マンション管理士の過去問
平成26年度(2014年)
問37
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問題
マンション管理士試験 平成26年度(2014年) 問37 (訂正依頼・報告はこちら)
マンションの建物の外壁や防水層の劣化に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- コンクリート中の塩分量が多くても中性化が進んでいなければ、鉄筋の不動態皮膜は破壊されず鉄筋が腐食することは少ないので、塩分量の調査を行う必要はない。
- コンクリートのひび割れの原因には、乾燥収縮、温度変化、水分の凍結融解等がある。
- アスファルト防水層の劣化が進むと、採取したサンプルの引張強度や伸びは小さくなるとともに針入度は大きくなる。
- サッシや手すり等に使用したアルミニウム合金が腐食すると、赤色又は茶褐色の薄い斑点が面的に広がる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.鉄筋コンクリート中の塩化イオン濃度が一定の濃度になると、鉄筋を覆っていた不働態皮膜が破壊され、鉄筋は腐食しやすい状態となります。鉄筋の腐食は、コンクリートの中性化が進行している場合や塩分量が多い場合になりやすいので、中性化が進んでいなくても鉄筋が腐食することはあり得ます。
よって、この設問は不適切です。
2.コンクリートのひび割れの原因には、鉄筋の錆の進行のほか、コンクリートの乾燥収縮や温度変化、水分の凍結融解等があります。
3.アスファルト防水層の劣化が進むと、アスファルトがかたくなるので、採取したサンプルの引張強度や伸びは小さくなり、針入度の値は「小さく」なります。
よって、この設問は不適切です。
4.アルミニウム合金が腐食すると、「白い」斑点が面的に広がります。
よって、この設問は不適切です。
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02
1 X適切でない。
コンクリート中の塩分量が多いと、鉄筋が腐食します。
コンクリート中の塩分が多いと、塩化物イオン
量の濃度が増して、鉄筋の不動態皮膜が破壊され
鉄筋が腐食しやすくなりますので、塩分量の調査
を行いますから、適切ではありません。
コンクリート中の塩分量の測定は、コア抜きし
たコンクリートを試験場に送って行います。
2 〇適切である。
コンクリートのひび割れ原因としては、各種あ
りますが、乾燥収縮、温度変化、水分の凍結融解
の他に、地盤の不同沈下、地震、荷重などもあり
ます。
コンクリートのひび割れは、0.3mm以下で
も内部に雨水などが入ると漏水や鉄筋の腐食に繋
がります。
3 X適切でない。 針入度は小さくなります。
アスファルト防水層とは、工事現場で加熱溶か
したアスファルトを使用して、防水層を作ります。
短時間で防水層が作れる、水密信頼性が高いな
どの長所がありますが、温度に敏感で、夏は解け
てたれる、冬は硬くなり破断しやすい短所もあります。
アスファルトは通常、経年により硬化し柔軟性
が低下する傾向があり、その結果軟化点は上昇
(伸びが小さくなる)し、アスファルトの硬さを示
す針入度は低下(小さくなる)するといった物性
変化が見られますから、適切ではありません。
針入度試験とは、アスファルトの硬さを調べる
試験で、舗装用石油アスファルト(ストレートア
スファルト)の等級分けに使用されています。所
定の容器に入ったアスファルトが25℃のときの、
標準針の貫入量を1/10mmの単位で表し、針入度が
大きいほど柔らかいアスファルトとなります。
4 X適切でない。
アルミも腐食する。白い斑点が現れる。
アルミニウム合金も腐食します。すると、白い
斑点が表面に現れますから、赤色又は茶褐色の薄
い斑点が面的に広がるは、適切ではありません。
表面をクリーニングすると、長持ちします。
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03
1 誤り。
コンクリート中の塩分量が多いと、コンクリートの中性化が進んでいなくても、鉄筋が腐食する可能性がありますので、調査診断を実施した方がよいです。
2 正しい。
選択肢のとおり、コンクリートのひび割れの原因は、コンクリート中の水分の状態変化によって発生します。蒸発による乾燥収縮、水和反応による温度変化、水分の凍結融解などです。水和反応というのはセメントと水が化合して硬化する反応ですが、建築完了時までにすべての反応が終わるわけではなく、時として数十年経っても反応がある場合もあります。
3 誤り。
アスファルトは、劣化が進むと、硬くなっていきますので、針入度は「小さく」なります。
4 誤り。
サッシや手すり等に使用したアルミニウム合金が腐食すると、白い斑点が表面に現れます。
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