マンション管理士の過去問
平成29年度（2017年）
問35
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問題
マンション管理士試験 平成29年度（2017年） 問35 （訂正依頼・報告はこちら）
甲マンション管理組合の平成26年度から平成28年度までの３年間の管理費会計比較収支報告書（会計年度は４月から翌年３月まで）は下表のとおりである。これに関し、会計担当理事が理事会で行った次の説明のうち、適切なものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。（表中の×××は、金額を表す。）
- 委託業務費が平成28年度に減少した理由は、平成29年３月17日に実施したエレベーター点検に係る費用を、平成29年４月10日に支払ったことによるものです。
- 平成28年度の次期繰越収支差額は、決算の結果、395,000円になりました。
- 平成28年度の駐車場使用料収入の減少は、平成28年度中に滞納金が発生し入金されなかったことによるものです。
- 平成29年３月24日に、組合員Aから、平成29年度の管理費１年分を前払する振込がありましたが、平成28年度の管理費収入には計上しないため、前期の額と変動がありませんでした。
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この過去問の解説 （3件）
01
業務委託費が減少したのは、支払いを行ったこととは関係がないためです。エレベータ点検費用は平成２９年３月（平成２８年度）に計上されています。
２．不適切
各年度の当期収支差額、前期繰越収支差額、次期繰越収支差額を算出すると、それぞれ
平成２６年度 45,000、290,000、335,000
平成２７年度 37,000、335,000、372,000
平成２８年度 68,000、372,000、440,000
となり、平成２８年度の数値は440,000となります。ただし
当期収支差額＝収入合計－支出合計
次期繰越収支差額＝当期収支差額＋前期繰越収支差額
翌年度の前期繰越収支差額＝前年度の次期繰越収支差額
で算出しています。
３．不適切
駐車場収入については、滞納金が発生していても既に発生した平成２８年度に計上されているため、滞納が影響ではありません。
４．適切
記載のとおりです。振込が前払であったとしても前受金勘定で処理されており、管理費収入には発生する翌月以降（平成２９年度）に計上するため、平成２８年度には計上されません。
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02
１．不適切。
３月に実施したエレベーターの点検費用は、発生主義の原則により
支払時期に関わらず３月に計上されます。
2．不適切。
平成30年度の次期繰越収支差額は、
平成30年度の前記繰越収支差額に当期収支差額を加算します。
平成30年度当期収支差額は、平成30年度の収入合計から
支出合計を引いて求められます。
そこで、まず、平成28年度の次期繰越収支差額を
平成28年度の前記繰越収支差額に平成28年度の収支差額を加算して求めます。
290,000円+（350,000円-305,000円）＝3345,000円となります。
同じ様に、平成29年度の次期繰越収支差額を求めます。
325,000円+（350,000円-313,000円）＝372,000円となります。
この平成29年度の次期繰越収支差額は、
そのまま平成30年度の前記繰越収支差額になります。
そこで、平成30年度の次期繰越収支差額は、
372,000円+（340,000円-272,000円）＝440,000円となります。
3．不適切。
駐車場使用料収入は、発生主義の原則により
滞納されても入金されても、同じ月に計上されます。
4．適切。
平成30年に前払いされた平成31年度の管理費は、
平成30年の管理費収入になりません。
以上より、正解は4です。
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03
会計に関する出題です。
平成28年度である平成29年3月17日の仕訳は、次のようになります。
業務委託費 ○○○ / 未払金 ○○○
平成29年度である平成29年4月10日の仕訳は、次のようになります。
未払金 ○○○ / 現金預金 ○○○
つまり、「平成28年度に減少した理由」という部分が、適切ではありません。
平成25年度までの収支差額は、平成26年度の前期繰越収支差額になるので、次のようになります。
290,000円
平成26年度の収支差額は、同年度の収支合計と支出合計の差額になるので、次のようになります。
350,000円-305,000円=45,000円
平成27年度の収支差額は、同年度の収支合計と支出合計の差額になるので、次のようになります。
350,000円-313,000円=37,000円
平成28年度の収支差額は、同年度の収支合計と支出合計の差額になるので、次のようになります。
340,000円-272,000円=68,000円
平成28年度の次期繰越収支差額は、次のようになります。
290,000円+45,000円+37,000円+68,000円=440,000円
つまり、「395,000円」という部分が、適切ではありません。
平成28年度中の滞納金の仕訳は、次のようになります。
未収金 ○○○ / 駐車場使用料収入 ○○○
つまり、「平成28年度中に滞納金が発生し入金されなかったことによるものです」という部分が、適切ではありません。
平成29年3月24日の仕訳は、次のようになります。
前受金 ○○○ / 管理費収入 ○○○
つまり、「平成29年３月24日に、組合員Aから、平成29年度の管理費１年分を前払する振込がありましたが、平成28年度の管理費収入には計上しないため、前期の額と変動がありませんでした。」ということは、適切です。
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