以下が、適切なものになります。
ア 基本的な方針では、管理規約や使用細則に違反する行為があった場合は、管理組合は、法令等に則り、少額訴訟等の方法によってその是正又は排除を求め法的措置をとることが重要であるとされている。
エ 基本的な方針では、長期修繕計画の作成にあたっては、あらかじめ建物診断を行って計画を適切なものとする必要があるが、必要に応じ、建替えについても視野に入れて検討することが望ましいとされている。
≪詳細解説≫
マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針に関する出題です。
ア 基本的な方針では、管理規約や使用細則に違反する行為があった場合は、管理組合は、法令等に則り、少額訴訟等の方法によってその是正又は排除を求め法的措置をとることが重要であるとされている。
マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針三2(2)により、「管理規約として、管理規約は、マンション管理の最高自治規範であることから、管理組合として管理規約を作成 する必要がある。その作成にあたっては、管理組合は、建物の区分所有等に関する法律に則り、マンション標準管理規約を参考として、当該マンションの実態及びマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じてその改正を行うこと、これらを十分周知することが重要である。さらに、快適な居住環境を目指し、マンションの区分所有者等間のトラブルを未然に防止するために、使用細則等マンションの実態に即した具体的な住まい方のルールを定めておくことも重要である。 また、管理費等の滞納など管理規約又は使用細則等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行うとともに、法令等に則り、少額訴訟等その是正又は排除を求める法的措置をとることが重要である。」とされるので、適切です。
イ 基本的な方針では、管理組合によるマンション管理の適正化について定められており、新築分譲マンションについての記載はない。
マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針七2により、「管理計画認定制度の適切な運用として、管理計画認定制度の活用によって、マンションの管理水準の維持向上と管理状況が市場において 評価される環境整備が図られることが期待されることから、同制度を運用する地方公共団体においては、その積極的な周知を図るなど適切に運用していくことが重要である。 また、国においては、既存マンションが対象となる管理計画認定制度に加え、マンションの適切な管理を担保するためには分譲時点から適切な管理を確保することが重要であることから、新築分譲マンションを対象とした管理計画を予備的に認定する仕組みについても、マンション管理適正化推進センターと連携しながら、必要な施策を講じていく必要がある。なお、地方公共団体は、指定認定事務支援法人に、認定に係る調査に関する事務を委託することも可能であり、必要に応じてこれを活用するとともに、指定認定事務支援法人は個人情報等も扱う可能性があることや利益相反も想定されることに鑑み、委託する際は適切に監督を行う必要がある。」とされます。
つまり、 「基本的な方針では、管理組合によるマンション管理の適正化について定められており、新築分譲マンションについての記載はない。」ということでないので、適切ではありません。
ウ 基本的な方針では、住生活基本計画(全国計画)において25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金を設定している管理組合の割合を国における目標として掲げている旨が記載されているが、地方公共団体における目標設定については言及していない。
マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針二により、「マンションの管理の適正化に関する目標の設定に関する事項として、マンションの適切な管理のためには、適切な長期修繕計画の作成や計画的な修繕積立金の積立が必要となることから、国においては、住生活基本法に基づく住生活基本計画(全国計画)において、25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金を設定している管理組合の割合を目標として掲げている。 地方公共団体においては、国が掲げる目標を参考にしつつ、マンションの管理の適正化のために管理組合が留意すべき事項も考慮し、区域内のマンションの状況を把握し、地域の実情に応じた適切な目標を設定することが望ましい。」とされます。
つまり、「基本的な方針では、住生活基本計画(全国計画)において25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金を設定している管理組合の割合を国における目標として掲げている旨が記載されているが、地方公共団体における目標設定については言及していない。」ということでないので、適切ではありません。
エ 基本的な方針では、長期修繕計画の作成にあたっては、あらかじめ建物診断を行って計画を適切なものとする必要があるが、必要に応じ、建替えについても視野に入れて検討することが望ましいとされている。
マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針三2(5)により、「長期修繕計画の作成及び見直し等として、マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値の維持向上を図るためには、適時適切な維持修繕を行うことが重要である。特に、経年による劣化に対応するため、あらかじめ長期修繕計画を作成し、必要な修繕積立金を積み立てておく必要がある。長期修繕計画の作成及び見直しにあたっては、長期修繕計画作成ガイドラインを参考に、必要に応じ、マンション管理士等専門的知識を有する者の意見を求め、また、あらかじめ建物診断等を行って、その計画を適切なものとするよう配慮する必要がある。長期修繕計画の実効性を確保するためには、修繕内容、資金計画を適正かつ明確に定め、それらをマンションの区分所有者等に十分周知させることが必要である。 管理組合の管理者等は、維持修繕を円滑かつ適切に実施するため、設計に関する図書等を保管することが重要である。また、この図書等について、マンションの区分所有者等の求めに応じ、適時閲覧できるようにすることが重要である。 なお、建設後相当の期間が経過したマンションにおいては、長期修繕計画の検討を行う際には、必要に応じ、建替え等についても視野に入れて検討することが望ましい。建替え等の検討にあたっては、その過程をマンションの区分所有者等に周知させるなど透明性に配慮しつつ、各区分所有者等の意向を十分把握し、合意形成を図りながら進める必要がある。」とされるので、適切です。