マンション管理士の過去問
平成27年度(2015年)
問36
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問題
マンション管理士試験 平成27年度(2015年) 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
マンションの建物(鉄筋コンクリート造)の調査・診断結果に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- コンクリート中の塩化物イオンは、鉄筋腐食に影響を与えるほどの濃度でない場合(1.2kg/m3未満)でも、コンクリートの強度に直接影響を与えるので注意が必要である。
- 外壁に張られたタイルのひび割れは、タイル自体が原因であることがほとんどであり、その下地のモルタルやコンクリートが原因であることは少ない。
- 外壁のコンクリートのひび割れの調査の結果、ひび割れ幅が0.2mm~0.4mmの範囲だったので、漏水の可能性があると判断した。
- ひび割れやはく離が梁の補強筋に沿って発生していたので、コンクリートの乾燥収縮によるものと判断した。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、不適切です。
コンクリート中の塩化物イオンは、鉄筋の腐食に影響を与えますが、コンクリートの強度に直接影響を与えるものではありません。
2、不適切です。
外壁のタイルのひび割れは、ほとんどが、下地のモルタルやコンクリートが原因です。
3、適切です。
ひび割れ幅が0.2mm以下の場合は、許容範囲内と判断されます。
0.2mmから0.4mmの場合は、内部に水が入り、漏水の可能性があります。
4、不適切です。
ひび割れやはく離が梁の補強筋に沿って発生している場合は、補強筋の腐食が原因である可能性が高いといえます。
補強筋は鉄筋でできていますが、鉄は、アルカリ性であるコンクリートに囲まれている場合には、錆びが防止されます。
しかし、そのコンクリートが中性化すると鉄はさびていき、腐食が進みます。
そこで、梁の補強筋に沿って発生している場合は、コンクリートの中性化が
進んでいる可能性が高いと言えます。
以上のことから、適切なのは3なので、正解は3です。
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02
1.コンクリート中の塩分量が多いからといって、コンクリート自体の強度が低下するわけではありません。なお、鉄筋コンクリート中の塩化物イオン濃度が一定の濃度になると、鉄筋を覆っていた不働態被膜が破壊され、鉄筋は腐食しやすい状態となります。
よって、この設問は不適切です。
2.外壁タイル面にひび割れが生じている場合、その下地のモルタルやコンクリートが原因となっていることが多いです。
よって、この設問は不適切です。
3.ひび割れは、幅が0.3㎜以下であっても、コンクリート内部に雨水や炭酸ガス等が侵入し、漏水や鉄筋腐食の原因となることがあります。したがって、漏水の可能性があると判断したことは適切です。
4.鉄筋の錆の進行によって、配筋に沿ってひび割れが現れます。コンクリートの乾燥収縮の場合、開口部周辺では隅角部から斜めにひび割れが現れます。ひび割れやはく離が梁の補強筋に沿って発生している場合、かぶり厚さ不足が原因で鉄筋腐食が生じていると推察されます。
よって、この設問は不適切です。
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03
1 誤り。
鉄筋腐食が始まるコンクリート中の塩化物イオン量は1.2kg/㎥であり、それ未満の場合はコンクリートの強度に直接影響を与えることはありません。したがって、選択肢は誤りです。
2 誤り。
外壁に張られたタイルのひび割れは、タイル自身の原因だけでなく、下地のモルタルやコンクリートの乾燥による収縮作用による場合もあります。したがって、選択肢は誤りです。
3 正しい。
外壁コンクリートのひび割れ許容範囲は0.2mm程度のため、それ以上の範囲のひび割れについて、漏水可能性の判断をしたことは適切です。したがって、選択肢は正しいです。
4 誤り。
ひび割れやはく離が梁の補強筋に沿って発生している場合は、コンクリートの乾燥収縮ではなく、かぶり厚さ不足による鉄筋腐食の可能性があります。したがって、選択肢は誤りです。
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