マンション管理士の過去問
平成26年度(2014年)
問41
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問題
マンション管理士試験 平成26年度(2014年) 問41 (訂正依頼・報告はこちら)
マンションの外壁の断熱性能等に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
- 外壁の室内側に生じる表面結露は、防湿層を設けることにより防ぐことができる。
- 断熱材の熱伝導率は、一般に水分を含むと大きくなる。
- 外壁に使用する断熱材の厚さと熱伝導率が同じであれば、外断熱か内断熱かにかかわらず、外壁の熱貫流率は等しくなる。
- 壁面とこれに接している空気との間の熱伝達は、もっぱら対流及び放射によって生じる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 X適切でない。
防湿層は壁内部の結露防止用で、防湿層を設け
ても、室内側に生じる表面結露は防げない。
結露は、空気中の水蒸気が冷たいものに触れて水
(水滴)になったものです。
冬などで外の温度が低いと壁や窓の室内側の表
面温度も外気の低い温度のせいで下がり、その壁
や窓の室内側の表面に、結露ができます。
マンションは気密性が高いので、室内で発生す
る水蒸気を外部に排出しないと、結露が発生しや
すい構造になっています。換気が必要ということ
です。 防湿層は、壁の内部で発生する結露を防止
するため、室内からの水蒸気の流入を防止する部
材です。以前は防湿気密層と呼ばれていましたが
2006年の省エネルギー法の改定で目的により
気密層と防湿層が分離されました。繊維系断熱材
や連通孔を有する発泡プラスチック系断熱材
(EPSは含まれない)を使用する場合に室内側の面
に施工し、材料としてはポリエチレンフィルムが
よく使われます。防湿層の役目は断熱層への漏気
の侵入を防止するもので、防湿層を設けても、室
内側に生じる表面結露を防げるとはいえず、適切
ではありません。
2 〇適切である。
熱の伝わり方には、伝導、対流、放射の3つが
あります。
熱伝導というのは、そのうちの1つで、熱エネ
ルギーが温度の高い部分から低い部分に伝わる現
象です。
壁(材料)なら、壁(材料)の内部の温度の高
い方から、温度の低い方へ熱が移動することをい
います。
そこで、熱伝導率は、その熱の移動のしやすさ
を示す値です。
例えば、アルミニウムなら、熱伝導率210W/
㎡・.K,とかコンクリートなら、1.2W/㎡・.
K、たたみなら0.11W/㎡・.Kで、一般には、
重くて冷たい感じの材料は、熱伝導率が大きく
て、軽くて暖かい感じのするものは、熱伝導率が
小さいといえます。
そして、熱伝導率は、一般に水分を含むと大き
くなりますから、適切です。
熱伝導率が大きいと、熱の損失も大きくなりま
す。熱伝導率の小さい断熱材の方が熱の損失を軽
減する効果があります。
3 〇適切である。
熱貫流率とは、壁、床、屋根等を通して熱が逃
げたり、入ってきたりすることです。建築物壁面
の熱の伝わりやすさを数値として表したもので
す。この数値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱
性が高いことになります。熱貫流率は、空気から
壁の表面に熱を伝える「熱伝達」と壁の内部で熱
を移動させる「熱伝導」により決まりますから、
外壁に使用する断熱材の厚さと熱伝導率が同じで
あれば、外断熱か内断熱かにかかわらず、外壁の
熱貫流率は等しくなり、適切です。
4 〇適切である。
熱の伝わり方には、伝導、対流、放射の3つが
あります。
そして、熱伝達とは、空気から壁の表面に熱が
伝わること、または壁の表面の熱を空気に伝える
ことで、これは、もっぱら対流及び放射によって
生じますから、適切です。
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02
1.防湿層は、防湿性が高い材料で構成される層のことで、断熱層への漏気や水蒸気の侵入を防止するものをいいます。防湿層は壁体内の内部結露を防止する目的で設置するものであり、外壁の室内側に生じる表面結露を防ぐことはできません。
よって、この設問は不適切です。
2.熱伝導率は、材料内部の熱の伝わりやすさを示す値であり、一般に密度が低いほどその値は小さく、断熱性能が高いことを表します。水の熱伝導率は高いので、断熱材が水分を含むと熱伝導率は大きくなります。
3.熱貫流率は、建物の各部位について熱の通過しやすさを示す値のことです。
また、外壁の断熱改修を行う場合、断熱層を室内側に設ける内断熱工法と、屋外側に設ける外断熱工法があります。
既存の外壁に、同じ厚さの同じ断熱材を、室外側に取り付けた場合でも室内側に取り付けた場合でも、断熱材と外壁を合わせた熱貫流率は等しくなります。
4.熱伝達は、材料からそれに接する空気への、または、空気から材料への熱の伝わりのことをいい、材料表面の空気の動き(対流・放射)に影響されます。
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03
1 誤り。
壁の中の内部結露に対しては防湿層が効果的ですが、外壁の室内側に生じる表面結露には外壁自体の断熱性能を向上させる必要があり、防湿層では防げません。したがって、誤りとなります。
2 正しい。
選択肢のとおり、断熱材の熱伝導率は、一般に水分を含むと大きくなります。(断熱材の断熱性が低下する。)
3 正しい。
選択肢のとおり、外壁に使用する断熱材の厚さと熱伝導率が同じであれば、外断熱か内断熱かにかかわらず、外壁の熱貫流率は等しくなります。
4 正しい。
選択肢のとおり、壁面とこれに接している空気との間の熱伝達は、もっぱら対流及び放射によって生じます。
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