中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
財務・会計 問19
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 平成28年度(2016年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
加重平均資本コスト(WACC)の計算手順に関する次の記述について、下記の設問に答えよ。
加重平均資本コストは、株主資本(自己資本)コストと他人資本コストを、その( A )に応じて加重平均することで求められる。加重平均に用いるのは、理論的にはそれぞれの( B )である。
また、他人資本コストには( C )を考慮する必要がある。具体的には、他人資本コストに( D )を乗じることで、( C )を考慮した他人資本コストを求める。
記述中の空欄CおよびDにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
加重平均資本コストは、株主資本(自己資本)コストと他人資本コストを、その( A )に応じて加重平均することで求められる。加重平均に用いるのは、理論的にはそれぞれの( B )である。
また、他人資本コストには( C )を考慮する必要がある。具体的には、他人資本コストに( D )を乗じることで、( C )を考慮した他人資本コストを求める。
記述中の空欄CおよびDにあてはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
- C:節税効果 D:1−限界税率
- C:節税効果 D:限界税率
- C:レバレッジ効果 D:1−限界税率
- C:レバレッジ効果 D:1+限界税率
- C:レバレッジ効果 D:限界税率
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は「C:節税効果 D:1−限界税率」です。
【基礎知識】
〇加重平均資本コストとは?
負債と資本の資金調達コストを加重平均したものを加重平均資本コスト(WACC)といい、以下の式で求められます。
(負債総額:D、資本の時価総額:E、rD:負債コスト(利子)、rE:株主資本コスト(期待収益率)、T:税率)
WACC = D/(D+E) × rD(1-T) + E/(D+E) × rE
各資本コストを資本構成の比率で加重平均して求めています。
この時使われる数値は、簿価ベースではなく、時価の数値を用います(昔の比率で考えても、今の資本コストを考えることができません)。
※参考:資本コスト(なぜ自己資本にもコストがかかる??)
株式会社では株主のものであり、株主はそれぞれ資金を投じて、一定の収益を期待しています。この期待収益を下回ってしまうと、資金が引き上げられる恐れがあります。
よって、この期待収益に応え続ける必要があります。
このとき、資金を投資している人の期待収益率が資本コスト、必ず配当等で実現していく必要のあるコストになります。
〇節税効果とは?
株主への配当金→税引き後利益
負債の利子支払い → 経費 → 税金がかからない
よって、自己資本コストとDの負債コストを比較する際に、税金による効果を考慮する必要があります。
売上-費用=税引き前利益①
この利益①に法人税(T)がかかります。よって、
税引き前利益① × T ・・・ 1
が税金となります。
借入金の場合は負債コスト(=利子)を支払うことになり、税引き前利益が変わってきます。
売上-(費用+負債コスト)=税引き前利益①-負債コスト になります。
よって税金は
(税引き前利益①-負債コスト) × T ・・・2
となります。
1式から2式を引くと、負債コスト×(1-T)となります。
つまり、この分、借入金等の利子(負債コスト)を支払うと節税効果が得られることがわかります。
株主が求める期待収益率は銀行の負債コストより高いケースが多く、負債の節税効果も考えると負債で資金調達した方が資本コストは安くなります。
ただ、負債が多すぎると逆に企業の健全性が低下し、買収の恐れや借入金の金利の上昇などを引き起こします。
よって最適なバランスで資本を構成していく必要があります。
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02
Cは、「節税効果」が該当します。
Dは、「1ー限界税率」が該当します。
よって、1.が正解です。
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