中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問1

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の2つの図は、2000年以降の日本経済について、左図は賃金と労働生産性の推移、右図は労働分配率と営業利益の推移を示している。図中のa〜dに該当するものの組み合わせとして、最も適切なものを下記から選べ。ただし、a、b、cは2000年の水準を100とした指数である。
問題文の画像
  • a:賃金     b:労働生産性  C:営業利益   d:労働分配率
  • a:賃金     b:労働生産性  C:労働分配率  d:営業利益
  • a:労働生産性  b:賃金     C:営業利益   d:労働分配率
  • a:労働生産性  b:賃金     C:労働分配率  d:営業利益

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は3です。

問題の図において最も特徴的なものは、2009年ごろのcの急降下です。この頃はリーマンショックの時期であるため、営業利益が減少したものと考えられます。

そのため、cは営業利益であることがわかります。よってdは労働分配率です。

引き続き右図を見ていきます。2003年~2007年ごろの営業利益は上昇傾向にあります。一方で労働分配率を見てみると減少傾向にあります。また、営業利益が減少したリーマンショック時期は労働分配率が上がっています。これは、営業利益の増減に合わせて人件費(賃金)が増減していない、つまり、賃金が変化していない(横ばいである)ことが考えられます。

左図を見てみると、bは2003年ごろから2015年まであまり変化していません。よって、bは賃金です。

右図の営業利益が2012年ごろから上昇しています。それに合わせて左図のaも2012年ごろから上昇を続けています。

人件費が抑えられている中で営業利益が上がっているため、労働生産性が上昇したと考えられます。つまり、aは労働生産性です。

各選択肢の解説は次の通りです。

1→左図のa、bが誤りです。正しくは、aが労働生産性、bが賃金です。

2→右図、左図とも誤りです。解説は上記のとおりです。

4→右図が誤りです。上記解説以外の解法としては、問題文よりcが2000年の水準を100とした指数で記載されているところに着目します。つまり、右図において、%で示されているのはdであることがわかります。営業利益と労働分配率、という選択肢で見たときに%で表せるのは労働分配率です。つまり、dが労働分配率であることがわかります。

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02

2000年以降の日本経済に関する問題です。

まず、aとbの賃金と労働生産性の推移をみていきます。

東日本大震災に見舞われた2011年を境に、特にaが上昇していますこれは東日本大震災の影響で操業時間が短縮せざるを得なくなったことと、長時間労働が問題視させるようになったため労働時間が短縮されて労働生産性が上昇したと考えられます。

bも多少は上昇していますが、景気悪化の影響を受けて賃金が上昇できず東日本大震災前の水準には戻っていないことが表されています。

次に、cとdの営業分配率と営業利益の推移をみていきます。

2009年のリーマンショックの影響により、cは急激に低下、dは急激に上昇しています。

リーマンショックにより営業利益が低下したため、cは急激に低下しています。

dはリーマンショックまでは低下して、2009年に急激に上昇して、その後また低下しています。営業利益はその時期の景気等によって増減しますが、人件費は変わっていないため労働分配率はそのような動きをしていると考えられます

正しい選択肢は a:労働生産性 b:賃金 c:営業利益 d:労働分配率 です。

選択肢1. a:賃金     b:労働生産性  C:営業利益   d:労働分配率
  • aとbが誤っているため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. a:賃金     b:労働生産性  C:労働分配率  d:営業利益
  • すべての選択肢が誤っているため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. a:労働生産性  b:賃金     C:営業利益   d:労働分配率
  • 本選択肢が正解です。

選択肢4. a:労働生産性  b:賃金     C:労働分配率  d:営業利益
  • cとdが誤っているため、本選択肢は不正解です。

まとめ

本問は時事問題であり今後同様の問題が出題される可能性は、他の問題と比較すると低いため学習する必要性も低いと考えられます。

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