マンション管理士の過去問
平成28年度(2016年)
問9

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問題

マンション管理士試験 平成28年度(2016年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

管理組合法人の事務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。
  • 管理組合法人が共用部分を管理者として所有することについて、規約で定めることはできない。
  • 管理組合法人の事務のうち保存行為を除く事務に関しては、集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び義務違反者に対する訴訟を提起するために集会決議が求められている事項を除き、規約の定めにより、理事その他の役員で決することができる。
  • 管理組合法人が、支払不能による破産手続開始を申し立てられても、それをもって直ちに解散する事由にはあたらない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は 「管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。」 です。

選択肢1. 管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。

管理組合法人の事務のうち、保存行為については、理事が決定することができます。また、理事が複数人選任されている場合であって、規約に別段の定めがないときは、理事の過半数で決定します。

各理事が単独で決することができるのではありません。

よって、この設問は誤りです。

選択肢2. 管理組合法人が共用部分を管理者として所有することについて、規約で定めることはできない。

管理組合法人には、管理者に関する規定は適用されません。また、管理者による管理所有も当然に消滅します。なお、管理組合法人による管理所有という制度は設けられていません。

選択肢3. 管理組合法人の事務のうち保存行為を除く事務に関しては、集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び義務違反者に対する訴訟を提起するために集会決議が求められている事項を除き、規約の定めにより、理事その他の役員で決することができる。

管理組合法人の事務は、原則としてすべて集会の決議によって決定しますが、規約で理事その他の役員が決定することとすることができます。ただし、特別決議事項と共同利益違反行為の停止等の請求訴訟については、必ず集会の決議で決しなくてはなりません。なお、1の設問にあった通り、管理組合法人の事務のうち保存行為については理事が決定することができます。

選択肢4. 管理組合法人が、支払不能による破産手続開始を申し立てられても、それをもって直ちに解散する事由にはあたらない。

管理組合法人は、以下の場合に解散します。

①建物の全部が滅失したとき

②建物に専有部分がなくなったとき

③区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議があったとき

管理組合法人が破産手続開始を申し立てられても、直ちに解散する事由にはあたりません。

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02

誤った選択肢を選ぶ問題です。

選択肢1. 管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。

× 管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事の単独ではなく、過半数で決定します。理事が1人の場合は単独で決定することができます。

選択肢2. 管理組合法人が共用部分を管理者として所有することについて、規約で定めることはできない。

○ 法人でない管理組合とは異なり、管理組合法人が共用部分を管理者として所有することについて、規約で定めることはできません。

選択肢3. 管理組合法人の事務のうち保存行為を除く事務に関しては、集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び義務違反者に対する訴訟を提起するために集会決議が求められている事項を除き、規約の定めにより、理事その他の役員で決することができる。

○ 問題文の通りです。

選択肢4. 管理組合法人が、支払不能による破産手続開始を申し立てられても、それをもって直ちに解散する事由にはあたらない。

○ 支払い不能で破産手続きの開始を申し立てられても、直ちに管理組合法人が解散するのではありません。管理組合法人の解散事由は、建物の全部の滅失、建物に共有部分がなくなった、集会の決議の三つとなっています。

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03

 区分所有法に関する出題です。

選択肢1. 管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。

 区分所有法52条2項により、「管理組合法人の事務のうちの保存行為は、理事が決することができる。」とされ、同法49条2項により、「理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。」とされます。

 つまり、「規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。」という部分が、誤りになります。

選択肢2. 管理組合法人が共用部分を管理者として所有することについて、規約で定めることはできない。

 区分所有法27条1項により、「管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。」とされ、同法47条11項により、「27条1項の規定は、管理組合法人には、適用しない」とされるので、正しいです。

選択肢3. 管理組合法人の事務のうち保存行為を除く事務に関しては、集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び義務違反者に対する訴訟を提起するために集会決議が求められている事項を除き、規約の定めにより、理事その他の役員で決することができる。

 区分所有法52条1項により、「管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によつて行う。ただし、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び義務違反者に対する訴訟を提起するために集会決議が求められている事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとすることができる。」とされ、同条2項により、「前項の規定にかかわらず、保存行為は、理事が決することができる。」とされるので、正しいです。

選択肢4. 管理組合法人が、支払不能による破産手続開始を申し立てられても、それをもって直ちに解散する事由にはあたらない。

 区分所有法55条により、「管理組合法人は、①建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失、➁建物に専有部分がなくなつたこと、③区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によつて解散する。」とされます。

 つまり、破産は管理組合法人の解散自由とはならないので、正しいです。

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