調理師の過去問
令和元年度
公衆衛生学 問6

正解は１です。

我が国の四大公害病は
水俣病（メチル水銀）イタイイタイ病（カドミウム）
四日市ぜんそく（二酸化硫黄）新潟水俣病（メチル水銀）です。（カッコ内は原因物質です）

１：水俣病はメチル水銀による工場排水が発生源の
「水質汚染」が原因です。手足の不自由や、言語障害などの症状が出ます。⇒よって正解です。

２：PM2.5は四大公害病ではありません。大気中に浮遊している直径2.5㎛以下の微小粒子物質です。呼吸器系に影響を与える以外に、鼻水や目のかゆみを起こともあります。

３：二酸化硫黄は四日市ぜんそくの原因物質です。
無色で刺激臭があります。気管支ぜんそく、慢性気管支炎の症状が出ます。

４：一酸化炭素は、家庭用の燃料用ガスや、自動車の排ガスなどの不完全燃焼が主な発生源です。
頭痛・めまい・悪心・吐き気などをともなう猛毒の気体です。

正解は１です。

1～4には、公害の原因物質のうち「水質汚染」「大気汚染」を起こすものが出ています。その中には、四大公害病ではないものも含まれています。

四大公害病に関する問題は出題されやすいので、四大公害病、公害の原因物質は覚えておきたいです。

【四大公害病】
公害が人体に害を及ぼす病気を公害病といい、最も被害の大きい4つの公害病は、まとめて「四大公害病」と呼ばれます。

水俣病：メチル水銀（水質汚染）
イタイイタイ病：カドミウム（水質汚染）
四日市ぜんそく：二酸化硫黄（大気汚染）
新潟水俣病：メチル水銀（水質汚染）


各選択肢については、以下のとおりです。

1 .水俣病はメチル水銀の水質汚染によって起こった公害病なので、正解です。

工場から海へ「メチル水銀」を含んだ排水を流したため水質汚染が起こり、メチル水銀を含む魚介を食べた人が発症しました。熊本県水俣町で起きたので水俣病と呼ばれています。

2.PM 2.5 は粒子の細かい大気汚染物質ですが、四大公害病の原因物質ではないため、誤りです。

3 .二酸化硫黄は四大公害病「四日市ぜんそく」の原因物質ですが、大気汚染物質なので誤りです。

4 .一酸化炭素は大気汚染物質なのですが、四大公害病の原因物質ではないため、誤りです。

正解は1です。

1．メチル水銀は、四大公害病の一つである水俣病の原因物質です。
メチル水銀に汚染された水が工場より流れ、海洋生物を汚染し、人が摂取することで発症します。

2．PM2.5は四大公害病の原因物質には当たりません。
直径2.5㎛以下の超微小粒子の総称で、工場や自動車からの排気等によるものや火山、土壌など自然に由来するものがあります。
超微小粒子のため体内に入り込み、気管支への影響や目のかゆみなどが表れます。

3．二酸化硫黄は四大公害病の一つである四日市ぜんそくの原因物質です。
工場などによる大気汚染が原因で、喘息様症状が現れます。

4．一酸化炭素は四大公害病の原因物質には当たりません。
主にガスなどの不完全燃焼が原因で発生し、頭痛、吐き気、しびれから重度になると意識障害が表れます。