マンション管理士の過去問
平成27年度(2015年)
問18

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

マンション管理士試験 平成27年度(2015年) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

区分建物の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 建物の区分の登記は、一棟の建物である甲建物を物理的に区分して二棟の建物とし、既登記の建物の登記の登記記録から区分して新たに一個の区分建物とする登記である。
  • 敷地権付き区分建物についての一般の先取特権に係る権利に関する登記であって、敷地権が生ずる前に登記原因が生じ、区分建物に関する敷地権の登記後に登記がされるものは、建物についてのみ効力を有する登記として登記することができる。
  • 区分建物である建物を新築して所有者となった者が死亡し、表題登記のない当該区分建物の所有権を相続した者は、被相続人を表題部所有者とする当該区分建物についての表題登記を申請しなければならない。
  • 区分建物の合併の登記は、表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物に合併し、これらを同一の登記記録に記録することによって、一個の建物とする登記である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

以下に解説します。

選択肢1. 建物の区分の登記は、一棟の建物である甲建物を物理的に区分して二棟の建物とし、既登記の建物の登記の登記記録から区分して新たに一個の区分建物とする登記である。

誤りです。
建物の区分の登記とは、不動産登記法54条第2項で、「表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。」と定めています。
この登記とは、登記記録上で、区分建物とする登記であって、物理的に区分して2棟の建物とすることではありません。

選択肢2. 敷地権付き区分建物についての一般の先取特権に係る権利に関する登記であって、敷地権が生ずる前に登記原因が生じ、区分建物に関する敷地権の登記後に登記がされるものは、建物についてのみ効力を有する登記として登記することができる。

誤りです。
一般先取特権は、民法第306条によって、
「次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。」と規定されています。
そこで、敷地権付区分建物についての、一般先取特権に係る権利に関する登記は、建物についてのみ効力がある登記として登記はできません。

選択肢3. 区分建物である建物を新築して所有者となった者が死亡し、表題登記のない当該区分建物の所有権を相続した者は、被相続人を表題部所有者とする当該区分建物についての表題登記を申請しなければならない。

誤りです。
不動産登記法47条2項では、「区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。」と規定されています。
「被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる」のであって、しなければなりませんのではありません。

選択肢4. 区分建物の合併の登記は、表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物に合併し、これらを同一の登記記録に記録することによって、一個の建物とする登記である。

正しいです。
不動産登記法54条第1項3号において、
「建物の合併の登記とは、(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。」と規定しています。

参考になった数20

02

正答は 4 です。

1.建物の区分の登記は、表題登記がある建物または付属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいいます(不動産登記法第54条1項2号)。

一棟の建物である甲建物を物理的に区分して二棟の建物とする登記ではありません。
よって、この設問は誤りです。

2.敷地権付き区分建物には、当該建物のみの所有権の移転を登記原因とする所有権の登記、または当該建物のみを目的とする担保権(一般の先取特権、質権または抵当権)に係る権利に関する登記をすることはできません。
ただし、当該建物の敷地権が生じた後にその登記原因が生じたもの、または当該建物のみの所有権についての仮登記もしくは当該建物のみを目的とする「質権もしくは抵当権」に係る権利に関する登記であって、当該建物の敷地権が生ずる前にその登記原因が生じたものは、この限りではありません(不動産登記法第73条3項)。

したがって、敷地権付き区分建物についての「一般の先取特権」に係る権利に関する登記については、上記ただし項に当てはまらず、建物についてのみ効力を有する登記として登記することはできません。
よって、この設問は誤りです。

3.区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することが「できます」(不動産登記法第47条2項)。

申請することができるのであって、申請しなければならないわけではありません。
よって、この設問は誤りです。

4.区分建物の合併の登記は、表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物もしくは付属建物に合併して一個の建物とする登記をいいます(不動産登記法第54条1項3号)。

参考になった数10

03

正解(正しいもの)は、4です。

1 誤り。
不動産登記法第54条第1項第2号によれば、建物の区分の登記とは、表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいいます。一棟の建物を物理的に区分するものではありません。したがって、選択肢は誤りとなります。

2 誤り。
不動産登記法第73条第1項第3号によれば、敷地権付き区分建物についての質権又は抵当権に係る権利に関する登記であって、区分建物に関する敷地権の登記をした後に登記されたものであり、かつ、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたものについては、建物についてのみ効力を有する登記として登記することができます。一般の先取特権についての規定はありません。したがって、選択肢は誤りとなります。

3 誤り。
不動産登記法第47条第2項によれば、区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる、とありますが、つまり可能であるということであり、必須というわけではありません。したがって、選択肢は誤りとなります。

4 正しい。
不動産登記法第54条第1項第3号によれば、建物の合併の登記とは、表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいいます。したがって、選択肢は正しいです。

参考になった数9