マンション管理士の過去問
令和2年度(2020年)
問37
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問題
マンション管理士試験 令和2年度(2020年) 問37 (訂正依頼・報告はこちら)
マンションの建物の防水に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
- メンブレン防水の調査・診断では、竣工図で、防水材料、工法、納まりを確認し、漏水箇所の有無及び防水材料の劣化状況等の調査結果と照合して、漏水の原因や今後の耐久性を推定する。
- 室内への漏水は、屋根周辺からだけでなく、外壁やサッシまわりからの漏水の場合もある。
- シーリング材の劣化症状であるチョーキングとは、シーリング材が収縮し、くびれる現象をいう。
- シーリングの早期の剥離や破断の原因には、当初施工時のプライマー不良やシーリング厚さ不足等の施工不良がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は 3 です。
1 メンブレン防水の調査・診断の方法は、竣工図で、防水材料、工法、納まりを確認し、漏水箇所の有無及び防水材料の劣化状況等の調査結果と照合して、漏水の原因や今後の耐久性を推定するものであり、適切です。
2 室内への漏水は、屋根防水層の周りからだけでなく、外壁やサッシ回りからの漏水の場合があり、結露による可能性もあるので、適切です。
3 チョーキング(白亜化)とは、塗装面やコンクリートやシーリング材の表面塗膜に粉末が生じる劣化現象であり、シーリング材の収縮やくびれとしている本肢は、適切ではありません。
4 早期にシーリング材が剥離や破断する原因として、施工不良(プライマー不備、シーリング厚さ不備等)が考えらるので、適切です。
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02
3.が答えになります。
≪詳細解説≫
防水等に関する問題です。マンション管理士試験における法令等以外の実務的分野については、過去問で出題される問題を解答でき、各自でお手持ちの参考書等を理解できるレベルで良いと思います。また、一般常識で解答できる場合もあります。深入りはおすすめしません。
前提として、防水工事には、(1)不透水性の被膜を作ることで、一面を覆う防水方法であるメンブレン防水と、(2)目地にシーリング材を充填すること等により、部材間の隙間等の水密性や気密性を高めるシーリング防水に大きく分けられます。
ざっくりゴロでイメージすると、メンブレン防水は「面ぶれん」、シーリング防水は「シールを線状に貼る」という感じです。イメージから、明らかに不適切なものを導ける場合もあります。
1.適切
設問のとおりです。
2.適切
設問のとおりです。
3.不適切
チョーキング現象とは、白亜化現象をいい、塗料の中の顔料が分離して粉状になる劣化現象です。黒板のチョークをイメージすると良いと思います。
「シーリング材が収縮し、くびれる現象」という部分が適切ではありません。
4.適切
設問のとおりです。
ちなみに、プライマーとは、最初のという意味のprimaryを語源とする下塗り塗料をいいます。
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03
この問題は、マンションの建物の防水に関する知識を問うものです。
各選択肢には、防水に関する技術や材料、施工方法などの記述があり、その中で適切でない記述を選ぶ必要があります。
適切
解説:メンブレン防水の調査・診断では、竣工図を参照して防水材料や工法、納まりを確認します。
さらに、漏水箇所や防水材料の劣化状況を調査し、これらの情報を照合して、漏水の原因や将来の耐久性を推定します。
適切
解説:室内への漏水は、屋根だけでなく、外壁や窓周辺からも起こる可能性があります。
これは、建物の構造や材料、施工方法によって異なるため、複数の箇所からの漏水を考慮する必要があります。
不適切
解説:チョーキングは、シーリング材が酸化や紫外線の影響で表面が粉状になる現象を指します。
シーリング材が収縮してくびれる現象は「チョーキング」とは言いません。
適切
解説:シーリングの早期の剥離や破断の原因として、施工不良が考えられます。
特に、プライマーの不適切な使用やシーリングの厚さが不足している場合、シーリングの性能が十分に発揮されず、問題が発生する可能性があります。
この問題を解く際には、マンションの建物の防水に関する基本的な知識や用語の理解が必要です。
各選択肢の記述を読む際に、その内容が技術的に正確であるか、実際の施工や診断の現場での常識に合致しているかを判断することが重要です。
また、特定の用語や現象に関する正確な定義や特性を知っていることで、適切でない記述を見つけることができます。
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