マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問39

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

マンションの外壁の断熱性能等に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
  • 熱伝導とは、壁の内部で一方の表面から他の表面へ、材料中を熱が移動することをいう。
  • 熱伝達とは、空気から壁の表面へ、又は壁の表面から空気へ熱が伝わることである。
  • 外壁に使用する断熱材の厚さと熱伝導率が同じであれば、外断熱か内断熱かにかかわらず、外壁の熱貫流率は等しくなる。
  • 外壁の室内側に生じる表面結露は、防湿層を設けることにより防ぐことができる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

2025年4月より、省エネ基準適合化に関する法改正があるため、非常にホットな論点です。

選択肢1. 熱伝導とは、壁の内部で一方の表面から他の表面へ、材料中を熱が移動することをいう。

適切。たとえば、鍋やフライパンの宣伝文句として使われるように、同じ物体の中で「熱を伝え導く」というニュアンスがあります。

本肢で言えば、壁の内部にある材料などの固体が「熱を伝え導く」ということです。

選択肢2. 熱伝達とは、空気から壁の表面へ、又は壁の表面から空気へ熱が伝わることである。

適切。固体間を行き来すればよかった熱伝に比べると、「達成」「到達」のように熱伝は伝わるのが難しいニュアンスがあります。

このように、熱伝導とは異なり、気体から固体へ、または固体から気体へ、異なる固体間に「熱を伝えて達する」ということです。

選択肢3. 外壁に使用する断熱材の厚さと熱伝導率が同じであれば、外断熱か内断熱かにかかわらず、外壁の熱貫流率は等しくなる。

適切。断熱材を外壁の外側につけようが内側につけようが熱貫流率は変わらないので、本肢は適切です。

ただし、それぞれ一長一短はあるので注意しましょう。

 

【ポイント】

・熱貫流=熱伝導+熱伝達

→いずれも値が小さいほど断熱性能が高い

 

・内断熱:外壁躯体の内側に断熱材を作る

●躯体そのものは外気温にさらされているため、冬季はバルコニー→外壁→床スラブの熱橋(ヒートブリッジ)を通じて冷やされ、結露が生じやすくなる

○施工が容易

○コストが低い

 

・外断熱:外壁躯体の外側に断熱材を作る

○バルコニー等を断熱材で遮るので、冬季でも結露が生じにくくなる

●大掛かりな施工が必要になる

●コストが高い

選択肢4. 外壁の室内側に生じる表面結露は、防湿層を設けることにより防ぐことができる。

不適切。外壁の室内側に生じる表面結露は、防湿層を設けることにより「断熱材内部に水が侵入するのを」防ぐことができます。

したがって、表面結露そのものを防ぐことはできないため、本肢は不適切です。

 

【表面結露を防ぐ方法】

(1)輻射熱:電磁波で熱を直接物体へ送れば、空気中に水蒸気が溶け込むのを抑えることができるため。ex)床暖房

(2)換気:水蒸気を大量に含んだ空気でも、室外に放出すれば結露の原因がなくなるため。

(3)外断熱:別肢参照。

まとめ

聞きなじみのない単語が多く出ますが、知っている言葉と結びつけて覚えましょう。

また、日常で結露を見つけたら本問の内容を思い出すと、いい復習になります。

参考になった数3