マンション管理士の過去問
平成29年度(2017年)
問10

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問題

マンション管理士試験 平成29年度(2017年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

一団地内に下図のとおり、専有部分のある建物であるA棟、B棟及び附属施設である集会所が存在し、A棟及びB棟の団地建物所有者が土地及び附属施設である集会所を共有している。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
問題文の画像
  • 集会所は、当然にA棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合における団地共用部分となる。
  • A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合は、当然に集会所の管理を行う。
  • A棟については、A棟の区分所有者だけによる管理を行うものとしたままで、B棟については、A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合が管理を行うものとすることはできない。
  • A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合がA棟及びB棟の管理を行うものとする場合において、A棟の管理とB棟の管理について、規約で異なる内容を定めることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤り
A棟とB棟で共有している集会所は当然には団地管理組合の団地共用部分とはならず、団地規約により団地共用部分となります。

2.正しい
記載のとおりです。
団地建物所有者の共有に属する団地内の土地・付属施設は、当然に団地管理組合が管理する必要があります(区分所有法65条)
この場合、A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合によって、集会所の管理を行う必要があります。

3.正しい
記載のとおりです。
前提として、棟単位の集会決議が全て成立しないと、団地規約を設定できません。
団地規約が設定された場合は棟単位の集会決議が全て成立したことになりますから、団地管理組合に属するA棟とB棟の管理を、それぞれ別管理(A棟は棟管理組合管理、B棟は団地管理組合管理など)とすることはできません。

4.正しい
記載のとおりです。
A棟の管理とB棟の管理について、規約で異なる内容を定めることができます。A棟が住居と店舗の複合用途型、B棟が住居専用型の場合等、管理手法が異なってくる場合などは、規約で異なる内容を定めることができます。

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02

正解は1です。

1.誤っている。
区分所有法第67条1項で、
「一団地内の附属施設たる建物・・は、
前条において準用する第30条第1項の規約
により団地共用部分とすることができる。」
と規定しています。

第30条第1項は、以下のとおりです。
「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理
又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、
この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。」

2.正しい。
区分所有法第65条第1項では、以下のように定めています。
「一団地内に数棟の建物があつて、
その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が
それらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)
の共有に属する場合には、
それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、
全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を
行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、
集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」

3.正しい。
区分所有法第68条第1項2号では、
「当該団地内の専有部分のある建物」
を、規約に定めることによって、
団地管理組合が管理を行うと規定しています。

この場合、一部の建物だけを団体管理組合で管理し、
他の建物は別の扱いをすると、管理が複雑になってしまうので、
全ての建物を管理することと解釈するのが合理的です。

4.正しい。
選択肢3で説明したように、全ての専有部分のある建物を
団地管理組合で管理することは可能です。

しかし、例えば、建物の大きさが異なる
A棟とB棟の管理に同じ規約を定めると、
かえって、不合理な管理が
されるので、全ての棟に同じ規約を
定める必要はありません。

以上より、誤っているのは1なので、正解は1です。

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03

 区分所有法の規定に関する出題です。

選択肢1. 集会所は、当然にA棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合における団地共用部分となる。

 区分所有法67条1項により、「一団地内の附属施設たる建物(区分所有建物の専有部分を含む。)は、規約により団地共用部分とすることができる。」とされます。

 つまり、「当然にA棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合における団地共用部分となる」という部分が、誤りです。

選択肢2. A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合は、当然に集会所の管理を行う。

 区分所有法65条により、「一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(団地建物所有者という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」とされます。

 つまり、「A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合は、当然に集会所の管理を行う。」ということは、正しいです。

選択肢3. A棟については、A棟の区分所有者だけによる管理を行うものとしたままで、B棟については、A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合が管理を行うものとすることはできない。

 区分所有法68条1項により、「一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)又は当該団地内の専有部分のある建物につき規約を定めるには、一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)にあつては当該土地の全部又は附属施設の全部につきそれぞれ共有者の4分の3以上でその持分の4分の3以上を有するものの同意、当該団地内の専有部分のある建物にあつてはその全部につきそれぞれ集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議があることを要する。」とされます。

 つまり、「A棟については、A棟の区分所有者だけによる管理を行うものとしたままで、B棟については、A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合が管理を行うものとすることはできない。」ということは、正しいです。

選択肢4. A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合がA棟及びB棟の管理を行うものとする場合において、A棟の管理とB棟の管理について、規約で異なる内容を定めることができる。

 区分所有法68条1項により、「一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)又は当該団地内の専有部分のある建物につき規約を定めるには、一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)にあつては当該土地の全部又は附属施設の全部につきそれぞれ共有者の4分の3以上でその持分の4分の3以上を有するものの同意、当該団地内の専有部分のある建物にあつてはその全部につきそれぞれ集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議があることを要する。」とされます。

 つまり、「A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合がA棟及びB棟の管理を行うものとする場合において、A棟の管理とB棟の管理について、規約で異なる内容を定めることができる。」ということは、正しいです。

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