中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問178 (経営情報システム 問17)

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問178(経営情報システム 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

近年パスワードレス認証が普及してきた。パスワードレス認証の方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • パスキー認証では、生体認証は用いられない。
  • パスキー認証では、複数のデバイス間で同じパスキー(FIDO認証資格情報)を用いることができる。
  • パスキー認証では、利用者の電話番号にワンタイムパスコードを通知して、そのコードを用いて認証する。
  • パスキー認証とは、一度の認証で許可されている複数のサーバやアプリケーションを利用できる仕組みをいう。
  • パスキー認証は、パスワード認証に比べてDoS攻撃への耐性がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

パスキー認証に関する問題です。

 

パスキー認証とはパスワードに代わる認証情報で、Fast IDentity Online(FIDO)仕様というFIDOアライアンスによって規格策定されている技術をベースとしています。

 

FIDO認証は、生体認証(画面ロック解除)を行うことでWebサイトにログインするため、ユーザはSMSで送られる確認コードの受信を待ったりパスワードを覚えたりする必要はありません。

 

(以上、Yahoo! JAPAN Tech Blog「FIDO認証&パスキー総復習(認証の仕組みやパスキー登場までの経緯)」から引用)

https://techblog.yahoo.co.jp/entry/2023080730431354/

 

従来のFIDO認証では、デバイスの紛失やスマートフォンの機種変更など認証器が使えなくなると認証不可能となる問題がありました。この問題を解決するため、「FIDO認証資格情報(FIDOクレデンシャル)」をクラウド経由で同期し、複数のデバイスで利用できるようにする仕組みが考案されました。

 

(以上、大和総研「パスキー」から引用)

https://www.dir.co.jp/world/entry/passkey

 

選択肢1. パスキー認証では、生体認証は用いられない。

冒頭の解説より、パスキー認証では生体認証が用いられます

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢2. パスキー認証では、複数のデバイス間で同じパスキー(FIDO認証資格情報)を用いることができる。

冒頭の解説より、パスキー認証では複数のデバイス間で同じパスキー(FIDO認証資格情報)を用いることができることは、パスキーに関する記述として最も適切であり正解の選択肢となります。

選択肢3. パスキー認証では、利用者の電話番号にワンタイムパスコードを通知して、そのコードを用いて認証する。

冒頭の解説より、利用者の電話番号にワンタイムパスコードを通知して、そのコードを用いて認証することではありません

 

パスキー認証では、ユーザはSMSで送られる確認コードの受信を待つ必要はないため不適切な選択肢です。

選択肢4. パスキー認証とは、一度の認証で許可されている複数のサーバやアプリケーションを利用できる仕組みをいう。

一度の認証で許可されている複数のサーバやアプリケーションを利用できる仕組みは、シングルサインオンです。

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢5. パスキー認証は、パスワード認証に比べてDoS攻撃への耐性がある。

パスキー認証は、パスワード認証に比べて情報漏えいやフィッシング詐欺による不正アクセスへの耐性があります。(従来のようにパスワードを設定する必要がなく、パスワードが漏えいすることを防止できるため)

 

DoS攻撃は、受信側のサーバに大量のトラフィックを送信してサーバをダウンさせることをいいます。パスキー認証によって受信側のサーバに大量のトラフィックが送信されることを防止できるわけではないため、不適切な選択肢です。

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02

パスワードを使わずに本人確認を行う「パスワードレス認証」が広まりつつあります。

その中でも「パスキー認証」は、安全で便利な方法として注目されています。

選択肢1. パスキー認証では、生体認証は用いられない。

→ これは間違いです。
パスキー認証では、生体認証(顔認証や指紋認証など)がよく使われます。

これはFIDO(ファイド)という認証の仕組みに基づいていて、秘密鍵を端末に安全に保存し、それを使って本人確認を行います。

生体認証はパスワードよりも安全で便利なので、パスキーと一緒に使われるのが一般的です。

選択肢2. パスキー認証では、複数のデバイス間で同じパスキー(FIDO認証資格情報)を用いることができる。

→ これが正しい説明です。
最近のパスキーは、AppleのiCloudキーチェーンやGoogleのパスワードマネージャーなどを使って、他の自分の端末とも自動で同期されます。

たとえば、iPhoneで作成したパスキーを、同じApple IDのiPadやMacでも使えるようになります。

これはクラウドに安全に保存されているからです。

選択肢3. パスキー認証では、利用者の電話番号にワンタイムパスコードを通知して、そのコードを用いて認証する。

→ これは間違いです。
この説明は「SMS認証」や「ワンタイムパスワード(OTP)」の方法です。

SMSで送られてくる6桁などのコードを入力するやり方は、パスワードレスに見えるかもしれませんが、パスキー認証とは違う仕組みです。

パスキー認証は、秘密鍵を使って認証する方法です。

選択肢4. パスキー認証とは、一度の認証で許可されている複数のサーバやアプリケーションを利用できる仕組みをいう。

→ これは間違いです。
この説明は「シングルサインオン(SSO)」という仕組みの説明です。

SSOでは、一度ログインすれば、同じグループに属する複数のサービスに続けてログインできます。

しかしパスキー認証は、あくまで「1つのサービス」にログインする際の本人確認の方法です。SSOとパスキーは別の概念です。

選択肢5. パスキー認証は、パスワード認証に比べてDoS攻撃への耐性がある。

→ これも間違いです。
DoS攻撃(サービス妨害攻撃)は、サーバに大量のアクセスを送って使えなくする攻撃です。

これはパスワード認証でもパスキー認証でも、直接的には関係しません。

つまり、パスキーだからDoSに強くなるというわけではなく、耐性があるとは言えません。

まとめ

パスキー認証では、生体認証や端末に保存された情報を使って、複数の端末でも同じ認証情報を利用することができます。

安全性と使いやすさを両立した仕組みです。

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03

パスワードレス認証の方法についての問題です。
本問ではパスキー認証について問われています。

選択肢1. パスキー認証では、生体認証は用いられない。

不適切
パスキー認証は、生体認証(顔認証や指紋認証)も含まれます。

選択肢2. パスキー認証では、複数のデバイス間で同じパスキー(FIDO認証資格情報)を用いることができる。

適切
認証資格情報の複数デバイスによる共有は、
パスキー認証の特徴の一つとして適切な記述です。

選択肢3. パスキー認証では、利用者の電話番号にワンタイムパスコードを通知して、そのコードを用いて認証する。

不適切
パスキー認証では、ワンタイムパスコードは使用されません。

選択肢4. パスキー認証とは、一度の認証で許可されている複数のサーバやアプリケーションを利用できる仕組みをいう。

不適切
本肢はシングルサインオンに関する記述となっています。
パスキー認証では、複数のデバイスで認証情報を共有しますが、
一度の認証で複数のサービス等を利用できる仕組みではありません。

選択肢5. パスキー認証は、パスワード認証に比べてDoS攻撃への耐性がある。

不適切
パスキーはフィッシング等に対して耐性があります。
DoS攻撃は、ターゲットとなるサーバー等に大量のアクセスを行うことで、
過大な負荷をかけることを指します。
認証方法の如何によって耐性が変わるものではありません。

まとめ

パスキー認証は、パスワード認証に代わり、
生体認証やパターンを使ってログインする認証方式です。
複数端末で認証情報を共有でき、フィッシング等不正アクセスのリスクが低いとされます。
利便性と安全性の実現が可能とされる方式です。

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