中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
中小企業経営・中小企業政策 問2
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 平成28年度(2016年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
中小企業が抱える大きな課題として、大企業との収益力の格差があげられる。財務省「法人企業統計調査年報」に基づき、1980年度から2013年度の期間について、企業規模別に売上高経常利益率の推移を全産業で見た場合、大企業の売上高経常利益率は中小企業を上回っており、すう勢的に見てその差は2000年代に拡大する傾向にある。
売上高経常利益率同様、1980年度から2013年度の期間について、企業規模別に売上高固定費比率と売上高変動費比率の推移を全産業で見ると、おおむね中小企業の売上高固定費比率は大企業よりも( A )水準にあり、売上高変動費比率は大企業よりも( B )水準にある。中小企業と大企業の収益力格差を解消するためには、こうした中小企業の費用構造を理解して取り組むことも重要である。
なお、ここでは大企業は資本金1億円以上の企業、中小企業は資本金1億円未満の企業とする。
文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
中小企業が抱える大きな課題として、大企業との収益力の格差があげられる。財務省「法人企業統計調査年報」に基づき、1980年度から2013年度の期間について、企業規模別に売上高経常利益率の推移を全産業で見た場合、大企業の売上高経常利益率は中小企業を上回っており、すう勢的に見てその差は2000年代に拡大する傾向にある。
売上高経常利益率同様、1980年度から2013年度の期間について、企業規模別に売上高固定費比率と売上高変動費比率の推移を全産業で見ると、おおむね中小企業の売上高固定費比率は大企業よりも( A )水準にあり、売上高変動費比率は大企業よりも( B )水準にある。中小企業と大企業の収益力格差を解消するためには、こうした中小企業の費用構造を理解して取り組むことも重要である。
なお、ここでは大企業は資本金1億円以上の企業、中小企業は資本金1億円未満の企業とする。
文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- A:高い B:高い
- A:高い B:低い
- A:低い B:高い
- A:低い B:低い
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この過去問の解説 (2件)
01
一方で、中小企業の売上高変動費比率は大企業に比べ低い水準にあります。1990年代後半以降、中小企業、大企業ともに売上高変動費比率は低下していますが、大企業に比べ中小企業の低下の度合いは高い傾向にあります。
したがって、正答は2となります。
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02
中小企業の売上高固定費比率と売上高変動費比率の推移(大企業との比較)についての問題です。
空欄Aがイメージし易いので、ここで2択に絞り込みたいところですが、費用は固定費と変動費から構成されているので、売上高固定費比率(空欄A)が高いのであれば、売上高変動費比率(空欄B)は低くなります。逆であれば、Aが低くBは高くなります。
「比率」とあるので、パーセンテージです。Aが60%ならBは40%、Aが30%ならBは70%です。
つまり、どちらも「高い」「低い」はあり得ないのです。これだけでも2択に絞り込めます。
ちなみに、売上高固定費比率と売上高変動費比率が丁度50%ずつが正しいという仮説を置くと、本問の選択肢に「同じ」という文言があるはずです(が、ありません)。従って、どちらか一方が必ず高く、もう一方は必ず低いのです。
結論としては、「A:高い B:低い」の組み合わせが正解の選択肢となりますが、本試験では比較的正答率が低かったようです。
お小言めいた言い方で恐縮ですが、中小企業診断士の試験を受ける人達は費用の構成要素(費用=固定費+変動費)を当然知っているはずなので、本来は殆どの受験生が正解して然るべき問題です。ここが弱いと、財務会計でも得点は伸ばせません。
Bが誤りです。
正解の選択肢となります。
いずれも誤り(AとBが逆)です。
Aが誤りです。
【補足】
本問と直接関係ありませんが、実務上、この課題への対策としては「固変分解」を行った上で「固定費を変動費化」していくことが挙げられます。例えば家賃や水道光熱費の契約を見直す等、削減可能なコストがどこにあるかを特定し、毎月固定的に支払っていた費用を隔月のスポット的費用にしたりしてキャッシュアウト(出費)を減らすことを検討します。
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