中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
企業経営理論 問5

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和元年度(2019年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

戦略的提携に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 戦略的提携では、大学や政府機関が参加することはないが、同一の業種で競争関係にある企業間よりも異業種の企業間での提携が多く、継続的な関係の構築が図られる。
  • 戦略的提携は、共同開発や合弁事業設立のように、企業が独立性を維持して緩やかな結びつきを構築するが、資本参加や当該企業同士の組織的な統合を通じて経営資源の合体を図る。
  • 戦略的提携は、提携による協力で得られる恩恵を最大限享受できる組織的な統合を図り、業界内の新しいセグメントや新たな業界への低コストでの参入と経営資源の補完を主な目的とする。
  • 戦略的提携は、当事者間での裏切りのリスクを内包するが、その回避のために、企業には互いの独立性を維持しつつも、階層関係を構築して関係の固定化を図ることが求められる。
  • 戦略的提携は、範囲の経済を利用できる内部開発によるコストよりも、共同開発のような提携によるコストが小さい場合、内部開発に代わって選択される。

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この過去問の解説 (2件)

01

戦略的提携に関する問題です。

選択肢の正誤判定をしながら解説します。

選択肢1. 戦略的提携では、大学や政府機関が参加することはないが、同一の業種で競争関係にある企業間よりも異業種の企業間での提携が多く、継続的な関係の構築が図られる。

戦略提携は企業同士を中心にするものであっても、大学や政府機関が参加することもありえますので誤りです。

選択肢2. 戦略的提携は、共同開発や合弁事業設立のように、企業が独立性を維持して緩やかな結びつきを構築するが、資本参加や当該企業同士の組織的な統合を通じて経営資源の合体を図る。

戦略提携の中には企業同士の独立性を維持するようなゆるやかなものもありますので、組織的な統合や経営資源の合体を前提とするものではありません。したがって誤りです。

選択肢3. 戦略的提携は、提携による協力で得られる恩恵を最大限享受できる組織的な統合を図り、業界内の新しいセグメントや新たな業界への低コストでの参入と経営資源の補完を主な目的とする。

戦略的提携は、組織的な統合を前提とするものではありませんので誤りです。

選択肢4. 戦略的提携は、当事者間での裏切りのリスクを内包するが、その回避のために、企業には互いの独立性を維持しつつも、階層関係を構築して関係の固定化を図ることが求められる。

戦略的提携は階層関係を構築して関係の固定化を図ることは必ずしも求められません。基本的には対等の関係を前提とするものですので誤りです。

選択肢5. 戦略的提携は、範囲の経済を利用できる内部開発によるコストよりも、共同開発のような提携によるコストが小さい場合、内部開発に代わって選択される。

正解です。

まとめ

戦略的提携に関する問題でした。この問題を通じて戦略的提携の性格を整理しておくとよいでしょう。

参考になった数8

02

項番1:不適切です。
戦略的提携は、大学や政府機関が参加することもあり得ます。

項番2:不適切です。
戦略的提携は、組織的な統合はなされません。

項番3:不適切です。
項番2同様、戦略的提携は、組織的な統合はなされません。

項番4:不適切です。
戦略的提携において、階層関係を構築して関係の固定化を図ることはありません。

項番5:適切です。
記述の通りです。

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