マンション管理士の過去問 令和元年度(2019年) 問14
この過去問の解説 (3件)
1.保証債務は、主たる債務者に代わって債務を履行するであるところから、賃貸借契約が合意更新された場合、主たる債務も更新されることとなるので、更新後の賃料債務についても保証債務を負います。
よって、この設問は誤りです。
2.保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを含みます。
したがって、損害賠償債務についても保証義務を負います。
3.債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができます(催告の抗弁権)。ただし、保証人が、主たる債務者と「連帯して」債務を負担したときは、この権利を有しません。
よって、この設問は誤りです。
4.保証債務は、主たる債務者に代わって債務を履行するであるところから、主たる債務が弁済等により消滅すれば保証債務も当然に消滅します。
よって、この設問は誤りです。
1.誤っている。
保証債務には、主債務に生じた事由は保証債務にも影響する付従性があります。
そこで、AとBの間で契約が合意更新されると、
C保証債務は、更新後の賃料債務についても及びます。
2.正しい。
民法447条では、
「保証債務は、主たる債務に関する利息、
違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。」
と規定しています。
そこで、Bが返還しないことによって、Aが被った損害も、Cの保証の範囲となります。
3.誤っている。
民法第452条では、
「債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。」
と保証人の催告の抗弁権を、
規定しています。
しかし、連帯保証の場合には、次の第454条で、
「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前2条の権利を有しない。」
と否定しています。
4.誤っている。
選択肢1で説明した付従性により、主債務が時効により消滅した場合、
Cの保証債務も消滅します。
以上から、正解は2です。
この問題は、賃貸借契約と保証契約に関する民法の規定と判例を理解しているかを問うものです。
具体的には、Aが所有するマンションをBに賃貸し、CがBの保証人となった場合の各種シチュエーションにおいて、保証人Cの責任範囲や権利について問われています。
誤り
解説:賃貸借契約が合意更新された場合、保証人は新たな契約期間について保証する意思表示をしない限り、更新後の債務について保証する責任を負わないとされています。
これは、保証契約が元の賃貸借契約に基づいているため、契約が更新されると新たな契約とみなされ、保証人はその債務について保証する責任を負わないと解されるからです。
正しい
解説:保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを含みます。
したがって、未納賃料だけでなく、賃借人が物件を返還しないことによって発生する損害についても保証責任を負うことになります。
誤り
解説:連帯保証人は、債務者に対する催告を受けることなく、直接債権者に対して履行をする義務を負います。
したがって、CはAに対して、まずBに対して履行の催告をするように請求することはできません。
誤り
解説:債務が時効により消滅した場合、保証人もその保証債務から解放されます。
ただし、保証人が債務の存在を承認した場合、時効の中断が起こり、保証人は再び保証債務を負うことになります。
しかし、この選択肢の文言は「Cは保証債務を免れない」となっており、時効消滅後の承認が時効を中断するかのような誤解を招く表現となっているため、誤りです。
この問題を解く際には、賃貸借契約と保証契約に関する民法の規定と判例を正確に理解し、それを基にして各選択肢の記述が正しいかどうかを判断する必要があります。
特に、契約更新や契約解除、時効消滅など、異なる状況下での保証人の責任範囲や権利を正確に把握することが重要です。
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