中小企業診断士の過去問
令和3年度(2021年)
経済学・経済政策 問9
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和3年度(2021年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
生産物市場における輸出入の変化がGDPや貿易収支に与える影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 輸出と輸入が同規模で増加するとき、外国貿易乗数は1になる。
- 輸出の増加は、輸出の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支を改善させる。
- 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ自国のGDPを減少させる。
- 輸入の増加は、輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけ貿易収支を悪化させる。
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この過去問の解説 (3件)
01
外国貿易乗数についての出題です。
1 間違い
輸出と輸入が同規模だけ増えるとプライスマイナスゼロとなりますので、外国貿易乗数はゼロとなります。
2 間違い
国民所得は増えますが、貿易収支は改善しません
3 正しい
輸入は国民所得をマイナス要素となりますので、GDPは減少します
4 間違い
国民所得を減少させますが、貿易収支は悪化にはなりません
よって、正解は3
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02
【基礎知識】
GDP(Y)の式は、C:消費、I:投資、G:政府支出、X:輸出、M:輸入とすると
Y = C + I + G + (X - M)
となります。
輸入は所得に影響されると考えられるため、Mは一定の輸入量mと所得のうち輸入に回す一定比率mより
M = mY + m
となります。
Yが1単位変化したときに、指標がどれだけ変化するかを表したものが乗数というため、Yの関数を考慮すると、CもcY+cと関数になります。租税(T)も踏まえると
C = c(Y-T)+c
これらを代入すると、
Y = c(Y-T)+c+I+G+(X - (mY + m) )
これをYについて解くと
Y = 1/(1-c+m)(X-cT+c+I+G-m)となります。
このとき、輸出が1単位変化したとき、増加するYの量、1/(1-c+m)ΔX(Xの増加分)の1/(1-c+m)部分を外国貿易乗数と言います。
外国貿易乗数は1/(1-c-m)でc:限界消費性向も関連するため、1になるとは言い切れないので誤り。
貿易収支はX-Mとなる。もしXが増加すると、外国貿易乗数分、GDP:Yが増加します。Yが増加すると、Mも増加するため、誤り。
仮に定額の輸入mが増加すると、GDP:Yへの影響はマイナスで、外国貿易乗数をかけたものと等しくなります。正しい。
輸入mが増加すると、GDPが外国貿易乗数をかけた分減少し、更にYの関数である輸入量が減少するため、外国貿易乗数部分をかけた分減少するとは言い切れないため、誤り。
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03
外国貿易乗数に関する問題です。
外国貿易乗数 = 1/(1-c+m)
c:限界消費性向
m:限界輸入性向です。
不適切です。
c:限界消費性向の値によって、外国貿易乗数は変動するので、1になるとは言えません。
不適切です。
輸出の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさ分GDPは改善されますが、輸出ー輸入である貿易収支を改善するとは限りません。
適切です。
不適切です。
輸入の増加分に外国貿易乗数を乗じた大きさだけGDPは悪化されますが、輸出ー輸入である貿易収支を悪化させるとは限りません。
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