マンション管理士の過去問
平成26年度(2014年)
問3

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

マンション管理士試験 平成26年度(2014年) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 監事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮監事を選任しなければならない。
  • 管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、裁判所によって特別代表者が選任され、この者が管理組合法人を代表する。
  • 管理組合法人は、財産目録を作成しなければならないが、常にこれを主たる事務所に備え置くことについては義務づけられていない。
  • 管理組合法人の解散事由は、建物の全部の滅失又は建物に専有部分がなくなることであり、集会の決議によることは含まれない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1 正しい。まず、区分所有法第50条に管理組合法人の監事に関する規定が記載されています。(監事が管理組合法人には必ず必要であり、理事と兼任できないこと、監事の職務等が規定されています。)そして、第50条第4項に「第25条、第49条第6項及び第7項並びに前条の規定は、監事に準用する。」とあります。
少々ややこしいですが、前条というのは第49条の4(※)を指し、この第1項に「理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。」とあります。こちらの条文を監事に準用したのが、設問の選択肢1となります。

 ※第49条の4は、第49条第4項のことではありません。第49条から第50条にかけては、
  第49条(理事)
  第49条の2(理事の代理権)
  第49条の3(理事の代理行為の委任)
  第49条の4(仮理事)
  第50条(監事)
  と並んでおり、第50条の前条は第49条の4となります。

2 誤り。区分所有法第51条に「管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。」とあります。特別代表者が選任されるわけではありません。

3 誤り。区分所有法第48条の2に「管理組合法人は、設立の時及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。」とあり、主たる事務所に備え置くことが義務付けられています。

4 誤り。区分所有法第55条第1項第3号に集会の決議により管理組合法人が解散することが規定されています。

よって、正しいものは1となります。

参考になった数47

02

正答【1】

1 〇正しい。
 管理組合法人においては、理事と監事は必須要件となります。監事に対しても、理事の規定が準用されています。本問の監事が欠けた場合は、区分所有法第50条4項に該当します。
 準用されています区分所有法第50条4項の前条とは、区分所有法第49条の4であり、「理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。」とあり、監事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮監事を選任しなければなりませんから、正しいと判断できます。

2 ×誤っている。監事が管理組合法人を代表。 
 管理組合法人と理事との利益が相反する行為は、利益相反行為として禁止されています。理由は、管理組合法人を代表する理事が取引の相手方(業者)と同一人であると、管理組合法人の利益が十分に保障されない恐れがあるからです。自己契約・双方代理として原則として禁止されています。(民法第108条)
 では、このような管理組合法人と理事との利益が相反する事項に対しては、本問のように、「裁判所によって特別代表者が選任され、この者が管理組合法人を代表」する方法も考えられますが、区分所有法第51条に「管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。」との規定があり、この規定により、管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、理事に代表権がなく、監事が管理組合法人を代表するとしています。よって、誤りと判断できます。

3 ×誤っている。 
 主たる事務所に備え置くことについては義務づけられています。 管理組合が法人化されると、法人としての様々な対応が必要とされます。その1つが、区分所有法第48条の2で「管理組合法人は、設立の時及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。2 管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。」とあり、管理組合法人は、財産目録を作成し(1項)、また区分所有者名簿も作成し変更のたびに変更します(2項)。これら、財産目録と区分所有者名簿は、区分所有法第48条の2により、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならなりませんから、誤りと判断できます。

4 ×誤っている。
 管理組合法人は集会の決議で解散します。
 管理組合法人の解散事由は、区分所有法第55条にあります。      
  ① 建物の全部の滅失
  ② 建物に専有部分がなくなつたこと。
  ③ 集会の決議  の3つがあり、
 それぞれ、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で決するとありますので、本問は、誤りと判断できます。

参考になった数16

03

正答は 1 です。

1.監事が欠け、事務が滞ることにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人または検察官の請求により、遅滞なく、仮監事を選任しなければなりません。

2.理事と管理組合法人の利益が相反する行為については、理事が管理組合法人を代表することができず、監事が代表権を有します。
よって、この設問は誤りです。

3.管理組合法人は、設立のときと毎年1月から3月までの間に財産目録を作成し、その主たる事務所に常に備え置かなければなりません。
よって、この設問は誤りです。

4.管理組合法人の解散事由は、次の3つです。
  ①建物の全部が滅失した場合
  ②建物に専有部分がなくなった場合
  ③区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議があった場合

集会の決議によることも含まれます。よって、この設問は誤りです。

参考になった数11