マンション管理士の過去問
平成26年度(2014年)
問2
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問題
マンション管理士試験 平成26年度(2014年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
A所有の甲地に所在するマンションの専有部分をA及びBが所有している場合の敷地利用権に関する次の記述のうち、区分所有法、民法及び不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。
- Aが第三者Cのため甲地に賃借権を設定し、A及びBがCから賃借権の譲渡を受けその持分が各1/2である場合、A及びBのそれぞれの賃借権の準共有持分が敷地利用権となる。
- AがBのため甲地に地上権を設定し、BがAの専有部分所有のための甲地の使用を認容する場合は、Aの敷地利用権は、地上権者Bとの間の契約上の利用権である。
- AB間の使用貸借契約により、AがBの専有部分所有のための甲地の使用を認容する場合のBの敷地利用権は、使用借権であるが、登記することにより敷地権となる。
- Aが甲地をA及びBの所有する各専有部分の底地ごとに区画して分筆し、Bの専有部分の底地部分に賃借権を設定し敷地利用権とした場合、Bは、専有部分と敷地利用権とを分離して処分することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 〇正しい。
敷地利用権とは、区分所有法第2条6項に「専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利」とあり、本問のように、建物の専有部分をA及びBが所有し、Cから賃借権の譲渡を受けていれば、A及びBの敷地に関する権利は、区分所有法での敷地利用権となります。
では、敷地利用権になる得る権利関係は民法によると、
①所有権:敷地の権利を専有部分の所有者が直接所有する場合。
マンションでは複数の所有権者がいますから、共有となります。
②地上権:他人の土地を利用する権利を持ってマンションを建設した場合。
③賃借権:他人の土地を賃料を支払って借りる場合。
④使用貸借権:他人の土地を無償で借りる場合。
本問を見ますと、A及びBはCから各2分の1を持分とする土地の賃借権の譲渡を受けたとありますから、A及びBは、土地に対する賃借権を有することになります。
準共有とは、複数の人が所有権以外の権利を有する場合に使用されますから、賃借権をA及びBが各々持っていますとこれは、準共有となり、A及びBがCから賃借権の譲渡を受けその持分が各2分の1である場合、A及びBのそれぞれの賃借権の準共有持分が敷地利用権となりますから、正しいと判断できます。
2 〇正しい。
マンションの専有部分を所有するための建物の敷地に関する敷地利用権には、地上権も可能です。
本問では、地上権はBにありますから、地主であるAであっても、Aの敷地利用権は、地上権者Bとの間の契約上の利用権となり、正しいと判断できます。
3 ×誤っている。使用借権は登記できません。
マンションの専有部分を所有するための建物の敷地に関する敷地利用権には、使用貸借契約(使用借権)も該当していますが、登記に、敷地権にできるかとなると話は別になります。
敷地利用権が登記できるかどうかについて、不動産登記法第3条において、①所有権、②地上権、③永小作権、④地役権、⑤先取特権、⑥質権、⑦抵当権、⑧賃借権、⑨採石権とあり、9つの権利に限定されていて、「使用借権」は登記できないのです。
そこで、敷地利用権は使用借権ではありますが、登記できないので、「敷地権」にはなりえません。誤りと判断できます。
4 〇正しい。
言ってみれば、建物は一棟で繋がっていますが、敷地(底地)は各々別れているということです。
マンションの専有部分を所有するための敷地に関する権利として、Bは分筆された土地に対して敷地利用権として賃借権を有していますが、Aは地主であり、Aのマンションの専有部分を所有するための敷地に関する権利は、分筆された土地に対しては、単独の所有権であるということです。
本問の「専有部分と敷地利用権とを分離して処分できるか」については、区分所有法第22条1項によれば、「敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。」とあり、敷地利用権を数人で有する場合には、専有部分と敷地利用権とを分離して処分することができないのですが、本問のような場合、建物と土地を一体的に捉えるほどでもないため、区分所有法第22条の規定は適用されません。よって、Bは、専有部分と敷地利用権とを分離して処分することができますから、正しいと判断できます。
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02
1.敷地利用権は、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいいます。賃借権も敷地利用権となります。
所有権以外の財産権を数人で所有することを準共有といい、今回はA及びBが賃借権の譲渡を受けているので、この賃借権はAとBの準共有となります。
したがって、A及びBのそれぞれの賃借権の準共有持分が敷地利用権となります。
2.敷地利用権は、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいいます。地上権も敷地利用権となります。
そのため、BがAの専有部分所有のための甲地の使用を認容する場合は、Aの敷地利用権は、地上権者Bとの間の契約上の利用権となります。
3.敷地利用権のうち、登記された権利で専有部分と一体化されたものを敷地権といいます。登記することができる権利には所有権、地上権、賃借権がありますが、使用借権は登記することができません。
よって、この設問は誤りです。
4.この場合、各専有部分の底地ごとに区画して分筆し、賃借権を設定して敷地利用権としています。
この敷地利用権は、B単独で有している状態になるので、専有部分と敷地利用権を別々に処分することができます。
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03
2 正しい。選択肢1で記載した敷地利用権になりうる土地の権利のうちの地上権の場合の設問です。
3 誤り。不動産登記法第44条第1項第9号にて、敷地利用権は登記することで敷地権となりますが、不動産登記法第3条にあるように使用貸借自体は登記することができません。
4 正しい。区分所有法第22条に敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない、とあります。しかしながら、ただし土地が分筆されている場合は、区分所有法第22条の適用はないとされています。
よって、誤っているものは3となります。
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