中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経営情報システム 問25
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 令和5年度(2023年) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
インターネット上での情報流通の特徴に関する以下の文章の空欄A~Dに入る用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
人間は集団になると、個人でいるときよりも極端な方向に走りやすくなるという心理的傾向は( A )と呼ばれている。キャス・サンスティーンは、インターネットでも( A )を引き起こしやすくなる( B )という現象が見られると指摘した。こうした人間の心理的傾向とネットメディアの特性の相互作用による現象に、次のようなものが挙げられる。
1つは、SNSなどを利用する際、人間は自分と似た興味や関心を持つユーザをフォローする傾向があるので、自分と似た意見が返ってくる( C )と呼ばれる現象である。もう1つは、アルゴリズムが利用者の検索履歴などを学習することで利用者にとって好ましい情報が表示されるようになり、その結果、利用者が見たい情報しか見えなくなるという( D )と呼ばれる現象である。これら2つの現象は、インターネット上で偽情報が顕在化する背景の1つであると考えられている。
人間は集団になると、個人でいるときよりも極端な方向に走りやすくなるという心理的傾向は( A )と呼ばれている。キャス・サンスティーンは、インターネットでも( A )を引き起こしやすくなる( B )という現象が見られると指摘した。こうした人間の心理的傾向とネットメディアの特性の相互作用による現象に、次のようなものが挙げられる。
1つは、SNSなどを利用する際、人間は自分と似た興味や関心を持つユーザをフォローする傾向があるので、自分と似た意見が返ってくる( C )と呼ばれる現象である。もう1つは、アルゴリズムが利用者の検索履歴などを学習することで利用者にとって好ましい情報が表示されるようになり、その結果、利用者が見たい情報しか見えなくなるという( D )と呼ばれる現象である。これら2つの現象は、インターネット上で偽情報が顕在化する背景の1つであると考えられている。
- A:集団極性化 B:サイバーカスケード C:エコーチェンバー D:フィルターバブル
- A:集団極性化 B:サイバーカスケード C:バックファイア効果 D:エゴサーチ
- A:ハロー効果 B:サイバーカスケード C:バックファイア効果D:エゴサーチ
- A:ハロー効果 B:ナッジ C:エコーチェンバー D:フィルターバブル
- A:ハロー効果 B:ナッジ C:バックファイア効果 D:フィルターバブル
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、「A:集団極性化 B:サイバーカスケード C:エコーチェンバー D:フィルターバブル」です。
【基礎知識】
情報流通の特徴に関する問題です。
〇サイバーカスケード
ネット上の情報収集において、インターネットでは検索する者が多数の情報から使う情報を選ぶため、同じ思考や主義などを持つ者の情報と結びつきやすいという特徴を持ちます。
集団で討議を行うと、反対意見もあるため人はバランスの取れた考えになっていくと思われがちですが、実態は討議後に意見が特定の方向に先鋭化する事象が見られます。これを「集団極性化」と言います。
上記のインターネットの特徴により、より人々の意見が特定の方向に流れていくことを「サイバーカスケード」と言い、これが集団極性化を生み出します。カスケードとは滝のことで、一つの意見に流れて滝のように巨大な意見となることを表しています。
このように、人間の元々の特性とネット等が融合することによって、相互作用を引き起こす場合があります。
〇エコーチェンバー
SNSなどで意見を述べると自身の考えに近い人がフォローしているため、似た考えの意見が返ってくることで自身の意見が正しいと信じ込んでしまいます。閉じた部屋で声が反響するような状況をエコーチェンバーと言います。
〇フィルターバブル
ネットではアルゴリズムにより、自身の興味あるものや情報が優先的に表示されるようになります。その結果自身が望まない意見からは隔離され、泡(バブル)の中にいるような状態になることをフィルターバブルと言います。
【選択肢評価】
A 討議した後に意見が先鋭化する傾向を示すことです。集団極性化と言います。ハロー効果は評価を行う際に起こるミスの1つで、ある一部の特徴的な評価に引きずられて全体的な評価をしてしまうことです。
B ネットで集団極性化を引き起こす、特定の意見に引っ張られることをサイバーカスケードと言います。ナッジとは人の無意識化に働きかけて、意思決定を促すことです。
C エコーチェンバーのことです。バックファイア効果とは自身の意見や信念と対立する証拠等を突き付けられても聞き入れずに自身の意見を貫くことを言います。
D フィルターバブルのことです。エゴサーチとは自分自身や会社であれば会社のことを検索することです。
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02
インターネット上での情報流通の特徴に関する問題です。
解答群の絞り込みの一例を以下に挙げますが、正解を絞り込むというだけではなく、知っている用語が正解に当てはまらなければ消去法で正解できるという意味合いもあります。
空欄A:企業経営理論でも出題される可能性がありそうな内容です。似ている用語には「集団浅慮(グループシンク)」があります。
空欄B:ナッジは行動経済学で「行動を後押しする」という意味で用いられていますので、ご存じの方も多いかと思います。
空欄C:「自分と似た意見が返ってくる」という記述から、「やまびこ」のような記述を含む用語が正解なのではないかと思われます。
空欄D:本科目で過去に出題されたことがあります。過去問題を復習していれば、対応可能です。
正解の選択肢となります。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
【補足】
本科目は、以前は選択肢が4つでしたが現在では5つに増えており、知識が不十分な問題があると選択肢の絞込みが難しくなっています。
しかしながら、本問は難易度としては標準的と考えられますので、解答群の用語4つのうち半分が分かれば正答することが可能です。
他の科目を含めて、どうしても暗記しなければならない内容が多くなり、闇雲に覚えようとすると負担が大きくなって逆効果ですが、過去問題の復習は必須なので過去に出題履歴のある「フィルターバブル」、テレビで取り上げられる機会のある「ナッジ」など、日常生活で自然と入ってくる情報を優先的にキャッチしていくと、あまりストレスに感じることなく知識を増やすことができます。
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