大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和5年度(2023年度)追・再試験
問28 (世界史B(第5問) 問1)
問題文
ヨーロッパ研修旅行で、ドイツ南部のダッハウ強制収容所跡の展示施設を訪れた学生二人と教授とが会話をしている。
教授:ここダッハウ収容所は、ナチ政権の成立と同年に開設され、この政権が終わる年まで稼働しました。この博物館の展示を基に、歴史的思考の実践をしてみましょう。
平沢:今まで、強制収容所と言えばアウシュヴィッツのイメージしかありませんでした。しかし、ナチ強制収容所の歴史には大きく三つの段階があり、「労働を通じた矯正」、「労働を通じた殺戮(さつりく)」、「ガス殺などを通じた絶滅」の段階があったと知りました。
教授:一般に流布したイメージの刷新も歴史的思考の一つですね。「労働を通じた矯正」という初期の段階の背景には、( ア )という法の成立があります。この法の制定をきっかけに、他の政党が排除されていき、( イ )が確立しました。これがダッハウ収容所設立と結び付くのです。「労働を通じた殺戮」の段階は、1938年3月のナチス=ドイツの領域拡大の時期と一致します。
秋山:次の最終段階では、スターリングラードの戦いで知られる東部での戦争が開始されると、労働のために大量の収容者が必要とされながらも、「ガス殺などを通じた絶滅」が実行されました。この矛盾した状況を、展示から理解できました。
平沢:展示を見て知ったのは、「強制労働」とは、a 移動の自由や職業選択の自由などの人権が制限された労働だと定義されているということです。
教授:歴史的思考には、歴史上で培われてきた価値を理解し、現代に応用することも含まれます。この「強制労働」の定義を、世界史上の出来事にも応用して考えてみましょう。
文章中の空欄( ア )と( イ )に入れる語の組合せとして正しいものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和5年度(2023年度)追・再試験 問28(世界史B(第5問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
ヨーロッパ研修旅行で、ドイツ南部のダッハウ強制収容所跡の展示施設を訪れた学生二人と教授とが会話をしている。
教授:ここダッハウ収容所は、ナチ政権の成立と同年に開設され、この政権が終わる年まで稼働しました。この博物館の展示を基に、歴史的思考の実践をしてみましょう。
平沢:今まで、強制収容所と言えばアウシュヴィッツのイメージしかありませんでした。しかし、ナチ強制収容所の歴史には大きく三つの段階があり、「労働を通じた矯正」、「労働を通じた殺戮(さつりく)」、「ガス殺などを通じた絶滅」の段階があったと知りました。
教授:一般に流布したイメージの刷新も歴史的思考の一つですね。「労働を通じた矯正」という初期の段階の背景には、( ア )という法の成立があります。この法の制定をきっかけに、他の政党が排除されていき、( イ )が確立しました。これがダッハウ収容所設立と結び付くのです。「労働を通じた殺戮」の段階は、1938年3月のナチス=ドイツの領域拡大の時期と一致します。
秋山:次の最終段階では、スターリングラードの戦いで知られる東部での戦争が開始されると、労働のために大量の収容者が必要とされながらも、「ガス殺などを通じた絶滅」が実行されました。この矛盾した状況を、展示から理解できました。
平沢:展示を見て知ったのは、「強制労働」とは、a 移動の自由や職業選択の自由などの人権が制限された労働だと定義されているということです。
教授:歴史的思考には、歴史上で培われてきた価値を理解し、現代に応用することも含まれます。この「強制労働」の定義を、世界史上の出来事にも応用して考えてみましょう。
文章中の空欄( ア )と( イ )に入れる語の組合せとして正しいものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- ア ― 全権委任法 イ ― 民主主義体制
- ア ― 全権委任法 イ ― 独裁体制
- ア ― 社会主義者鎮圧法 イ ― 民主主義体制
- ア ― 社会主義者鎮圧法 イ ― 独裁体制
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