マンション管理士の過去問
平成26年度(2014年)
問32

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問題

マンション管理士試験 平成26年度(2014年) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

理事長が保管する書類について閲覧等の請求があった場合の理事長の対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。ただし、電磁的方法が利用可能ではない場合とする。
  • 組合員が、理事会の議事録について、書面による閲覧及び謄写の請求をしてきた場合には、閲覧のみを認め、謄写は拒むことができる。
  • 組合員から媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者が、総会及び理事会の議事録について、書面による閲覧請求をしてきた場合には、総会の議事録のみを認め、理事会の議事録は拒むことができる。
  • 組合員が、会計帳簿及び什器備品台帳について、書面による閲覧請求をしてきた場合には、書面に閲覧理由が記載されていないときは、閲覧を拒むことができる。
  • 組合員から専有部分を賃借している者が、総会の議事録について、書面による閲覧請求をしてきた場合には、閲覧につき、相当の日時及び場所を指定することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答【2】

1 〇適切である。 
  閲覧はいいが、謄写まではしなくてよいです。 
  組合員が、理事会の議事録について、書面によ
 る閲覧及び謄写の請求をしてきた場合となると、
  まず、理事会の議事録は、標準管理規約53条
 2項において、理事会の議事録の作成や保管、閲
 覧については、標準管理規約49条(但し、4項
 を除く)が準用されています。
  そこで、標準管理規約49条第3項をみます
 と、組合員は総会の議事録だけでなく、理事会の
 議事録の閲覧請求もできますが、規定では、閲覧
 だけを認めていて、謄写(コピー)までは、認め
 ていませんから、適切です。
  
2 X適切でない。
  利害関係人に組合員から媒介の依頼を受けた宅
 地建物取引業者も入るので、総会の議事録だけで
 なく、理事会の議事録も閲覧させること。
  標準管理規約49条3項及びコメント49条関
 係を見ますと、
  「利害関係人」とは、敷地、専有部分に対する
 担保権者、差押え債権者、賃借人、組合員からの
 媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者等法律上の
 利害関係がある者をいい、単に事実上利益や.利益
 を受けたりする者、親族関係にあるだけの者等は
 対象とはならない。」 とあり、
  設問の、「組合員から媒介の依頼を受けた宅地
 建物取引業者」が、組合員と同様に、総会及び理
 事会の議事録について、書面による閲覧請求をし
 てきた場合には、理事長は総会の議事録だけでな
 く、理事会の議事録の閲覧もさせなければなりま
 せんから、適切ではありません。

3 〇適切である。
  会計帳簿及び什器備品台帳となると、「理由」
 も必要です。 
  標準管理規約64条により、
  同じ閲覧であっても、総会の議事録や理事会の
 議事録は、単に書面での請求があればできます
 が、これらと異なり、会計帳簿、什器備品台帳、
 組合員名簿及びその他の帳票類の閲覧となるとか
 なり内部的な帳票ですから、閲覧に際して、「理
 由」も必要としていますので、書面に閲覧理由が
 記載されていないときは、閲覧を拒むことがで
 き、適切です。

4 〇適切である。
  専有部分を賃借している者は賃借人ですから利
 害関係人として、総会の議事録を閲覧できます。
 しかし、理事長も書面による閲覧請求があれば、
 いつでも、すぐに応じられない場合もあるでしょ
 うから、標準管理規約49条3項
 「3 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害
  関係人の書面による請求が あったときは、議事
  録の閲覧をさせなければならない。この場合に
  おいて、閲覧につき、相当の日時、場所等を指
  定することができる。」 とあり
  閲覧につき、相当の日時、場所等を指定するこ
 とができますから、適切です。

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02

正答は 2 です。

1.理事長は、理事会の議事録を保管し、組合員または利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の「閲覧」をさせなければなりません。謄写に関しては規定されていないので拒むことができます。

2.理事長は、「総会及び理事会の議事録」を保管し、組合員または利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければなりません。
したがって、理事会の議事録も閲覧させなくてはなりません。
よって、この設問は不適切です。

3.理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管しなければなりません。
これらの帳票類等について、組合員または利害関係人の「理由を付した書面による請求」があったときは、理事長は、これらを閲覧させなければなりません。
したがって、書面に閲覧理由が記載されていないときは、閲覧を拒むことができます。

4.理事長は、総会の議事録を保管し、組合員または利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければなりません。利害関係人には賃借人も含まれます。
そして、閲覧請求があった場合、理事長は、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができます。

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03

正解(適切でないもの)は2です。

1 正しい。
標準管理規約第53条第4項によれば、理事会の議事録は、標準管理規約第49条(総会の議事録の作成、保管)を準用するとされています。選択肢の内容については、第49条第3項のとおりで「理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。」とされており、謄写については規定がないため、拒否することができます。したがって、選択肢は正しいです。

2 誤り。
選択肢1の解説のとおりで、理事会議事録についても利害関係者への閲覧をさせる必要があります。組合員から媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者は利害関係者になりますので、選択肢は誤りとなります。

3 正しい。
標準管理規約第64条第1項によれば、「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。 」となっており、閲覧理由がない場合は閲覧を拒否することができます。したがって、選択肢は正しいです。

4 正しい。
標準管理規約第49条第3項によれば、「理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。」とされており、組合員から専有部分を賃借しているものは利害関係者に含まれるため、選択肢は正しいです。

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