中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
経営情報システム 問11

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 令和2年度(2020年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の文章は、AI( Artificial Intelligence)を支える基礎技術である機械学習に関するものである。文中の空欄A~Dに入る語句として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

機械学習は[ A ]と[ B ]に大きく分けることができる。[ A ]はデータに付随する正解ラベルが与えられたものを扱うもので、迷惑メールフィルタなどに用いられている。[ B ]は正解ラベルが与えられていないデータを扱い、[ C ]などで用いられることが多い。
また、自動翻訳や自動運転などの分野では、人間の神経回路を模したニューラルネットワークを利用する技術を発展させた[ D ]が注目されている。
  • A:教師あり学習 B:教師なし学習 C:手書き文字の認識 D:強化学習
  • A:教師あり学習 B:教師なし学習 C:予測や傾向分析  D:深層学習
  • A:教師なし学習 B:教師あり学習 C:手書き文字の認識 D:深層学習
  • A:教師なし学習 B:教師あり学習 C:予測や傾向分析  D:強化学習

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この過去問の解説 (3件)

01

AIに関する記述として、最も適切なものの組み合わせを選びます。

機械学習は①教師あり学習、②教師なし学習、③強化学習の3種類に分類できます。

教師あり学習

入力データと答えとなる出力データがあり、その関係性を分析することで次のある入力データの答えを推測するものです。具体例では、天気予報などがあげられます。

教師なし学習

一連のデータから隠れたパターンや構造を見出すものです。データ間の類似性などからグループ化したり、予測や傾向を分析します。具体例では、ネットショッピングでのレコメンデーション(関連商品の提案)などがあげられます。

強化学習

 ①、②とは異なり、データからではなくシステム自身が試行錯誤を行い、精度を高める手法です。試行錯誤を繰り返しながら最適な手法(アルゴリズム、ルール)を見出すことで自ら学んでいくという特徴があります。

そして、機械学習をさらに発展させたものが深層学習(ディープラーニング)です。深層学習は人間の神経回路を模したニューラルネットワークを利用する技術であり、機能強化の自動化している点に機械学習との違いがあります。特に、分析の対象を区別する際に特徴量(いわば目の付け所)を自動的に見出す点で機械学習より進化しています。

以上から、空欄[A]は教師あり学習、空欄[B]は教師なし学習、空欄[C]は予測や傾向分析、空欄[D]は深層学習が当てはまります。よって、選択肢2が最も適切であると判断できます。

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02

AIについての主題です。

まず、AIについて詳しい知識を勉強するというより、一般知識と設問を見ることで、ある程度の絞り込みが可能な問題です。

まず、AとBの空欄のどちらかに「教師あり学習」か「教師なし学習」かを選びます。

データに付随する正解ラベルが与えられているタイプと正解ラベルが与えられていないタイプとを比べた時に、正解ラベルがある方が教師があると考えるのがまっとうではないでしょうか?

定義としては、学習データに正解与えた状態で学習させるものが教師ありデータです。

定義を知らなくても、なんとなくでも答えを1、2に絞り込めると思います。

続いて、C、Dの選択肢のグループには、共通のものがありません。どれか一つの知識があれば、正解になります。

例えば、AIと深層学習(ディープラーニング)の関係が強いことはイメージとして湧かないでしょうか?

深層学習が高等レベルの用語であるという認識があるだけでも、”人間の神経回路を模したニューラルネットワーク”という箇所で、Dを深層学習を選ぶことができるのではないでしょうか?

強化学習とは、コンピュータが自分で学び報酬を得て賢くなる学習方法です。

手書き文字の認識は、答えを与えられている教師あり学習です。

教師なし学習は、規則性や類似性にしたがって予測や傾向分析から分類します。

よって、正解は2

参考になった数6

03

機械学習に関する問題です。

 

正答のポイントとしては、以下のとおりです。

空欄Bは「正解ラベルが与えられていないデータを扱い」という記述から、機械学習に関する知識がない方でも選択肢の用語の正誤判断はできると思います。ここから選択肢が2つに絞り込まれ、空欄Aも正解が確定します。

 

「教師あり」「教師なし」について知識がある方は空欄Cで正答することが可能です(消去法で判断することができます)が、空欄Dの「人間の神経回路を模したニューラルネットワークを利用する技術」という記述がより判断しやすいと思われます。

選択肢1. A:教師あり学習 B:教師なし学習 C:手書き文字の認識 D:強化学習

不適切な選択肢です。

選択肢2. A:教師あり学習 B:教師なし学習 C:予測や傾向分析  D:深層学習

正解の選択肢となります。

選択肢3. A:教師なし学習 B:教師あり学習 C:手書き文字の認識 D:深層学習

不適切な選択肢です。

選択肢4. A:教師なし学習 B:教師あり学習 C:予測や傾向分析  D:強化学習

不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

空欄Cの選択肢について、「手書き文字の認識」は教師あり学習のみで用いられますが、「予測や傾向分析」は教師あり/なし学習の両方で用いられます。

 

空欄Bは正解ラベルが与えられていないデータを扱うため、正解がありません。すなわち「教師なし」学習が該当するため、手書き文字の認識は選択されないことになります。その結果、消去法で予測や傾向分析が空欄Cの正解となります。

参考になった数1