしたd 政治小説というジャンルだと説明する本を読んだことがあるよ。
アカネ:そうなんだ。その小説の事例のように、歴史を題材にしたドラマや小説などの作品は、後の時代の価値観が反映されている場合が少なくない、ということに留意して鑑賞したほうが良さそうだね。
下線部bに関連して、幕末から明治期までの日本の貿易に関して説明した次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
Ⅰ アメリカをはじめ、欧米の5か国との間で、日本の関税自主権の欠如などを内容とする条約が締結された。
Ⅱ 諸外国との間で輸出が増大したことに対応し、生糸・雑穀・水油などの横浜港直送を禁じる法令が発せられた。
Ⅲ 朝鮮との間で、釜山など3港の開港を定めるとともに、日本の領事裁判権を一方的に認めさせる条約が締結された。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問56(日本史B(第5問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
アカネ:歴史を題材にしたドラマや小説の中でも、a 幕末維新期に活躍した人物を主人公にしたものは、人気があるよね。
タケル:そうだね。例えば、土佐藩出身の坂本龍馬は、歴史ドラマなどでもよく取り上げられる人気の人物だよね。
アカネ:だけど、龍馬は1867(慶応3)年11月に暗殺されていて、その後の明治維新の歴史に関わっていないよ。なのに、なぜ人気が高いのかな。
タケル:龍馬と言えば、薩摩藩と長州藩との同盟を仲介したことが有名だけど、その外にも、海援隊という組織を率いて、海運やb 貿易の事業にも携わったと言われているよ。
アカネ:なるほど、政治や経済など、様々な分野で活躍をした人物だったと言えそうだね。
タケル:龍馬の活躍と言えば、1867年6月に作成された「c 船中八策」も、後の明治日本の国家構想につながったと言われているよね。
アカネ:その「船中八策」だけど、この史料については当時の原本が確認されていないこともあり、歴史学でも議論が続いているようだよ。
タケル:それは、とても興味深いね。龍馬に関する研究で言えば、1883年に連載が始まった龍馬を主人公とする小説「汗血千里の駒」は、龍馬を通じて、高知の自由民権運動をアピールしようとしたd 政治小説というジャンルだと説明する本を読んだことがあるよ。
アカネ:そうなんだ。その小説の事例のように、歴史を題材にしたドラマや小説などの作品は、後の時代の価値観が反映されている場合が少なくない、ということに留意して鑑賞したほうが良さそうだね。
下線部bに関連して、幕末から明治期までの日本の貿易に関して説明した次の文Ⅰ~Ⅲについて、古いものから年代順に正しく配列したものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
Ⅰ アメリカをはじめ、欧米の5か国との間で、日本の関税自主権の欠如などを内容とする条約が締結された。
Ⅱ 諸外国との間で輸出が増大したことに対応し、生糸・雑穀・水油などの横浜港直送を禁じる法令が発せられた。
Ⅲ 朝鮮との間で、釜山など3港の開港を定めるとともに、日本の領事裁判権を一方的に認めさせる条約が締結された。
- Ⅰ ― Ⅱ ― Ⅲ
- Ⅰ ― Ⅲ ― Ⅱ
- Ⅱ ― Ⅰ ― Ⅲ
- Ⅱ ― Ⅲ ― Ⅰ
- Ⅲ ― Ⅰ ― Ⅱ
- Ⅲ ― Ⅱ ― Ⅰ
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この過去問の解説 (1件)
01
幕末から明治期の日本は外国との貿易が盛んになり、多くの条約や規則が作られました。
その中で起きた貿易に関する出来事を整理してみます。
まず、Ⅰの文です。
「アメリカをはじめ、欧米の5か国との間で、日本の関税自主権の欠如などを内容とする条約が締結された。」
これは1858年(安政5年)に締結された「安政の五カ国条約」を指しています。
次に、Ⅱの文です。
「諸外国との間で輸出が増大したことに対応し、生糸・雑穀・水油などの横浜港直送を禁じる法令が発せられた。」
これは1860年(安政7年)の「五品江戸廻送令」という決まりのことです。
幕末の貿易が始まってすぐの時期の話です。
最後に、Ⅲの文です。
「朝鮮との間で、釜山など3港の開港を定めるとともに、日本の領事裁判権を一方的に認めさせる条約が締結された。」
これは1876年(明治9年)に結ばれた「日朝修好条規」のことです。
最も後の出来事になります。
この順番を整理すると、 Ⅰ(1858年) → Ⅱ(1860年) → Ⅲ(1876年)
となります。
正しいです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
誤りです。
幕末から明治期の日本は、外国との関係を結ぶことで経済や社会が大きく変わり、それが後の日本の発展にもつながっていきました。
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