マンション管理士の過去問
平成26年度(2014年)
問30
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問題
マンション管理士試験 平成26年度(2014年) 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
管理組合の総会招集手続に関する次の記述のうち、区分所有法の規定並びにマンション標準管理規約(単棟型)及びマンション標準管理規約(複合用途型)によれば、適切なものはどれか。
- 総会招集通知に、会議の目的を「管理組合を法人化する件」として組合員に通知したが、議案の要領は通知しなかった。
- 理事長は、緊急を要する場合だったので、理事会の承認を得た上で、総会招集通知を開催日の4日前に組合員に通知した。
- 店舗部分で賃借人が営業している場合において、店舗の業種制限に関する規約の変更の総会招集通知を組合員に対し発送したが、その通知内容を所定の場所に掲示しなかった。
- 理事長は、新会計年度開始後3ヵ月してから通常総会を招集した。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 〇適切である。
特別決議事項でも、議案の要領の通知は不要。
まず、集会(総会)を招集する際には、会議の
目的たる事項が、重要と考えられる場合には、区
分所有者に事前に充分な予備知識を与えて、集会
に臨むように配慮して、会議の目的たる事項にプ
ラスして、議案の要領も通知することになってい
ます。
会議の目的と議案の要領の通知の両方が必要な
パターンとして、
①区分所有法第17条第1項「共用部分の重大
変更」
②区分所有法第31条第1項「規約の設定・変
更・廃止」
③区分所有法第61条第5項共用部分「大規模
滅失(建物価格の1/2超)の場合における
復旧」
④区分所有法第62条第1項「建替え」
⑤区分所有法第1項「団地管理組合の規約の設
定・変更・廃止」
⑥区分所有法第69条第7項「団地内の2以上
の区分所有建物の一括承認に付する旨の承認
の決議」
の6種があり、通常、区分所有者及び議決権の各
3/4以上または4/5以上(建替え)の賛成を必要
とする特別決議事項と呼ばれる事項が該当してい
ますが、その特別決議事項のうち、入っていない
もの(議案の要領が不要なもの)があります。
それが ①管理組合法人となること(第47条1
項)、②管理組合法人の解散(第55条2項)、
③使用禁止、競売または占有者に対する引渡しの
訴えの提起(第58条2項、第59条2項、第6
0条2項)です。
これにより、設問の会議の目的を「管理組合を
法人化する件」なら、議案の要領の通知は、いり
ませんので、適切です。
2 X適切でない。
4日前は規約で許された5日間を下回ってい
ます。
集会(総会)の招集の通知は、区分所有法第3
5条1項により、会日よりも、少なくても一週間
前(1週間の前日まで)に通知をすることになっ
ていますが、規約で伸ばしたり、短くすることも
できます。
これを受け、マンション標準管理規約(単棟
型)43条1項により、区分所有法の原則であっ
た、1間前を2週間前に変更し、また、緊急を要
する場合には、理事長は、理事会の承認を得て、
5日間を下回らない範囲においてなら、短縮でき
ますが、設問のように、「総会招集通知を開催日
の4日前に組合員に通知」となると、適切ではあ
りません。
3 X適切でない。
利害関係人がいると、通知内容を見やすい場所
に掲示しないといけません。
賃借人(占有者)が集会(総会)の目的たる事
項に、利害関係を持っていますと、区分所有法第
44条第1項により、利害関係人は、集会に出席
して意見を述べることができます。そのために
は、集会(総会の)あることを知らなければなり
ませんから、2項で、集会の日時、場所及び会議
の目的たる事項を建物内の見やすい場所に掲示す
ることが、求められていますので、通知内容を所
定の場所に掲示しなかったのは、適切ではありま
せん。
4 X適切でない。
規約では新会計年度開始後2ヶ月以内に総会を
招集することとあります。
管理者(理事長)は、せめて年1回は一定の時
期に集会を開いて、その事務の報告をしなさいと
いう規定があります。
それが、区分所有法第43条です。この規定を
受け、規約では、集会を総会とし、また会計年度
と組み合わせて、通常総会と呼ばれる形で開催す
るようにしています。規約では、「理事長は、通
常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2ケ月以
内に招集しなければならない。」 とありますか
ら、理事長が、新会計年度開始後3ヵ月してから
通常総会を招集するのは、適切ではありません。
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02
1.総会招集通知をする場合において、会議の目的(議題)が以下のものであるときは、その議案の要領をも通知しなければなりません。
① 規約の制定、変更または廃止
② 敷地及び共用部分等の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)
③ 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧の決議
④ 建替え決議またはマンション敷地売却決議
管理組合を法人化する件は上記に当てはまらないので、議案の要領を通知する必要はありません。
2.総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければなりません。緊急を要する場合には、理事長は、理事会の承認を得て、「5日間を下回らない範囲」において、この期間を短縮することができます。
よって、この設問は不適切です。
3.区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者が、会議の目的につき利害関係を有する場合には、組合員への通知発送後遅滞なく、その通知の内容を、所定の掲示場所に掲示しなければならないとされています。
よって、この設問は不適切です。
4.理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後「2ヶ月以内」に招集しなければならないとされています。
よって、この設問は不適切です。
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03
1 正しい。
標準管理規約第43条第4項により、総会招集の通知をする場合は、会議の目的が以下の場合にその議案の要領を通知する必要があります。
・規約の制定、変更又は廃止(第47条第3項第1号)
・敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)(第47条第3項第2号)
・建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧(第47条第3項第4号)
・建替え決議
・マンション敷地売却決議
選択肢にある管理組合の法人化については、議案の要領の通知が必要な議案に該当しませんので、選択肢は正しいです。
2 誤り。
標準管理規約第43条第9項により、緊急を要する場合には、理事長は、理事会の承認を得て、5日間を下回らない範囲において、
総会招集の通知の期間を短縮することができます。選択肢の4日間は適切ではないため、誤りとなります。
なお、通常は少なくとも会議を開く日の2週間前までに通知を発する必要があります。(会議の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときは2か月前)
3 誤り。
標準管理規約複合用途型第47条第8項により、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができますが、この場合には、総会の招集通知を発した後遅滞なく、その通知の内容を、所定の掲示場所に掲示しなければなりません。よって選択肢は誤りとなります。
4 誤り。
標準管理規約第42条第3項により、理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければなりません。よって選択肢は誤りとなります。
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