中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経営法務 問21
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成30年度(2018年) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
相殺に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はないものとする。
- 時効によって消滅した自働債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていたとしても、相殺の意思表示をしたのが時効消滅後である場合は、相殺することはできない。
- 相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。
- 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合で、受働債権が弁済期にあれば、自働債権の弁済期が到来しなくても、相殺することができる。
- 不法行為から生じた債権を自働債権として相殺することはできない。
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この過去問の解説 (2件)
01
相殺に関する問題です。
各選択肢については、以下の通りです。
1→消滅以前に相殺に適するようになっていた自働債権は相殺することができます。
2→適切です。相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生じます。
3→互いの債権の弁済期が到来していることが相殺の条件です。自働債権の弁済期が到来していないので相殺できません。
4→不法行為から(損害賠償など)の自働債権を相殺することは認められます。
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02
自働債権→申し込む方の債権、受働債権→申し込まれる方の債権、です。相殺適状の要件で、この2つの債権の弁済期が到来しているかどうかがポイントになります。
相殺の意思表示をしたのが時効消滅後であっても、相殺することができます。
正解の選択肢となります。
「双方の債務が互いに相殺に適するようになった時」を相殺適状といいます。
相殺するためには、受働債権と自働債権の両方の債券が弁済期に到来していることが必要になります。
自働債権が弁済期にあれば、受働債権の弁済期が到来しなくても相殺することはできます。
正解の選択肢として違和感がないところが、本問の難易度を高くしている原因です。
最も適切と思われる選択肢が他にあるため、選択肢間の比較で本選択肢は不適切となります。
「不法行為から生じた債権」は、賠償金をイメージすると分かりやすいです。
何らかの理由により貴方が被害者となり、賠償金を受け取る権利を有しているとします。
貴方が別件で借金を抱えていたとして、その借金の返済に賠償金を充てる(自働債権)ことができます。
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