中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
財務・会計 問17

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 平成28年度(2016年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

企業買収に関する略語の説明として最も適切なものはどれか。
  • KPIとは、同業他社の株価を参照することを通じて買収価格を決定したうえで、経営権の取得等を行うことである。
  • LBOとは、従業員が資金を出し合って、経営権の取得等を行うことである。
  • MBOとは、金融機関が自身の資金によって経営権の取得等を行うことである。
  • TOBとは、不特定多数の者に対し、証券市場以外の場における株券の買付け等の勧誘を通じて経営権の取得等を行うことである。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「TOBとは、不特定多数の者に対し、証券市場以外の場における株券の買付け等の勧誘を通じて経営権の取得等を行うことである。」です。

【基礎知識】

企業買収の問題です。語句の知識で回答できますが、財務・会計や事業譲渡(中小企業経営)の観点からも重要なテーマですので各語句の違いを含めて確認してください。

〇企業買収→(株式会社を前提とすると)支配するまで株式保有比率を上げていくこと

・買収の事前合意あり:友好的買収

・事前合意なし:敵対的買収

〇株式の保有比率と支配力

持ち株比率(超) 権利

100% 完全支配

66.7% 特別決議の可決

50% 普通決議の可決

33.4% 特別決議の否決

3% 株主総会の招集請求権、会計帳簿の閲覧及び謄写請求権

1% 取締役会設置会社における株主総会の議案請求権

〇株式の購入方法

・友好的買収 → MBO(Management Buy Out):経営陣で株式を買い取る

・敵対的買収 → TOB(Take Over Bid):株式公開市場から買い付け(利益目的の投資家から市場を通じて購入)

☆プラスα 

中小企業はそもそも上場企業が少ないことから、敵対的買収を仕掛けられるケースは限られます。

しかし、敵対的買収を仕掛けられたときに以下のような防衛策を講じて買収を防ぎます。

〇買収防衛策

・ポイズンピル:企業の合意なしに一定比率の株式が保有されると、既存株主に一定の株式が発行され、買収企業の持ち株比率が下がる取り決め。

・ゴールデンパラシュート:事前に経営陣の退職金を巨額にする防衛策。

・ホワイトナイト:友好的な第三者に助けを求める。

・クラウンジュエル:買収されそうになると、魅力的な事業を売却して魅力をなくす。

・MBO:経営陣で株式を保有することで、敵対的買収の際の防衛策にもなる。

選択肢1. KPIとは、同業他社の株価を参照することを通じて買収価格を決定したうえで、経営権の取得等を行うことである。

誤り。KPIとはKey Paformance Indexの略で、企業運営において重要な管理指標のことを言います。企業買収とは関係ありません。

選択肢2. LBOとは、従業員が資金を出し合って、経営権の取得等を行うことである。

誤り。LBOはLeveraged Buy Outの略。Leverageとはてこのことで、買収先の企業の資産等を担保に資金を調達して買収を行う手法になります。

選択肢3. MBOとは、金融機関が自身の資金によって経営権の取得等を行うことである。

誤り。EBOのことです。Employee Buy Outで従業員が企業を買収することを言います。MBOは経営陣による企業の買収です。

選択肢4. TOBとは、不特定多数の者に対し、証券市場以外の場における株券の買付け等の勧誘を通じて経営権の取得等を行うことである。

正しい。敵対的買収の方法です。

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02

1のKPIは、Key Performance Indicatorの略で、各種の取り組みに対する目標となる指標の意味です。
2のLBOは、Leveraged Buy Outの略で、M&Aで、買収企業が売却側の資産を担保に買収資金を借り入れることです。
3のMBOは、Management Buy Outの略で、企業の経営陣が出資して経営権を取得することです。
4のTOBは、正しいです。

よって、4.が正解です。

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