中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
運営管理 問38

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成30年度(2018年) 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

チェーン小売業の物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 3PL(Third Party Logistics)事業者は、倉庫や車両などの施設や設備を自ら所有しなければ、荷主に対してサービスを提供することができない。
  • デジタルピッキングは、人の手を介さずにピッキング作業を自動化する装置である。
  • ピッキング作業は、ピッキングする商品品目数がオーダー数より多い場合は摘み取り方式で、少ない場合は種まき方式で行うのが一般的である。
  • マテハン機器のうち、ソーターは保管用の機器であり、フローラックは仕分用の機器である。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は3です。

物流センターの運営に関する記述です。ピッキングの種類(種まき方式、摘み取り方式)と違いの正確な知識がポイントです。

1→3PLとは会社の物流を外部に委託する企業戦略のことです。これは倉庫や車両などの施設や設備を自ら所有しないものもあり、ノンアセット型といいます。

2→デジタルピッキングは棚に表示されたものを人間がピックアップする補助のシステムです。テレビ等で見かける全自動のシステムとひっかけた選択肢です。

3→適切です。
摘み取り方式はオーダー(発注者ごと)に品物を集めていくやり方です。
種まき方式は一旦集めた品物をオーダー(発注者ごと)に蒔いていくやり方で、ピックアップというより配るイメージです。
商品品数が10でオーダーが1であれば、オーダーが入れば摘み取り方式で集めれば済みます。品数が1でオーダーが10であれば一度集めておいてオーダー先ごとに蒔いた方が効率的です。

4→ソーターは仕分けをする機器です。フローラックは保管用の機器のことです。

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02

【基礎知識】

物流センターには大きく2つのタイプがあります。1つは在庫を抱える在庫型物流センター(DC)、もう一つは在庫を抱えない通過型物流センター(TC)です。

① 在庫型物流センター(DC:ディストリビューションセンター):店舗からの発注に対し、抱えている在庫からピッキングして配送する。在庫を抱えるスペースが必要。

・流通加工・在庫型物流センター(PDC):在庫型物流センターで鮮魚や精肉の加工を行ったり、部品の組み立てを行う物流センター。労働力や設備が必要。

② 通過型物流センター(TC:トランスファーセンター):店舗からの注文に対し、ベンダーに発注をして必要な商品を組み合わせて店舗に配送する。在庫がないが、受発注の情報を迅速に取り扱っていく必要があるため、情報システム等で制御している。

誰が仕分けするかでベンダー仕分け型、センター仕分け型に分かれる。

・ベンダー仕分け型:ベンダーが例えば店舗A用の商品A、店舗B用の商品Aと分けて物流センターに納品する。物流センターでは店舗A用の商品、店舗B用の商品を載せて配送する。

・センター仕分け型:商品送料をベンダーに注文し、物流センターでピッキングして配送する。

・クロスドッキング:TCの一つの手法。ベンダーからの納品物を開墾せずに物流センターでケース単位で仕分けてトラックに載せて配送する。

ピッキングの方式も大きく2つのタイプがあります。

① トータルピッキング方式(種まき方式)

・届いた商品を一括でピッキングし、配送先ごとに仕分ける方式。

・一括でピッキングするため、作業員の移動距離が短い反面、熟練が必要。

・少品種多量に向く

② シングルピッキング方式(摘み取り方式)

・出荷オーダーごとに保管場所からピッキングする。

・基本的な作業内容のため、精度が高い反面、移動距離が長くなる。

・多品種少量に向く

出題されている語句の確認をします。

デジタルピッキングとは、保管棚の表示板にどれをピッキングするか表示されてそれを作業者がピッキングしていきます。熟練が必要ない仕組みです。

3PL(サードパーティーロジスティクス:Third Party Logistics)とは、物流部分を第三者に委託するアウトソースのことです。第三者である企業が物流戦略の企画立案や物流システムの構築について提案を行い、包括的に受託して実行することをいいます。これには第三者が資産(アセット)を保有して行うアセット型とノウハウだけを提供するノンアセット型があります。

マテハン機器とは、運搬や荷役作業といった物流業務を効率化するために用いられる作業機械のことをいいます。

ソーター:物品を、品種別、発送方面別、など所定の場所に仕分する機械。短時間に大量の仕分けを正確に実施できる。ベルトコンベアなどで自動で仕分けする仕組みなど。

フローラック:傾斜している保管棚。先入れ先出しに便利で、入出庫の時間を短縮することが可能。コンビニの冷蔵庫のドリンクなど。

選択肢1. 3PL(Third Party Logistics)事業者は、倉庫や車両などの施設や設備を自ら所有しなければ、荷主に対してサービスを提供することができない。

ノンアセット型もあります。誤り。

選択肢2. デジタルピッキングは、人の手を介さずにピッキング作業を自動化する装置である。

表示板に応じて人がピッキングしていくシステムです。誤り。

選択肢3. ピッキング作業は、ピッキングする商品品目数がオーダー数より多い場合は摘み取り方式で、少ない場合は種まき方式で行うのが一般的である。

品種数が多くなると、一気にピッキングすることが困難になり、摘み取り方式になります。正しい。

選択肢4. マテハン機器のうち、ソーターは保管用の機器であり、フローラックは仕分用の機器である。

ソーターが仕分け用、フローラックが保管用であり、誤り。

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