中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
運営管理 問37

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和5年度(2023年) 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

A社とB社は、それぞれX県とY県の間でトラックの長距離輸送を行っており、このたび中継輸送の取組を行った。この取組前と取組後の比較に関する記述として、最も適切なものを以下の解答群から選べ。
なお、以下の条件のみを踏まえて解答すること。

【中継輸送の取組前】
A社のトラックは、X県の倉庫AxからY県の倉庫Ayへ貨物を積載して走行(実車走行)した後に、倉庫Ayから倉庫Axへ貨物を積載せずに走行(空車走行)していた。
B社のトラックは、Y県の倉庫ByからX県の倉庫Bxへ実車走行した後に、倉庫Bxから倉庫Byへ空車走行していた。

【中継輸送の取組後】
A社のトラックは倉庫Axから中継拠点へ、B社のトラックは倉庫Byから中継拠点へそれぞれ実車走行した。それから中継拠点で互いの貨物を積み替えた後に、A社のトラックは倉庫BxへB社の貨物を積載して走行し、B社のトラックは倉庫AyへA社の貨物を積載して走行した(下図参照)。

【解答に当たっての条件】
・トラックの最大積載量と台数は、取組前と取組後のA社とB社においてすべて同じである。
・トラックの実車率と積載率は、A社とB社を合わせた全体でそれぞれ計算する。
・同一県内のA社とB社の倉庫は隣接しており、その間の距離は0とする。
・トラックの積載率は、空車を含めずに計算する。
問題文の画像
  • トラックの実車率と積載率は変わらなかった。
  • トラックの実車率は変わらなかったが、積載率は上昇した。
  • トラックの実車率は上昇し、積載率も上昇した。
  • トラックの実車率は上昇したが、積載率は変わらなかった。

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この過去問の解説 (2件)

01

トラックの中継輸送に関する問題です。

 

実車率:トラックの全走行距離に対して、実際に貨物を載せた距離の割合。空車率はこの反対の意味になります。

積載率:トラックの最大積載量に対して、実際に積載した量の割合。

 

中継輸送の取組前後で異なる点は、取組前は復路を空車走行していたのに対して、取組後は中継地点で両社の貨物を積み替えて復路も実車走行していることです。

したがって、実車率は上昇しているため2択に絞り込めますが、問題は積載率の扱いです。

 

「トラックの積載率は、空車を含めずに計算する。」という記述があるように、積載率は貨物を積んでいない場合はカウントされません。貨物を積んでいない場合にカウントされるのは、空車率です。「積載」(積んでいる)、「空車」(空のまま走行している)、という用語のニュアンスで理解しましょう。

 

また、本問の与件文では積載率が何%なのか情報が与えられていないため、積載率は往路・復路を通じて変化していないと判断するのが妥当であるといえます。

選択肢1. トラックの実車率と積載率は変わらなかった。

不適切な選択肢です。

選択肢2. トラックの実車率は変わらなかったが、積載率は上昇した。

不適切な選択肢です。

選択肢3. トラックの実車率は上昇し、積載率も上昇した。

不適切な選択肢です。

選択肢4. トラックの実車率は上昇したが、積載率は変わらなかった。

正解の選択肢となります。

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02

まず、本問で問われている実車率と積載率を確認します。

 

実車率とは、トラックの走行距離に占めている実際に貨物を積載して走行した距離の割合のことです。

積載率とは、貨物を積載して走行するトラックの最大積載量に占めている実際に積載した貨物の量の割合のことです。

 

中継輸送の取り組みによって、A社とB社の双方で空車のまま走行する距離が短くなります。

その結果、実車率が高まります

しかし、取り組み前後でトラックの積載量は変わらない上に、解答に当たっての条件から、積載率は変わりません

選択肢1. トラックの実車率と積載率は変わらなかった。

実車率は高まっているため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. トラックの実車率は変わらなかったが、積載率は上昇した。

実車率は高まり、積載率は変わっていないため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. トラックの実車率は上昇し、積載率も上昇した。

積載率は変わっていないため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. トラックの実車率は上昇したが、積載率は変わらなかった。

選択肢のとおりの結果になったため、本選択肢が正解です。

まとめ

実車率と積載率の意味を理解することが必須ですが、問題文や設問条件をよく読んで整理すれば正解を導ける問題でした。

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