マンション管理士の過去問
平成30年度(2018年)
問17

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問題

マンション管理士試験 平成30年度(2018年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

甲マンション305号室を所有するAは、「305号室を娘Bに遺贈する。」という内容の遺言(以下「本件遺言」という。)をした。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
  • 本件遺言が公正証書によってなされた場合には、本件遺言を撤回することはできない。
  • Aが本件遺言をした後に、「305号室を息子Cに遺贈する。」という内容の遺言をした場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。
  • 本件遺言が自筆証書によってなされた場合において、Aが本件遺言をした後に、文面全面に斜線を引く等故意にその遺言書の文面全体を破棄する行為をしたときは、本件遺言を撤回したものとみなされる。
  • Aが本件遺言をした後に、305号室を友人Dに贈与した場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は 1 です。

1. 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができます。(民法1022条)
よって、遺言の方式に従い、公正証書によってなされた場合にも撤回することができます。

2. 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。(民法1023条1項)
したがって、Aは「305号室を娘Bに遺贈する。」の後に「305号室を息子Cに遺贈する。」という内容の遺言をしたため、前者の遺言を撤回したものとみなされます。

3. 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなされます。(民法1024条)
よって、その遺言書の文面全体を破棄する行為をしたときは、本件遺言を撤回したものとみなされます。

4. 遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合についても本件遺言を撤回したものとみなされます。(民法1023条2項)

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02

正答は 1 です。

1.遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部または一部を撤回することができます。
よって、この設問は誤りです。

2.前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。

3.遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなされます。

4.遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合、その抵触する部分については、遺言後の生前処分その他の法律行為で遺言を撤回したものとみなされます。

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03

Aが所有する甲マンション305号室に関する遺言の効力や撤回に関する問題です。

Aが「305号室を娘Bに遺贈する」という内容の遺言をした後の状況や行為によって、その遺言がどのような効力を持つか、または撤回されるかどうかを判断する問題です。

選択肢1. 本件遺言が公正証書によってなされた場合には、本件遺言を撤回することはできない。

誤り

解説:公正証書による遺言も、遺言者が生存中であれば、新たな遺言をすることで撤回することができます(民法968条)。

選択肢2. Aが本件遺言をした後に、「305号室を息子Cに遺贈する。」という内容の遺言をした場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。

正しい

解説:遺言者が後に新たな遺言をした場合、それが前の遺言と矛盾するときは、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます(民法970条)。

選択肢3. 本件遺言が自筆証書によってなされた場合において、Aが本件遺言をした後に、文面全面に斜線を引く等故意にその遺言書の文面全体を破棄する行為をしたときは、本件遺言を撤回したものとみなされる。

正しい

解説:自筆証書による遺言は、遺言者がその遺言書を故意に破棄することで、その遺言を撤回したものとみなされます(民法969条)。

選択肢4. Aが本件遺言をした後に、305号室を友人Dに贈与した場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。

正しい

解説:遺言者が遺贈の対象となる財産を生前に処分した場合、その部分の遺言は効力を失います(民法971条)。

まとめ

この問題を解く際には、民法における遺言の形式、効力、撤回に関する基本的な知識が必要です。

遺言の形式に応じた特有の効力や撤回の方法、新たな遺言による撤回や遺贈の対象財産の生前処分による遺言の効力喪失などの規定を理解しておくことで、各選択肢が正しいか誤っているかを判断することができます。

特に、具体的な法律の条文やその解釈に基づいて正確に答えを導き出す必要があります。

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